3年目社員研修とは?目的・課題・プログラム例を徹底解説

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入社3年目前後は、多くの若手社員が業務には慣れる一方で、成長実感の薄れや将来への迷いが生じやすい時期といわれます。任される業務が増えることで責任が重くなる一方、キャリアの見通しや役割とのギャップに悩み、自信を失うケースも少なくありません。

このような背景から、3年目社員を対象にした体系的な研修が注目されています。本記事では、3年目研修の目的、抱えやすい課題、設計ポイント、プログラム例までを整理し、若手の定着と成長を実現するための具体的なヒントをご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.3年目社員研修とは
    1. 1.1.入社3年の離職率が依然高い理由
    2. 1.2.中堅への移行期に生じる“役割ギャップ”とスキル不足
  2. 2.3年目社員が抱えやすい悩み・行動特性
    1. 2.1.業務のマンネリ化・モチベーション低下
    2. 2.2.成長実感の不足とキャリア迷走
    3. 2.3.仕事の進め方が更新されずパフォーマンスが頭打ち
    4. 2.4.自ら学び・挑戦する姿勢の弱まり
    5. 2.5.後輩指導に自信がもてない
  3. 3.3年目研修の目的
    1. 3.1.中堅社員への意識転換を支援する
    2. 3.2.キャリアの方向性を明確にし自律性を高める
    3. 3.3.チームを支える実践スキルを底上げする
  4. 4.3年目研修の内容・プログラム例
    1. 4.1.パフォーマンス向上プログラム
    2. 4.2.キャリア形成・主体性強化系
    3. 4.3.チームワーク・対人スキル系
    4. 4.4.後輩育成・リーダーシップ系
  5. 5.3年目研修を成功させる設計ポイント
    1. 5.1.若手層の現状をデータで把握する
    2. 5.2.1年目・2年目研修との連動性を持たせる
    3. 5.3.上司の関与・フィードバック体制を整える
    4. 5.4.思考・行動の変化に焦点を当てる
    5. 5.5.集合研修・オンライン・OJTなど複数手法を最適配分する
  6. 6.3年目研修の導入ステップ
    1. 6.1.ステップ1|課題整理と目的の明確化
    2. 6.2.ステップ2|対象者分析と重点テーマの設定
    3. 6.3.ステップ3|研修方式の設計(オンライン・集合・OJT)
    4. 6.4.ステップ4|定着を促すフォローアップ
    5. 6.5.ステップ5|評価と改善のサイクル構築
  7. 7. eラーニング導入で研修を成功させた事例紹介
    1. 7.1.【事例】株式会社CRYSTALINO様:若手社員のビジネス基礎力強化での利用
    2. 7.2.【事例】メディカル・データ・ビジョン株式会社様:多様なeラーニング研修での利用
    3. 7.3.【事例】丸紅ロジスティクス株式会社様:物流基礎知識の研修での利用
  8. 8.まとめ
    1. 8.1.eラーニングプラットフォーム
    2. 8.2.eラーニングパッケージ

3年目社員研修とは

3年目社員研修とは、入社3年目前後の社員が次のステージへ進むために必要な視点やスキルを整理し、今後の成長基盤をつくるためのプログラムです。

仕事に慣れ始め、任される役割が広がるこの時期は、キャリア観や働き方を見直す良い機会でもあります。企業としても、この節目に合わせて社員の視野を広げ、将来的な活躍を後押しする目的で3年目研修を導入するケースが増えています。ここでは、こうした研修が注目される背景を整理します。

入社3年の離職率が依然高い理由

入社3年目は、1〜2年目と同様に離職率が高く、依然としてリスクの大きい時期です。
厚生労働省が公表した令和4年卒のデータでは、新規大学卒就職者の3年以内離職率は33.8%、高校卒では37.9%と、若手の早期離職は依然として高い状況です。

つまり、離職は入社直後だけでなく、キャリアを本格的に考え始める「3年目前後」まで続いています。

3年目は、仕事には慣れてきたものの、任される範囲が広がってプレッシャーも増えやすい時期です。成果への期待が高まる一方で、評価やキャリアとのつながりが見えづらく、「このままでいいのだろうか」と迷いが生まれやすいのが実情です。こうした負担が重なり、結果的に1〜2年目と同じレベルで離職が発生してしまいます。

さらに、この時期の離職は、これまで育ててきた人材の流出につながるため、企業にとっても大きな損失になります。
だからこそ、3年目という節目でキャリアの棚卸しやスキルアップの機会をつくり、前向きに働き続けられる環境づくりが重要です。
参考:新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00010.html

