■調査サマリー
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01|57.4%が、国家資格講習の運営コストの削減を実感、特に「運営人件費」(50.0%)、「資料印刷費」(47.9%)の削減効果が顕著
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02|国家資格講習リモート監視実施団体の75.0%が、「対面講習と同等以上」の厳格性を確保
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03|国家資格講習デジタル化成功のカギ、第1位「セキュリティ基準に基づくシステム選定」(48.1%)、第2位「不正防止の仕組み・ルールの確立」(39.8%)
■調査概要
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調査名称:国家資格講習のデジタル化がもたらす効果に関する実態調査
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調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
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調査期間:2025年1月23日〜同年1月24日
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有効回答:国家資格講習のデジタル化を実施している中央省庁、地方自治体、公共団体、教育関連機関、資格試験予備校、研修・教育事業会社に勤めている、国家資格の講習の実施・運営に携わる責任者・担当者・一部担当者、またはDX推進部門の責任者・担当者108名
※ 合計を100%とするため、一部の数値について端数の切り上げ処理を行っております。そのため、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がございます。
≪利用条件≫
1 情報の出典元として「株式会社イー・コミュニケーションズ」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
URL:https://www.e-coms.co.jp/
■約6割が、国家資格講習のデジタル化による「運営コストの削減」を実感
「Q1.国家資格講習のデジタル化により、講習の運営コストはどのように変化しましたか。」(n=108)と質問したところ、「かなり削減された」が13.0%、「やや削減された」が44.4%という回答となりました。
・かなり削減された:13.0%
・やや削減された:44.4%
・あまり削減されていない:24.1%
・全く削減されていない:7.4%
・かえって増加した:4.6%
・わからない/答えられない:6.5%
■国家資格講習のデジタル化により、削減効果が高かった費用、第1位「運営人件費」、第2位「資料印刷費」
Q1で「かえって増加した」「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q2.国家資格講習のデジタル化によって、特に削減された費用を教えてください。(上位3つまで)」(n=96)と質問したところ、「運営人件費」が50.0%、「資料印刷費」が47.9%、「会場費用」が43.8%という回答となりました。
・運営人件費:50.0%
・資料印刷費:47.9%
・会場費用:43.8%
・講師関連費用(交通費等):31.2%
・機材・設備費:20.8%
・通信費:9.4%
・その他:1.0%
・特にない:4.2%
・わからない/答えられない:0.0%
■59.2%が、国家資格講習のデジタル化で、運営担当者の業務時間が「削減された」実態
「Q3.国家資格講習のデジタル化によって、運営担当者の業務時間はどのように変化しましたか。」(n=108)と質問したところ、「かなり削減された」が12.9%、「やや削減された」が46.3%という回答となりました。
・かなり削減された:12.9%
・やや削減された:46.3%
・あまり削減されていない:21.3%
・全く削減されていない:9.3%
・かえって増加した:5.6%
・わからない/答えられない:4.6%
■改善効果が高かった業務、「受講者の出欠管理業務」や「講師との日程調整業務」など
Q3で「かえって増加した」「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q4.デジタル化を行う以前の国家資格講習の運営フローと比較して、改善された業務を教えてください。(複数回答)」(n=97)と質問したところ、「受講者の出欠管理業務」が46.4%、「講師との日程調整業務」が38.1%という回答となりました。
・受講者の出欠管理業務:46.4%
・講師との日程調整業務:38.1%
・会場予約・設営業務:37.1%
・資料の印刷・配布業務:37.1%
・受講状況の確認業務:30.9%
・修了証の発行業務:16.5%
・受講者データの管理業務:16.5%
・アンケート集計業務:16.5%
・経費精算業務:13.4%
・問い合わせ対応業務:9.3%
・その他:0.0%
・特にない:3.1%
・わからない/答えられない:0.0%
■デジタルでの国家資格講習時に、約6割がリモート監視を「実施」
「Q5.デジタルでの国家資格講習の際に、リモート監視を行っていますか。」(n=108)と質問したところ、「行っている」が59.3%、「行っていない」が37.0%という回答となりました。
・行っている:59.3%
・行っていない:37.0%
・わからない/答えられない:3.7%
■実施しているリモート監視方法、「画面共有の監視」や「カメラでの目線トラッキング」が上位
Q5で「行っている」と回答した方に、「Q6.どのような方法でリモート監視を行っていますか。(複数回答)」(n=64)と質問したところ、「画面共有の監視」が56.2%、「カメラでの目線トラッキング」が50.0%という回答となりました。
・画面共有の監視:56.2%
・カメラでの目線トラッキング:50.0%
・AIによる不正検知:40.6%
