■調査サマリー
-
01|人事・総務担当者の86.5%が、過去1年間で従業員からカスタマーハラスメントの被害報告・相談を受けたと回答
-
02|カスハラ対策研修の実施率は約9割に達する一方、約2割の担当者は義務化への準備に不安を抱えている実態
-
03|カスハラ対策は「相談窓口の設置・運用」が65.7%で最多も、「管理職向けエスカレーション研修」は20.2%にとどまる
■調査概要
-
調査名称:【2026年版】企業のカスハラ対策義務化を見据えたハラスメント防止教育に関する実態調査
-
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
-
調査期間:2026年3月2日〜同年3月3日
-
有効回答:従業員数100名以上の企業で、ハラスメント対策や社員教育・研修の企画・運営に携わっている人事・総務担当者111名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
≪利用条件≫
1 情報の出典元として「株式会社イー・コミュニケーションズ」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
URL:https://www.e-coms.co.jp/
■担当者の約9割が、カスハラ被害の報告・相談を経験
「Q1. 過去1年間で、従業員が顧客や取引先からカスタマーハラスメント(顧客等からの著しい迷惑行為)を受けたという報告や相談を受けたことがありますか。」(n=111)と質問したところ、「はい」が86.5%、「いいえ」が13.5%という回答となりました。
・はい:86.5%
・いいえ:13.5%
・わからない/答えられない:0.0%
■実施したハラスメント研修の内容、「セクシュアルハラスメント」が66.7%で最多、「カスタマーハラスメント」も約半数が実施
「Q2. 自社で過去1年間に実施したハラスメント防止に関する教育・研修の内容を教えてください。(複数回答)」(n=111)と質問したところ、「セクシュアルハラスメント」が66.7%、「パワーハラスメント」が58.6%、「カスタマーハラスメント」が48.6%という回答となりました。
・セクシュアルハラスメント:66.7%
・パワーハラスメント:58.6%
・カスタマーハラスメント:48.6%
・マタニティハラスメント・パタニティハラスメント:34.2%
・モラルハラスメント:24.3%
・SOGIハラスメント(性的指向・性自認に関するもの):14.4%
・アルコールハラスメント:9.9%
・その他:0.0%
・特に実施していない:0.9%
・わからない/答えられない:0.0%
■89.2%の担当者が、カスハラ対策に特化した研修を正規プログラムとして実施
「Q3. あなたの会社では、カスタマーハラスメント対策に特化した研修・教育を、正規の社内プログラムとして実施していますか。」(n=111)と質問したところ、「はい」が89.2%、「いいえ」が10.8%という回答となりました。
・はい:89.2%
・いいえ:10.8%
・わからない/答えられない:0.0%
■カスハラ対策研修は、「eラーニングやオンラインテストによる学習」が51.5%、「座学」「ロールプレイ」が各50.5%で続く
「Q4. Q3で「はい」と回答した方にお聞きします。カスタマーハラスメント対策として実施している研修・教育の内容を教えてください。(複数回答)」(n=99)と質問したところ、「eラーニングやオンラインテストによる学習」が51.5%、「カスハラの定義や事例を学ぶ座学研修」が50.5%、「顧客対応のロールプレイ・実践型トレーニング」が50.5%という回答となりました。
・eラーニングやオンラインテストによる学習:51.5%
・カスハラの定義や事例を学ぶ座学研修:50.5%
・顧客対応のロールプレイ・実践型トレーニング:50.5%
・外部講師を招いたセミナー・講演:48.5%
・対応マニュアルの読み合わせ・周知研修:33.3%
・管理職向けのエスカレーション対応研修:20.2%
・メンタルヘルスケアを含むフォローアップ研修:15.2%
・その他:1.0%
・わからない/答えられない:0.0%
■カスハラ対策未実施の担当者でも約6割が「実施は重要」と認識
「Q5. Q3で「いいえ」と回答した方にお聞きします。カスタマーハラスメント対策に特化した研修・教育を正規の社内プログラムとして実施することは重要だと思いますか。」(n=12)と質問したところ、「非常にそう思う」が0.0%、「ややそう思う」が58.3%という回答となりました。
・非常にそう思う:0.0%
・ややそう思う:58.3%
・あまりそう思わない:33.3%
・全くそう思わない:0.0%
・わからない/答えられない:8.3%
■カスハラ対策研修を実施できていない理由、第1位「対象従業員が多く全員への教育が難しい」
「Q6. Q3で「いいえ」と回答した方にお聞きします。カスタマーハラスメント対策に特化した研修・教育を実施できていない理由を教えてください。(複数回答)」(n=12)と質問したところ、「対象となる従業員が多く、全員への教育が難しいから」が33.3%という回答となりました。
・対象となる従業員が多く、全員への教育が難しいから:33.3%