▶関連記事:
2年目社員研修とは?具体的なプログラム例や成功ポイントを紹介

中堅への移行期に生じる“役割ギャップ”とスキル不足

入社3年目前後は、若手から中堅へ移り始める節目で、求められる役割が大きく変わるタイミングです。上司や周囲からは「自走力」「課題発見」「後輩育成」など、より主体的な振る舞いを期待されますが、本人はまだキャリアの方向性や強みが定まっていないことも多く、認識のズレが生じがちです。このギャップを放置すると、成長実感が薄れ、モチベーション低下につながることがあります。

さらに、中堅層に求められる課題発見力・論理的思考・業務改善・コミュニケーション・後輩指導などのスキルは、日々の業務の中では十分に学ぶ機会が得られにくいのが実情です。その結果、「期待は上がるのにスキルが追いつかない」という状況に陥りやすく、これが3年目以降の停滞感を生む一因にもなっています。

3年目研修では、こうした役割ギャップを整理しつつ、キャリアの棚卸しや役割認識の再定義を行い、必要なスキルを体系的に補うことで、次のステージに進むための土台づくりを支援することが重要になります。

3年目社員が抱えやすい悩み・行動特性

3年目社員への育成施策を検討する際には、この時期に特有の心理状態や行動傾向を理解しておくことが重要です。ここでは、代表的な課題を整理し、研修企画の前提となる“育成テーマ”を明確にします。

業務のマンネリ化・モチベーション低下

3年目社員は業務の基本フローを習得し、一定の裁量をもって仕事を進められる段階に到達しています。

しかしその一方で、「同じ業務が続く」「成長が感じられない」といったマンネリ感が生じやすい時期です。新しい刺激が少なくなることでモチベーションが徐々に低下し、主体的な取り組みが弱まっていく傾向も見られます。

研修では、業務の意味づけを再認識し、視野を広げる機会を提供することが重要です。

成長実感の不足とキャリア迷走

3年目は、自身の強み・弱みや今後のキャリア方向性が曖昧なまま業務を進めているケースが多く、“キャリア迷子”になりやすいタイミングです。周囲からの期待値は上昇するものの、必要なスキルが獲得できているかの手応えがなく、「自分はこの仕事に向いているのか」「続けるべきか」という迷いを抱きがちです。

また、評価の基準やキャリアパスの解像度が低いと、成長実感が得られず停滞感が強まることにもつながります。

研修ではキャリア棚卸しや自己理解を促し、方向性を再構築する支援が有効です。

仕事の進め方が更新されずパフォーマンスが頭打ち

日々の業務に一定の“慣れ”が出ることで、仕事の進め方が固定化し、生産性やアウトプットの質が伸び悩むケースがあります。個人の経験則に依存し続けると、課題発見力や改善力が伸びにくく、より複雑な業務への対応力が不足しやすくなります。

また、論理的思考やコミュニケーションスキルなど、より高いレベルが求められるタイミングにもかかわらず、体系的な学習の機会がないことがパフォーマンスの頭打ちにつながります。

研修では、業務プロセスの再設計や思考法のアップデートをテーマ化することが求められます。

自ら学び・挑戦する姿勢の弱まり

入社当初は積極的に学習し、新しい業務に挑戦する姿勢が強いものの、3年目になると「できること」がある程度固まり、自己学習の優先度が下がる傾向があります。

また、業務量が増えることで余力が減り、短期的成果に意識が偏ることも学び・挑戦から遠ざかる要因です。結果として、変化に対応する力や新しい価値を生み出す力が育ちにくくなります。

研修では、学習意欲を再活性化する仕掛けや、自律的な学習習慣づくりのサポートが有効です。

後輩指導に自信がもてない

3年目は、後輩へのOJT指導やタスクアサインが求められる時期ですが、多くの社員が「教え方に自信がない」「自分もまだ十分にできていない」と感じています。指導経験が少ないまま指導者役を担うため、役割期待とのギャップがストレスになるケースもあります。

また、フィードバックの方法やコミュニケーションの仕方が分からず、後輩への関わりを避けてしまうこともあります。

研修では、育成スキルの基本や後輩との関わり方を学ぶ場を提供し、役割移行をスムーズにすることが重要です。

3年目研修の目的

3年目研修は、単なるスキル強化にとどまらず、若手社員が“自走できる人材”へと移行するためのマインド、役割認識、行動スタイルを確立することを目的としています。ここでは、その主要な目的を整理します。

