コンプライアンス研修資料の作り方ガイド|ポイントや作成のコツを紹介

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企業の健全な成長に、従業員一人ひとりのコンプライアンスの遵守は欠かせません。
そのために効果的なのが、定期的なコンプライアンス研修の実施です。
しかし、研修の成果は資料の分かりやすさや内容に大きく左右されるため、担当者の方は資料の作成に頭を悩ませることも少なくないでしょう。

本記事では、参加者の理解を深め、行動変容を促すコンプライアンス研修資料の作成方法について、構成要素から情報収集のコツ、すぐに使えるテンプレートまで具体的に解説します。

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目次[非表示]

  1. 1.最初に押さえるべきコンプライアンス研修の目的
  2. 2.分かりやすい研修資料に盛り込むべき構成要素
    1. 2.1.研修のゴールを冒頭で明確に伝える
    2. 2.2.コンプライアンスの重要性を基礎から解説する
    3. 2.3.身近な違反事例で自分ごと化を促進する
    4. 2.4.業務に関連する法律や社内ルールを説明する
    5. 2.5.違反時のリスクと具体的な対処法を示す
    6. 2.6.明日から実践できる予防策を提示する
  3. 3.研修のネタに困らない!資料に使える情報の収集術
    1. 3.1.社内のヒヤリハット事例や過去の事案を参考にする
    2. 3.2.ニュースで報道された他社の違反事例を分析する
    3. 3.3.省庁や業界団体が公開するガイドラインを活用する
  4. 4.参加者の記憶に残る!研修資料作成を成功させる3つのコツ
    1. 4.1.図やイラストを多用して視覚的に分かりやすくする
    2. 4.2.一方的な説明ではなく、問いかけで思考を促す
    3. 4.3.研修後の行動につながる具体的なアクションプランを示す
  5. 5.【対象者別】コンプライアンス研修資料のカスタマイズ方法
    1. 5.1.新入社員向け:社会人としての基本姿勢を伝える内容に
    2. 5.2.管理職向け:マネジメント視点でのリスク管理を盛り込む
  6. 6.まとめ|コンプライアンス研修にeラーニングがおすすめ

最初に押さえるべきコンプライアンス研修の目的

コンプライアンス研修を実施する目的は、単に法律や社内ルールを知識として教えることだけではありません。
研修の根底にあるのは、従業員一人ひとりがコンプライアンスとは何かを正しく理解し、法令遵守の精神を自らの業務に反映させる意識を醸成することです。

これにより、不正行為や情報漏洩といった企業リスクを未然に防ぎ、社会的な信用を維持・向上させます。

最終的には、全社的なコンプライアンス意識の底上げを通じて、企業の持続的な成長と企業価値の向上を実現することが大きな目的となります。

▶関連記事:コンプライアンス研修とは?目的・内容・効果的な実施方法を解説

分かりやすい研修資料に盛り込むべき構成要素

分かりやすい研修資料を作成するためには、伝えるべき内容を体系的に整理し、論理的な流れで構成することが求められます。

まず、研修のゴールを提示して参加者の学習意欲を高め、次にコンプライアンスの基本的な考え方を解説します。

その後、具体的な違反事例を用いてリスクを自分ごととして捉えさせ、自社の業務に関連する法律やルール、違反時の対処法へと展開していきます。

研修テーマに応じてこれらの要素を適切に組み合わせ、一貫性のある内容に仕上げる必要があります。

研修のゴールを冒頭で明確に伝える

研修資料の冒頭では、その研修を通じて参加者に何を学び、どのような状態になってほしいのかというゴールを具体的に示すことが重要です。

例えば、「本日の研修後、自部署に潜む情報漏洩リスクを一つ以上特定し、その対策を説明できるようになる」といった明確な目標を提示します。

最初にゴールを共有することで、参加者は研修全体の流れを把握しやすくなり、学ぶべきポイントを意識しながら主体的に参加する姿勢が生まれます。

目的が不明確なまま研修が始まると、参加者は何のために時間を使っているのか理解できず、集中力が低下する原因にもなりかねません。
明確なゴール設定は、研修効果を最大化するための第一歩です。