・なりすまし防止の本人認証:40.6%
・録画による事後確認:39.1%
・複数デバイスの検知:26.6%
・リアルタイムでの目視確認:25.0%
・システムログの分析:20.3%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:0.0%
■75.0%が、リモート監視により「対面講習と同等以上」の厳格性を確保
Q5で「行っている」と回答した方に、「Q7.リモート監視により、従来の対面講習と同等の厳格性は保てていますか。」(n=64)と質問したところ、「対面より厳格性が向上した」が29.7%、「対面と同等の厳格性を確保できている」が45.3%という回答となりました。
・対面より厳格性が向上した:29.7%
・対面と同等の厳格性を確保できている:45.3%
・対面より厳格性がやや低下した:20.3%
・対面より厳格性が大きく低下した:1.6%
・わからない/答えられない:3.1%
■国家資格講習デジタル化の課題、「セキュリティ面での不安があった」が43.5%でトップ
「Q8.国家資格講習のデジタル化にあたって直面した課題を教えてください。(複数回答)」(n=108)と質問したところ、「セキュリティ面での不安があった」が43.5%、「品質面での不安があった」が38.9%、「システムの選定が難しかった」が35.2%という回答となりました。
・セキュリティ面での不安があった:43.5%
・品質面での不安があった:38.9%
・システムの選定が難しかった:35.2%
・予算の確保が困難だった:30.6%
・運用ノウハウが不足していた:25.9%
・社内の合意形成に時間がかかった:18.5%
・講師の確保・育成が困難だった:17.6%
・既存の業務フローとの調整が難しかった:15.7%
・受講者からの反発があった:13.9%
・法制度面での制約があった:5.6%
・その他:0.9%
・特にない:0.9%
・わからない/答えられない:3.7%
■国家資格講習デジタル化の課題の解決策、「デジタル化推進プロジェクトチームの発足」、「システム開発ベンダーとの連携強化」など
Q8で「特にない」「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q9.Q8で回答した課題についてどのように解決したか、具体的に教えてください。(複数回答)」(n=103)と質問したところ、「デジタル化推進プロジェクトチームの発足」が38.8%、「システム開発ベンダーとの連携強化」が36.9%、「他団体の導入事例のヒアリング実施」が36.9%という回答となりました。
・デジタル化推進プロジェクトチームの発足:38.8%
・システム開発ベンダーとの連携強化:36.9%
・他団体の導入事例のヒアリング実施:36.9%
・運用手順書・チェックリストの作成:26.2%
・一部の受講者による試験運用の実施:25.2%
・小規模な講習からの段階的な導入:22.3%
・外部アドバイザーによる指導・支援:20.4%
・デジタル化対応可能な講師の育成:15.5%
・追加予算の確保・システム投資の承認:15.5%
・受講者向けの操作説明会の開催:10.7%
・その他:1.9%
・わからない/答えられない:1.0%
■国家資格講習デジタル化への成功ポイント、約半数が「セキュリティ基準に基づくシステム選定」と回答
「Q10.国家資格講習のデジタル化を成功させるために重要だと感じたポイントがあれば教えてください。(複数回答)」(n=108)と質問したところ、「セキュリティ基準に基づくシステム選定」が48.1%、「不正防止の仕組み・ルールの確立」が39.8%、「経営層による予算・体制面の支援」が38.0%という回答となりました。
・セキュリティ基準に基づくシステム選定:48.1%
・不正防止の仕組み・ルールの確立:39.8%
・経営層による予算・体制面の支援:38.0%
・受講者向けの詳細な操作マニュアル整備:34.3%
・オンライン講習に適した教材の作成:27.8%
・具体的なロードマップの策定:26.9%
・関係部署を含めた推進体制の構築:23.1%
・受講完了基準の明確化と確認体制:18.5%
・講師向けのオンライン指導研修の実施:15.7%
・定期的な受講者アンケートの実施:14.8%
・その他:0.9%
・特にない:1.9%
・わからない/答えられない:0.9%
■まとめ
今回は、国家資格講習のデジタル化を実施している中央省庁、地方自治体、公共団体、教育関連機関、資格試験予備校、研修・教育事業会社に勤めている、国家資格の講習の実施・運営に携わる責任者・担当者・一部担当者、またはDX推進部門の責任者・担当者108名を対象に、国家資格講習のデジタル化がもたらす効果に関する実態調査を実施しました。
まず、国家資格講習のデジタル化により、57.4%が「運営コストの削減」を実感し、特に「運営人件費」(50.0%)や「資料印刷費」(47.9%)の削減が顕著であることが明らかになりました。また、59.2%が「業務時間が削減された」と感じており、改善された業務として「受講者の出欠管理業務」(46.4%)や「講師との日程調整業務」(38.1%)が多く挙げられています。さらに、リモート監視を実施している団体は59.3%にのぼり、その方法として「画面共有の監視」(56.2%)や「カメラでの目線トラッキング」(50.0%)が活用されています。結果として、実施団体の75.0%が「対面講習と同等以上の厳格性」を確保できていると回答しました。一方で、課題として「セキュリティ面での不安があった」(43.5%)や「品質面での不安があった」(38.9%)といった声も挙げられており、その解決策として「デジタル化推進プロジェクトチームの発足」(38.8%)や「システム開発ベンダーとの連携強化」(36.9%)が効果的とされています。最後に、国家資格講習のデジタル化成功のための重要ポイントを伺ったところ、48.1%が「セキュリティ基準に基づくシステム選定」と回答しました。
今回の調査では、国家資格講習のデジタル化が、運営コスト削減や業務効率化に寄与する一方で、セキュリティや品質への課題が浮上していることが明らかになりました。効率性を維持しながら信頼性を確保するための仕組み作りが、今後のデジタル化推進において重要な鍵となるでしょう。