中堅社員への意識転換を支援する

3年目は、担当業務に慣れ、一定の裁量を持って仕事を進められる段階に到達します。一方で、従来の「与えられた仕事を遂行する」という視点にとどまりやすく、組織全体の動きやチームの成果まで視野が広がりにくい時期でもあります。

研修では、組織の目標構造、上位層の意思決定プロセス、チームが果たすべき役割などを理解し、「自分の業務が全体の成果にどうつながるか」を捉え直す視座の拡張を図ります。

また、若手から中堅へと求められる役割が大きく変わるタイミングであるため、期待される振る舞い(自走・思考・発信・巻き込み)を具体的に学び、仕事観そのものをアップデートすることも重要になります。

これにより、単なるプレーヤーから、周囲を動かす“価値創出型”の中堅社員へと移行するための基盤が形成されます。

キャリアの方向性を明確にし自律性を高める

3年目前後は、「このままこの仕事を続けて良いのか」「自分は何が強みなのか」といった迷いが生じやすい時期であり、キャリア意識が揺れやすいタイミングでもあります。迷いを放置すると、成長実感や主体性の低下につながり、離職リスクが高まることも少なくありません。

研修では、自己理解の深掘り、強み・弱みの棚卸し、価値観の明確化などを通じて、自分のキャリアの軸を言語化し、中長期的なキャリア像を描く力を養います。

加えて、そのキャリア像を実現するために必要なスキルやアクションを具体化し、「成長を会社任せにせず、自ら取りにいく姿勢」を育成します。こうしたキャリアの再定義は、モチベーションを再活性化し、成長を自ら生み出す好循環につながります。

チームを支える実践スキルを底上げする

3年目以降は、業務の幅が広がるだけでなく、後輩育成やチーム連携など、これまで経験してこなかったタスクが増える時期です。しかし日常業務の中だけでは体系的に学ぶ機会が少なく、「期待は上がるがスキルが追いつかない」というギャップが生じがちです。

そのため研修では、次の 3 領域を包括的に強化します。

  • 業務遂行の質を高めるスキル
    ロジカルシンキング、課題発見、業務改善、優先順位付けなど、成果創出の基盤となる思考力・仕事の進め方を体系的に学び、“自己流の限界”を突破します。
  • 後輩指導・OJTの基本スキル
    業務の分解方法、教え方のステップ、フィードバックの仕方、コミュニケーションの要点など、育成者としての振る舞いを実践的に身につけ、指導に対する不安を解消します。
  • チームとして成果を出すための協働スキル
    関係者との連携、巻き込み、対話力、目的共有など、周囲と力を合わせて成果を最大化するためのスキル・姿勢を強化します。

このように、個人の業務スキルからチームを動かすスキルまで幅広く底上げすることで、3年目以降の成長を継続的に支える土台が形成されます。

3年目研修の内容・プログラム例

3年目研修は、企業が抱える育成課題や、若手社員それぞれの成長段階に合わせて選択することが重要です。ここでは、実務でよく取り入れられている研修テーマを目的別に体系化し、「どの課題にどの研修が効くのか」が分かる形で整理しています。

パフォーマンス向上プログラム

3年目以降は、配属からの経験をベースにしながらも、仕事の質やスピードをさらに引き上げるフェーズに入ります。ここでは、思考・業務推進の“型”を身につけ、生産性を底上げするプログラムをまとめています。

  • ロジカルシンキング
    論理的な思考プロセスを体系的に学び、情報整理・課題分析・意思決定の質を高めるプログラムです。自己流の判断基準から脱し、より客観的で再現性の高い思考ができるようになります。
  • 問題解決力
    現場課題の発見から原因分析、解決策立案までを手順化して学ぶ内容です。3年目で求められる「課題を自分で定義し、改善提案を行う力」を強化します。
  • プレゼンテーション
    構成の作り方、資料の設計、伝わる話し方など、成果を社内外に明確に示すための表現スキルを磨きます。チーム内共有や業務報告の質が向上します。
  • 業務標準化・改善思考
    自分の担当業務を“属人化”から脱却させ、再現性のある標準フローにまとめる方法を学びます。業務の抜け漏れ防止や生産性向上に効果的な内容です。