・カスハラに特化した教材やコンテンツが社内にないから:25.0%
・カスハラの定義や判断基準が曖昧で、教育内容を設計しにくいから:25.0%
・経営層のカスハラ対策への理解や関心が薄いから:25.0%
・パワハラ・セクハラなど他のハラスメント対策が優先されているから:16.7%
・社内にカスハラ対策のノウハウや知見が不足しているから:8.3%
・教育・研修に割ける予算が限られているから:8.3%
・既存のハラスメント研修で十分だと考えていたから:8.3%
・その他:8.3%
・わからない/答えられない:16.7%
■自社で何らかのカスハラ対策を実施している担当者は、9割以上
「Q7. あなたの会社では、カスタマーハラスメントに対する何らかの対策を実施していますか。」(n=111)と質問したところ、「はい」が91.9%、「いいえ」が8.1%という回答となりました。
・はい:91.9%
・いいえ:8.1%
・わからない/答えられない:0.0%
■実施中のカスハラ対策、「従業員が相談できる窓口の設置・運用」「カスハラを許容しない方針の策定・社内周知」が上位
「Q8. Q7で「はい」と回答した方にお聞きします。自社で実施しているカスタマーハラスメント対策の内容を教えてください。(複数回答)」(n=102)と質問したところ、「従業員が相談できる窓口の設置・運用」が65.7%、「カスハラを許容しない方針の策定・社内周知」が49.0%、「カスハラ発生時の対応マニュアル・対応ルールの整備」が44.1%という回答となりました。
・従業員が相談できる窓口の設置・運用:65.7%
・カスハラを許容しない方針の策定・社内周知:49.0%
・カスハラ発生時の対応マニュアル・対応ルールの整備:44.1%
・従業員向けのカスハラ対策研修・教育の実施:41.2%
・カスハラの判断基準や事例の社内共有:33.3%
・録音・録画など証拠保全の体制整備:22.5%
・カスハラ発生時の対応フロー・エスカレーションルールの整備:19.6%
・警察や弁護士など外部専門家との連携体制の構築:9.8%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:1.0%
■担当者の8割以上が、カスタマーハラスメント対策義務化への準備は「十分」と実感、一方で約2割は不安を抱える結果に
「Q9. あなたは、2026年10月のカスタマーハラスメント対策義務化に向けて、自社の対応準備は十分に進んでいると思いますか。」(n=111)と質問したところ、「非常にそう思う」が29.7%、「ややそう思う」が52.3%という回答となりました。
・非常にそう思う:29.7%
・ややそう思う:52.3%
・あまりそう思わない:14.4%
・全くそう思わない:3.6%
・わからない/答えられない:0.0%
■「教育しても浸透しない」「ハラスメントの種類が多すぎる」などの声も、現場での運用に課題感
「Q10. Q9で「わからない/答えられない」以外を回答した方にお聞きします。カスタマーハラスメント対策の義務化に向けた準備や、カスハラ対策教育全般について、感じていることがあれば自由に教えてください。」(n=111)と質問したところ、47の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・定期的に社員にアンケートを実施。
・ハラスメントの種類が多すぎる。まとめて、ハラスメント全般対策で良いと思う。
・対策しなくて良い社会になるのがベスト。
・お客様が認知症の方々ばかりなので、対応の難しさがある。
・研修を受ける側の意識がまだ低いこと。
・教育をしてもなかなか浸透していかない。
■まとめ
今回は、従業員数100名以上の企業で、ハラスメント対策や社員教育・研修の企画・運営に携わっている人事・総務担当者111名を対象に、【2026年版】企業のカスハラ対策義務化を見据えたハラスメント防止教育に関する実態調査を実施しました。その結果、約9割の担当者が過去1年間で従業員からカスハラ被害の報告・相談を受けていること、また義務化への準備が「十分」と感じる担当者は約8割にとどまることが明らかになりました。
まず、過去1年間で従業員からカスタマーハラスメントの報告・相談を受けた担当者は86.5%に上りました。カスハラ対策に特化した研修を正規プログラムとして実施している企業は89.2%、何らかのカスハラ対策を実施している企業は91.9%と、多くの企業が対策に着手しています。研修内容は「eラーニング」(51.5%)、「座学研修」「ロールプレイ」(各50.5%)が上位を占めました。対策内容では「相談窓口の設置・運用」(65.7%)が最も多く、「方針の策定・社内周知」(49.0%)、「対応マニュアルの整備」(44.1%)が続きます。義務化に向けた準備については、「十分に進んでいる」と感じる担当者は82.0%(「非常にそう思う」29.7%、「ややそう思う」52.3%)となりました。
本調査から、企業のカスハラ対策は研修実施や相談窓口の設置など形式面では高い水準にある一方、義務化への準備に不安を感じる担当者が一定数存在し、教育の実効性や被害者フォロー体制には課題が残ることが明らかになりました。対策を単なる制度整備にとどめず、現場で即実践できる対応力の向上と、従業員を守る組織文化の醸成に向けた取り組みが求められるでしょう。