コンプライアンスの重要性を基礎から解説する

なぜコンプライアンスを守る必要があるのか、その根本的な理由を丁寧に解説するパートは不可欠です。
単に「ルールだから守りなさい」という姿勢では、従業員の心には響きません。

コンプライアンスが、企業の社会的信用の維持、顧客や取引先との良好な関係構築、ひいては企業の持続的な成長にどのようにつながるのかを論理的に説明します。

また、法令遵守は従業員自身を不利益な状況から守るためのものでもあるという側面も伝えます。

企業の発展と自己防衛の両面からコンプライアンスの重要性を理解することで、従業員はルールを「守らされる」ものから「自ら守るべき」ものとして認識を改めるようになります。

身近な違反事例で自分ごと化を促進する

抽象的なルールの説明だけでは、参加者の記憶に残りづらく、実践にもつながりにくい傾向があります。
そこで有効なのが、従業員の身近な業務や私生活に関連する具体的な違反事例を取り上げることです。

例えば、何気なく投稿したSNSの内容が会社の信用を毀損するケースや、悪意なく行った取引先への過剰な接待が問題となるケースなどを紹介します。

こうした事例を通じて、「自分も同じような状況に陥るかもしれない」という当事者意識を喚起させることが可能です。

自分ごととしてリスクを捉えることで、ルールの意味をより深く理解し、自身の行動を振り返るきっかけを提供できます。

▶関連記事:【2025年最新】企業のコンプライアンス違反事例!防止策と危機管理とは

業務に関連する法律や社内ルールを説明する

コンプライアンス研修では、一般的な法令知識だけでなく、自社の事業や各従業員の業務に直接関わる法律や社内ルールを具体的に取り上げることが肝心です。

例えば、営業部門であれば取適法や景品表示法、開発部門であれば知的財産権、管理部門であれば個人情報保護法など、それぞれの業務に即した内容を盛り込みます。

また、就業規則や経費精算規定、情報セキュリティポリシーといった具体的な社内ルールについても、なぜそのようなルールが存在するのか背景や目的をあわせて説明することで、従業員の納得感を高め、遵守へとつなげます。

自社の業務と密接に関連付けることで、研修内容の実用性を高めることができます。

▶関連記事:営業担当者が知っておきたいコンプライアンス|取適法・独占禁止法に違反しないために

▶関連記事:取適法とは?下請法との違いや企業が押さえるべきポイントを解説

違反時のリスクと具体的な対処法を示す

コンプライアンス違反が発生した場合に、企業や個人がどのようなリスクを負うのかを具体的に示す必要があります。

企業の視点では、行政処分、罰金、訴訟による損害賠償といった直接的なダメージに加え、社会的信用の失墜による顧客離れや株価下落など、事業継続を脅かす深刻な影響があることを伝えます。

個人の視点でも、懲戒処分や損害賠償責任、場合によっては刑事罰を受ける可能性に言及します。

さらに、万が一違反行為を発見したり、自身が関与してしまったりした場合に、誰に、どのように報告・相談すればよいのか、社内の通報窓口やエスカレーションフローといった具体的な対処法を明確に周知することが、被害の拡大を防ぐ上で極めて重要です。

明日から実践できる予防策を提示する

研修の締めくくりとして、学んだ知識を日常業務に活かすための具体的な予防策を提示することが求められます。

知識を得るだけで終わらせず、行動変容を促すための具体的なアクションを示すことが研修の価値を高めます。
「判断に迷った際は、必ず上司や専門部署に相談する」「機密情報を含むメールを送信する前には、宛先と添付ファイルを再確認する」といった、誰でも明日からすぐに実践できるレベルの行動指針を複数挙げます。

チェックリスト形式で示すなど、従業員が自身の行動をセルフチェックできるようなツールを提供することも効果的です。
具体的な予防策を提示することで、研修で高まった意識を実際の行動へと結びつけます。

研修のネタに困らない!資料に使える情報の収集術

コンプライアンス研修の資料を作成する際、毎回同じような内容では参加者が飽きてしまい、形骸化する恐れがあります。
そこで、研修内容を新鮮で実践的なものに保つための情報収集が重要になります。