キャリア形成・主体性強化系

3年目はキャリアの方向性に迷いやすい時期であり、「自分は何を目指すのか」を明確にすることが主体性向上の第一歩となります。

  • キャリアデザイン
    価値観や強みを整理し、3〜5年単位でキャリアの方向性を描くワークです。キャリアの迷いの可視化と再定義に役立ちます。
  • 自己理解ワーク
    特性診断、経験の棚卸し、強み・弱みの分析など、自分の基盤を理解するワークを中心に構成します。自信形成や役割認識の整理につながります。
  • ネクストアクション設計
    キャリアの方向性を踏まえ、今後半年〜1年で取るべき具体的行動へ落とし込むプログラム。日々の学習・業務改善へ転換する仕組みづくりを支援します。
  • 自己マスタリー
    自分の感情・行動の癖を理解し、自律的に行動し続ける力を育てるプログラムです。メンタル面のセルフマネジメントにも役立ちます。

チームワーク・対人スキル系

3年目以降は、単独での成果だけでなく、周囲との協働で成果を出す「チーム貢献力」が求められます。

  • コミュニケーションスキル
    相手の意図を正確に掴む傾聴、論点をまとめて伝える話し方、合意形成のポイントなど、業務連携に不可欠な基本スキルを強化します。
  • アサーティブコミュニケーション
    自己主張と相手配慮のバランスを学び、意見のズレや衝突を防ぎながら建設的に話し合う力を育てる研修です。後輩指導にも役立ちます。
  • チームビルディング
    チーム役割の理解、関係構築、協働の進め方を体験的に学ぶ内容です。プロジェクト型業務が増える3年目以降に特に効果的です。
  • ネットワーキング
    部署横断の協力体制を築くためのコミュニケーションや関係構築の方法を学び、社内外での人的ネットワーク形成を促進します。

後輩育成・リーダーシップ系

3年目は、初めて「教える側」「任せる側」に立つフェーズであり、指導力とリーダーシップの基礎を学ぶことが重要です。

  • OJTトレーナー研修
    業務の教え方、指導計画の立て方、進捗フォローの方法など、後輩指導を体系的に学ぶプログラムです。
  • ティーチング/コーチング
    知識を伝えるティーチングと、自発的な気づきを促すコーチングの両方を学び、後輩に合わせた育成アプローチができるようになります。
  • リーダーシップ基礎
    役割認識、意思決定、チームのまとめ方、行動規範など、将来のリーダー候補として求められる要素を総合的に学びます。

3年目研修を成功させる設計ポイント

同じプログラムでも、企画・設計の質によって成果は大きく変わります。ここでは、3年目前後の若手育成を支援する際に重要とされる要素を整理し、実際の企画業務にすぐ活かせる観点としてまとめます。

若手層の現状をデータで把握する

効果的な3年目研修を設計するうえで、個々人に対する“印象”ではなく、客観的なデータに基づく判断が不可欠です。エンゲージメント調査、離職理由、定性アンケート、1on1記録、OJT振り返りなど、複数の資料を統合して分析することで、若手層の傾向が立体的に見えてきます。

特に、3年目前後に顕在化しやすいのは、成長実感の低下、自分の強みが不明確なことによるキャリア迷い、業務負荷とスキルのギャップから生じる不安などです。

こうしたテーマを事前に捉えておくことで、プログラムの焦点を絞り込みやすくなり、研修投資の効果も高まります。

1年目・2年目研修との連動性を持たせる

3年目研修は単発イベントではなく、入社後から続く育成ストーリーの一部として設計することが重要です。

  • 1年目:基礎理解・業務遂行の型づくり

  • 2年目:応用実践・自立度の強化

  • 3年目:主体性の発揮・役割拡張・後輩育成

このように階層ごとの成長テーマを接続させることで、社員自身が「自分は今、どの段階にいるのか」「次に何を身につけるべきか」を理解しやすくなります。

結果として、研修が点ではなく線としてつながり、育成体系全体の一貫性が高まります。

上司の関与・フィードバック体制を整える

研修で得た学びを実務で定着させるうえで、上司の関与は欠かせません。研修前には、上司から期待される役割や行動を事前にすり合わせておくことで、受講者は「何に活かすための研修なのか」を理解した状態で臨めます。

研修後は、1on1面談や行動観察を通じて変化を確認し、必要なサポートを行います。

上司が具体的なフィードバックを継続的に提供することで、若手社員は行動改善の方向性を捉えやすくなり、現場での行動変容が早期に進みます。

思考・行動の変化に焦点を当てる

3年目で求められる成長は、知識や手順の習得にとどまりません。自分自身の価値観や行動パターンを見直し、新しい役割に合わせてアップデートする“適応課題”が中心になります。
例:

