■調査サマリー
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01|eラーニング担当者の約9割が、「eラーニングの効果」について「上層部から説明を求められることがある」と回答
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02|約8割が、eラーニングの「形だけの受講」が「40%以上発生している」と実感、「学習内容への関心の低さ」(65.1%)が主な原因に
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03|「形だけの受講」をなくすために有効な対策、第1位「確認テストの実施」(24.6%) 第2位「リモート監視」「課題の提出」(21.7%)
■調査概要
- 調査名称:公共団体の研修に関する実態調査
- 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
- 調査期間:2025年6月3日〜同年6月4日
- 有効回答:対面研修のオンライン化を検討する公共団体の研修担当者100名
※ 合計を100%とするため、一部の数値について端数の処理を行っております。そのため、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がございます。
≪利用条件≫
1 情報の出典元として「株式会社イー・コミュニケーションズ」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
URL:https://www.e-coms.co.jp/
■研修において重視しているポイント、「研修内容の質」や「研修内容の理解度・習熟度」が上位
「Q1.お勤め先の研修において、特に重視しているポイントを教えてください。(上位3つ)」(n=100)と質問したところ、「研修内容の質」が60.0%、「研修内容の理解度・習熟度」が56.0%、「受講者の参加状況」が46.0%という回答となりました。
・研修内容の質:60.0%
・研修内容の理解度・習熟度:56.0%
・受講者の参加状況:46.0%
・研修後の業務への活用度:37.0%
・研修環境の集中しやすさ:21.0%
・受講者同士の交流・意見交換の機会:17.0%
・研修効果の測定・評価:7.0%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:1.0%
■約7割が、対面研修のオンライン化に対して「不安や懸念の声が上がっている」と回答
「Q2.お勤め先では、対面研修のオンライン化に対する不安や懸念の声が上がっていますか。」(n=100)と質問したところ、「かなり上がっている」が29.0%、「やや上がっている」が38.0%という回答となりました。
・かなり上がっている:29.0%
・やや上がっている:38.0%
・あまり上がっていない:25.0%
・全く上がっていない:7.0%
・わからない/答えられない:1.0%
■うち約半数が、「受講者間のグループワークの質が低下すること」や「受講者の集中力・理解度を把握できないこと」を懸念
Q2で「かなり上がっている」「やや上がっている」と回答した方に、「Q3.お勤め先では、対面研修からオンライン化を検討する際、組織内でどのような不安や懸念の声が上がっていますか。(複数回答)」(n=67)と質問したところ、「受講者間のグループワークの質が低下すること」が47.8%、「受講者の集中力・理解度を把握できないこと」が46.3%、「研修参加の実質的な効果を測定できないこと」が43.3%という回答となりました。
・受講者間のグループワークの質が低下すること:47.8%
・受講者の集中力・理解度を把握できないこと:46.3%
・研修参加の実質的な効果を測定できないこと:43.3%
・オンライン環境・設備が十分に整備されていないこと:31.3%
・講師の指導力がオンライン環境で制限されること:26.9%
・研修内容の機密性を確保できないこと:23.9%
・研修時間を適切に管理・活用できないこと:13.4%
・研修成果を組織内で共有・実務応用しにくいこと:10.4%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:0.0%
■「発言しづらい、司会が困難」や「相対的レベルの低下」などを懸念する声も
Q3で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q4.Q3で回答した以外に、組織内で上がっている不安や懸念の声があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=67)と質問したところ、「発言しづらい、司会が困難」や「対面での実施を求める声が多い」など46の回答を得ることができました。
■対面研修のオンライン化にあたり懸念している不正リスク、「学習成果に関わらず、システムの要件を満たすと受講終了」が23.0%で最多
「Q5.対面研修からオンライン化を検討する際、最も懸念している不正リスクを教えてください。」(n=100)と質問したところ、「学習の成果に関わらず、システムの要件を満たすと受講終了となる」が23.0%、「なりすましによる出席実績の偽装」が21.0%、「研修内容の無断録画・配信による情報漏洩」が18.0%という回答となりました。