社内で実際に起きたヒヤリハット事例や、ニュースで報じられる他社の違反事例、そして省庁などが公開する最新のガイドラインといった外部情報を活用することで、研修の具体性と説得力を高めることが可能です。
これらの情報を適切に収集し、自社の状況に合わせて資料に落とし込むことが求められます。

社内のヒヤリハット事例や過去の事案を参考にする

研修のネタとして最も説得力を持つのが、自社で実際に発生した、あるいは発生しかけたインシデントです。
幸いにも重大な問題には至らなかったヒヤリハット事例や、過去に起きた懲戒事案などを収集し、個人が特定されないように内容を加工して教材として活用します。

これらの事例は、従業員にとって極めて身近であり、「自社でも起こりうること」として強い当事者意識を喚起します。
事例の背景、原因、そして再発防止策をセットで解説することで、同じ過ちを繰り返さないための具体的な教訓となります。

全部署から事例を収集する仕組みを構築したり、定期的にアンケートを実施したりすることで、継続的に教材を蓄積できます。

▶関連記事:コンプライアンス研修のネタ7選!ネタ探しの方法とコンプラ違反を防ぐポイント

ニュースで報道された他社の違反事例を分析する

新聞やテレビ、ウェブニュースなどで報じられる他社のコンプライアンス違反事例は、自社のリスクを客観的に見直すための貴重な教材です。

特に、同業他社や事業内容が類似している企業の事例は、自社にも同様のリスクが潜んでいる可能性を示唆します。

単に「このような事件があった」と紹介するだけでなく、その違反がなぜ起きたのかという背景や原因、企業がどのような対応を取り、社会からどのような批判を受けたのかまでを多角的に分析します。

そして、その教訓を自社の業務プロセスやルールに照らし合わせ、「自社で同じことを防ぐためにはどうすればよいか」を考える題材として活用することで、実践的なリスク管理能力の向上に寄与します。

省庁や業界団体が公開するガイドラインを活用する

法令は頻繁に改正されるため、常に最新の情報をキャッチアップしておくことが不可欠です。
消費者庁や公正取引委員会、個人情報保護委員会といった監督官庁や省庁がウェブサイトで公開しているガイドライン、Q&A、パブリックコメントなどの資料は、法改正の動向や解釈を正確に理解するための信頼できる情報源となります。

また、自社が加盟している業界団体が発行する自主規制ルールや手引書なども、業界特有のリスクや慣行を理解する上で非常に有用です。

これらの公的機関や団体が発信する一次情報を定期的に確認し、研修資料に反映させることで、内容の正確性と信頼性を担保することができます。

▼資料ダウンロード:「企業のコンプライアンス違反事例」

参加者の記憶に残る!研修資料作成を成功させる3つのコツ

研修の効果を最大化するためには、内容の正確性に加えて、参加者の記憶に残り、行動変容を促すための工夫が必要です。

研修会で用いる資料は、単に情報を羅列するのではなく、視覚的な分かりやすさや参加者の思考を促す仕掛けを盛り込むことが求められます。

一方的な講義形式に終始せず、参加者が能動的に関与できるような資料構成を意識することで、研修内容の定着率を高め、実践へとつなげることができます。
ここでは、そのための3つの具体的なコツを紹介します。

図やイラストを多用して視覚的に分かりやすくする

文字だけで構成された資料は単調になりがちで、参加者の集中力を維持することが困難です。
複雑な法律の条文や社内ルールの関係性を説明する際には、文章だけでなく、図やフローチャート、イラストなどを積極的に活用することで、内容を直感的に理解しやすくなります。

例えば、契約締結までの承認フローや、インシデント発生時の報告ルートなどを図解することで、全体の流れが一目で把握できます。

また、ハラスメントの具体例をイラストで示すなど、視覚情報を用いることで、より強く印象に残り、記憶の定着を助ける効果が期待できます。

情報を整理し、視覚的に訴えかける工夫が理解度を深めます。

一方的な説明ではなく、問いかけで思考を促す

研修資料を作成する際は、説明文を並べるだけでなく、参加者自身に考えさせる「問いかけ」を随所に盛り込むことが効果的です。
「もしあなたがこの担当者だったら、どのように対応しますか?」「このケースに潜むコンプライアンス上の問題点は何だと思いますか?」といった質問をスライドに含めることで、参加者は受け身の姿勢から抜け出し、主体的に研修内容と向き合うようになります。