  • 依頼待ちから、自ら課題を見つけて行動する姿勢への転換

  • 自分本位の判断から、チーム全体に配慮した行動への転換

  • 一人で抱え込むスタイルから、周囲を巻き込むスタイルへの転換

研修では、正解提示よりも「なぜその行動が必要なのか」を理解するプロセスを重視し、思考と行動を一体で変える設計が必要です。「なぜその行動が必要か」を理解し、思考と行動をセットで変える設計が重要です。

集合研修・オンライン・OJTなど複数手法を最適配分する

3年目研修は、扱うテーマが幅広いため、1つの形式に限定すると学習効果が偏りがちです。

集合研修で議論や相互学習を行い、オンラインで知識の底上げを行い、現場で実践し、フォロー研修で振り返るといった“ハイブリッド型”の構成が有効です。

  • 集合研修:議論、ロールプレイ、相互フィードバック

  • オンライン:知識習得、復習、忙しい時期でも受講しやすい

  • OJT・現場実践:実際の業務で行動変容を試す

  • フォロー研修:定着度の確認、追加支援

こうした複数手法の組み合わせによって、学びを実務に落とし込むプロセスが途切れず進みます。
▶関連記事:ハイブリッド研修とは?メリット・デメリットから具体的な行い方まで解説

3年目研修の導入ステップ

3年目研修を導入する際には、企画から実施、そして定着化まで一連のプロセスを体系的に整理することが重要です。ここでは、現場でそのまま活用できる導入ステップをまとめ、企業が研修効果を最大化するために押さえるべき要点を段階ごとに解説します。

ステップ1|課題整理と目的の明確化

まず、3年目社員に期待される役割と、現場で顕在化している課題を明確にします。
成果責任の増大、後輩指導の開始、業務の属人化など、「何が現状の阻害要因になっているのか」を構造化することが起点になります。

課題が明確になれば、研修の目的も「役割認識の再確認」「中堅としての行動変容」「業務推進スキルの強化」など、狙いを絞り込めます。
目的が曖昧なまま実施すると研修の評価が困難になるため、最初の設計段階で成果イメージを定義することが重要です。

ステップ2|対象者分析と重点テーマの設定

3年目といっても、職種・配属・個人の成熟度によって求められる支援は異なります。
そのため、対象者の業務状況、育成上の課題、上司からの期待を収集し、共通のニーズと個別の差分を把握することが重要です。

その上で、テーマ選定は「役割期待の再設計」「主体性・視座向上」「後輩指導スキル」「問題解決力」「コミュニケーション強化」など、事業や組織の状態に即した優先順位づけを行います。研修テーマは多様になりがちですが、組織として「来年度の戦力化に直結する能力」を軸に絞ると効果が高まります。
▶関連記事:階層別研修とは?目的・メリット・カリキュラム例までわかりやすく解説

ステップ3|研修方式の設計(オンライン・集合・OJT)

内容と目的に応じて、最適な方式を選択します。

  • オンライン研修:知識インプット、基礎フレーム習得に適しており、工数削減や全国拠点向けにも有効

  • 集合研修:議論・ワークショップ・相互学習など、行動変容を促すテーマに向いてい

  • OJT・実務課題:研修内容を実務へ落とし込む段階で高い効果を発揮する

特に3年目研修では、オンラインで知識を補填し、集合研修で行動変容を促し、最後に実務課題で定着させる「複合型設計」が効果を発揮するケースが多く見られます。研修の狙いと社員の業務負荷のバランスを見ながら、最適な形式を組み合わせます。
▶関連記事:研修の種類や目的や階層別に合わせた選び方、実施方法を紹介します!

ステップ4|定着を促すフォローアップ

研修の成果は、実務での行動変化が伴って初めて定着します。
そのため、研修後のフォローとして、上司との1on1、行動目標の設定、業務への適用レポート、定期振り返りなどを組み込むことが有効です。
特に3年目は多忙になりやすく学びが流れやすいため、研修内容を継続的に思い出し、実践につなげる仕組みづくりが欠かせません。

ステップ5|評価と改善のサイクル構築

研修効果を最大化するためには、実施後の評価と改善を継続的に行うことが欠かせません。

  • 受講者の満足度

  • 行動変容の有無

  • 上司からの評価

  • 業務成果への貢献度

  • 次年度への改善ポイント

これらを多面的に収集し、次回の研修設計に反映していきます。評価軸が「満足度」に偏ると本質的な改善ができないため、定量・定性の両方から分析する仕組みづくりが重要です。
▶関連記事:社内研修の効果測定に有効な方法は?効果測定の課題とポイントを解説

 eラーニング導入で研修を成功させた事例紹介

【事例】株式会社CRYSTALINO様:若手社員のビジネス基礎力強化での利用

株式会社CRYSTALINO様では、20代若手社員の共通教養や社会人基礎力向上のため、eラーニングコンテンツがパッケージ化されている「サクテス学びホーダイ」を活用しています。