・学習の成果に関わらず、システムの要件を満たすと受講終了となる:23.0%
・なりすましによる出席実績の偽装:21.0%
・研修内容の無断録画・配信による情報漏洩:18.0%
・実際は研修に参加していない従業員の見過ごし:16.0%
・研修中の業務メール確認など集中力の分散:14.0%
・その他:0.0%
・特にない:5.0%
・わからない/答えられない:3.0%
■対面研修の不正防止対策として、約4割が「研修開始時の点呼・氏名確認」を実施
「Q6.あなたのお勤め先で実施している対面研修では、『不正防止』において、現在どのような対策を実施していますか。(複数回答)」(n=100)と質問したところ、「研修開始時の点呼・氏名確認」が38.0%、「研修中の巡回・監視」が34.0%、「本人確認書類の提示」が31.0%という回答となりました。
・研修開始時の点呼・氏名確認:38.0%
・研修中の巡回・監視:34.0%
・本人確認書類の提示:31.0%
・座席指定・座席表との照合:28.0%
・複数回の出席確認:23.0%
・研修中のスマートフォン等の使用禁止:13.0%
・その他:0.0%
・対策を実施していない:12.0%
・わからない/答えられない:2.0%
■約9割が、オンライン化を行うにあたり「今以上の不正防止対策が必要になる」と実感
Q6で「対策を実施していない」「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q7.あなたは、オンライン化を行うにあたり、現在実施している以上の不正防止対策が必要になると思いますか。」(n=86)と質問したところ、「非常にそう思う」が43.0%、「ややそう思う」が46.5%という回答となりました。
・非常にそう思う:43.0%
・ややそう思う:46.5%
・あまりそう思わない:8.1%
・全くそう思わない:1.2%
・わからない/答えられない:1.2%
■オンライン監視・認証システムに求める機能、第1位「研修効果測定のためのデータ分析」
「Q8.オンライン化を実施した場合に、あなたがオンライン監視・認証システムで最も欲しいと思う機能を教えてください。」(n=100)と質問したところ、「研修効果測定のためのデータ分析」が21.0%という回答となりました。
・研修効果測定のためのデータ分析:21.0%
・定期的な顔認証による本人確認:20.0%
・不正を検知した際にすぐに知らせてくれる機能:20.0%
・研修参加状態のリアルタイム監視:20.0%
・研修内容の理解度を測る小テストの実施:11.0%
・研修中の質問・疑問点の収集:4.0%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:4.0%
■オンライン化を決断するため、「不正防止技術の具体的な説明」や「運用マニュアルの明確化」を求める声
「Q9.オンライン化を決断するために、どのような情報があれば、安心できますか。(複数回答)」(n=100)と質問したところ、「不正防止技術の具体的な説明」が39.0%、「運用マニュアルの明確化」が36.0%、「他の公共団体での導入実績」が35.0%という回答となりました。
・不正防止技術の具体的な説明:39.0%
・運用マニュアルの明確化:36.0%
・他の公共団体での導入実績:35.0%
・セキュリティ対策の具体的内容:34.0%
・第三者機関による保証:28.0%
・継続的なサポート・アップデートの保証:16.0%
・費用対効果の明確な提示:13.0%
・その他:0.0%
・特にない:4.0%
・わからない/答えられない:1.0%
■まとめ
今回は、対面研修のオンライン化を検討する公共団体の研修担当者100名を対象に、公共団体の研修に関する実態調査を実施しました。
まず、研修において重視しているポイントとしては、「研修内容の質」(60.0%)や「研修内容の理解度・習熟度」(56.0%)が上位でした。また、約7割が、対面研修のオンライン化に対して「不安や懸念の声が上がっている」と回答しており、そのうち約半数が、具体的な懸念点として、「受講者間のグループワークの質の低下すること」や「受講者の集中力・理解度を把握できないこと」を挙げています。さらに、対面研修の不正防止対策として、約4割が「研修開始時の点呼・氏名確認」を実施していますが、何らかの不正防止対策を実施している担当者の約9割が、オンライン化を行うにあたり「今以上の不正防止対策が必要になる」と感じていることが分かりました。最後に、オンライン監視・認証システムに求める機能では、第1位「研修効果測定のためのデータ分析」(21.0%)の結果が出ています。
今回の調査では、デジタル化が加速する中で、公共団体の研修担当者が対面研修のオンライン化に対して慎重な姿勢を示していることが明らかになりました。国家資格を扱う公共団体では「不正ゼロ」という厳格な要件が求められるため、オンライン環境では対面研修と同等の信頼性を担保することが困難という課題があります。これらの課題を解決するためには、高度なオンライン監視・認証システムの導入が不可欠です。公共団体のデジタル化推進と研修の質向上を両立させるためには、包括的な不正防止技術とその具体的な運用方法の明示が求められるでしょう。