グループディスカッションや個人ワークの時間を設け、これらの問いについて考える機会を作ることで、多様な意見に触れ、自身の考えを深めることができます。

思考を促す問いかけは、知識の定着だけでなく、応用力を養う上でも有効です。

研修後の行動につながる具体的なアクションプランを示す

研修の目的は、知識をインプットするだけでなく、それを実務で実践し、行動を変えることです。
そのため、研修の最後には、学んだ内容を踏まえて明日から具体的に何をするか、というアクションプランを参加者自身に考えさせ、言語化させる時間を設けることが重要です。

資料の最終ページにアクションプランを記入するシートを用意し、「自身の業務におけるコンプライアンスリスクを1つ挙げ、その予防策を記述する」といった具体的な課題を提示します。

各自が目標を設定し、それを部署内で共有するなどの仕組みを設けることで、研修で高まった意識を行動へとつなげ、研修効果を持続させることが可能になります。

【対象者別】コンプライアンス研修資料のカスタマイズ方法

効果的なコンプライアンス研修を実施するためには、全従業員に同じ内容を一律で提供するのではなく、役職や職務に応じた内容にカスタマイズすることが不可欠です。
新入社員に求められるコンプライアンス意識と、部下を管理・監督する立場の管理職に求められる知識やスキルは異なります。

それぞれの立場や役割に合わせたテーマ設定や事例選定を行うことで、研修内容の妥当性が高まり、参加者一人ひとりの理解度と納得感を深めることができます。

新入社員向け:社会人としての基本姿勢を伝える内容に

新入社員向けの研修では、専門的な法令知識よりも、まず企業の一員として、また社会人として行動するための基本的な心構えを伝えることに重点を置きます。
学生気分が抜けきらないうちに、会社の信用を背負って業務を行うことの責任の重さを理解させることが重要です。

具体的には、会社の情報を安易に外部に漏らさない情報管理の基礎、ハラスメントの加害者にも被害者にもならないための基本知識、そしてプライベートでのSNS利用が会社に与える影響など、社会人として最低限守るべきルールやマナーを中心に構成します。

今後のキャリアの土台となるコンプライアンスの基礎体力を養うことを目的とします。

▶関連記事:新入社員研修カリキュラムの作り方とは?具体的な研修内容もご紹介

管理職向け:マネジメント視点でのリスク管理を盛り込む

管理職には、自身のコンプライアンス遵守はもちろんのこと、部下の行動を監督し、指導する責務があります。
そのため、管理職向けの研修では、個人の問題としてではなく、チームや組織全体のリスクを管理するというマネジメントの視点が不可欠です。

具体的には、部下の不正行為の兆候を早期に発見するための着眼点、部下からハラスメントやコンプライアンスに関する相談を受けた際の適切な対応方法、そして不正が発生しにくい公正で風通しの良い職場環境を構築するための具体的な手法などを盛り込みます。

部下を守り、組織を守るための実践的なリスク管理能力を育成することが研修の目的となります。

▶関連記事:管理職研修とは?種類や内容・目的別プログラム例まで詳しく紹介

まとめ|コンプライアンス研修にeラーニングがおすすめ

効果的なコンプライアンス研修資料を作成するには、目的を明確にし、分かりやすい構成要素を盛り込むことが基本となります。
身近な事例を取り入れて当事者意識を促し、対象者の役職に応じて内容を調整する工夫も求められます。
図や問いかけを活用して参加者の記憶に残りやすくし、研修後の具体的な行動につながる設計を意識することが、資料の価値を高めます。

コンプライアンス研修は一度きりのイベントではなく、継続的な教育を通じて組織文化として醸成していくべきものです。

やりっぱなしにならないコンプライアンス研修を実現するには、eラーニングの活用がおすすめです。
コンプライアンス研修・コンプライアンス学習の導入をご検討中なら、問題形式で効率よく学べるeラーニングシステム「SAKU-SAKU Testingがおすすめです。
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SAKU-SAKU Testingは問題を解いて学ぶアウトプット主体の学習が可能です。
自社で作成したコンテンツを搭載して利用できますので、自社オリジナルのコンプライアンス研修の実施も可能です。

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