案件の増加に伴い、取引先から見て当たり前のビジネスマナーや社会人基礎力の教育が必要となり、短時間で学べるeラーニングを導入しました。

導入後は、社内で学習内容を共通言語化でき、指導やフォローがしやすくなったほか、会社として「社員の育成に本気で取り組んでいる」姿勢を示すこともできました。

現在は「ビジネスファーストステップ」と「ビジネスベーシック」の2つのコンテンツを活用し、内定者の入社前学習にも対応しています。

▼詳しい事例はこちらをご参照ください

【事例】メディカル・データ・ビジョン株式会社様:多様なeラーニング研修での利用

メディカル・データ・ビジョン株式会社様では、LMS(SAKU-SAKU Testing)を活用し、さまざまなテーマのeラーニング研修を実施しています。

これまでは、無料システムを使って自部署内で研修の企画から集計まで行っていましたが、社会ニーズの変化に伴い、センシティブな内容を含む研修も増え、専門的な知見を取り入れたコンテンツ運用が課題となっていました。

LMS(SAKU-SAKU Testing)の導入により、既存教材と自社オリジナル設問を組み合わせた柔軟なテスト設計が可能となり、動画や確認問題を通じて、忙しい社員でも要点を効率的に学べる環境を実現しました。さらに、自動リマインド機能によって受講率が向上し、督促作業にかかる時間も大幅に削減されました。

▼詳しい事例はこちらをご参照ください

【事例】丸紅ロジスティクス株式会社様:物流基礎知識の研修での利用

丸紅ロジスティクス株式会社様では、LMS(SAKU-SAKU Testing)を活用し、物流分野における基礎知識や安全教育などの研修をオンラインで実施しています。

これまでは、集合研修や各センターへの訪問による対面研修を行っており、多くの社員のスケジュール調整に時間を要するほか、受講後の理解度を把握する仕組みが整っていないことが課題でした。

導入後、全社員に均一な内容で研修を提供できるようになり、理解度テストで満点を受講完了条件とすることで、学習の定着度を可視化できるようになりました。また、受講者は業務の合間に学習できる点が好評で、管理者もダッシュボード上で受講状況を容易に確認できるようになり、運用負荷の軽減を実現しています。

▼詳しい事例はこちらをご参照ください

まとめ

3年目研修は、若手社員が中堅層へと移行する重要なタイミングであり、組織として体系的に支援する価値が高い施策です。

企業ごとの課題を踏まえ、目的設定、テーマ選定、実施方式、フォローアップ、評価改善までを一連のプロセスとして設計することで、持続的な成長を生み出す研修へと発展させることができます。

こうした“戦略的な育成設計”を実現するうえで、研修のオンライン化・効率化・個別最適化を図れる仕組みを活用することは、大きな効果を生みます。

イー・コミュニケーションズでは、こうした育成設計に組み込みやすいeラーニングサービス・コンテンツを提供しています。

eラーニングプラットフォーム

SAKU-SAKU Testing

  • オリジナル研修やテストを自由に搭載
  • 受講者ごとに最適なコンテンツを自動出し分け
  • 教育担当者の負担を軽減する直感的なUI

3年目研修の事前学習・事後フォローをオンライン化したい企業に適した仕組みです。

eラーニングパッケージ

サクテス学びホーダイ

  • 導入後すぐにWeb教育をスタートできる“学び放題”パッケージ
  • 内定者~入社3年目、管理職候補まで階層別コンテンツを網羅
  • 100本以上の動画+3,000問超のビジネス問題で理解度を測定可能

3年目研修の主題となる「主体性」「キャリア形成」「後輩育成」「業務遂行力強化」といったテーマにも対応しており、研修企画と合わせて幅広く活用できます。

ぜひお気軽にご相談ください。

 

組織が発展していくには、社員一人ひとりの能力を向上させることが不可欠です。 そのためにも、企業は個々のスキルアップを促す仕組み作りをする必要があります。 このメディアでは、社員教育に力を入れていきたい企業様に向けて、 教育・研修をメインに社員が成長していくための情報を発信していきます。

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