
MASTER CBT PLUS導入事例
完全自動化でスタッフの工数ゼロ。開始以来トラブルなし

ここでは、プロセスマイニングについての解説をはじめ、オンライン検定の実施にあたりイー・コミュニケーションズの「MASTER CBT PLUS」を導入した理由や背景について、同協会の代表理事である百瀬公朗氏、事務局長の大桑一晃氏のおふたりにお話を伺いました。
導入の目的
導入前の課題
協会のプロセスマイニングツールを活用した、実践的な検定に対応できるか否か。
MASTER CBT PLUS導入事例
協会のプロセスマイニングツールを活用した、実践的な検定に対応できるか否か。
百瀬氏 簡単にいうと、作業や活動のログ(記録)から、何にどれくらい時間がかかっているのかを可視化し、問題を発見・改善していく手法です。プロセスマイニングがユニークなのは、時間の概念で考えることにあります。
百瀬氏 DXという言葉をよく聞きますが、DXによって何ができるかといえば、データが取れるということです。それをいかに利用して改善していくのか、業務の効率化を考えるならばプロセスマイニングが欠かせません。逆にいえば、あらゆるものがデジタル化されたからこそ、プロセスマイニングが注目・活用されるようになったともいえます。
百瀬氏 基本的には、「ID」「アクティビティ(活動)」「タイムスタンプ(時間)」の3つのデータがあれば分析できます。プロセスマイニングツールにこれらのデータを読み込ませると、「系統樹」のような形で業務フローを可視化できるのです。
例えば、ある業務を完遂するのに10個の工程があるとすれば、インターバルは9つあります。各インターバルの平均時間、最大・最小時間を可視化することで、平均3時間でできるものが丸一日かかっているとき、何かがおかしいとわかるわけです。
百瀬氏 今の時代、大がかりなシステムを導入しなくてもデータでログを取ることは可能です。例えば、AIカメラを設置すれば、いつ何がどれくらい売れたのか小売店でもデータ化できます。音声を録音すれば、誰がいつどんな会話をしたかのログが取れます。Webサイトのクリック履歴から、ユーザーがどう動いているかも分析できます。こうしたデータをプロセスマイニングに活用可能です。
さらに、もうひとつ重要なことは、これから自動化が始まるので人間がタッチしない業務が増えていきます。そうなると、変な動きをしていないかを確認する必要が生じます。プロセスマイニングでログを取れば、AIで全自動化した部分のプロセスも監査できるわけです。
百瀬氏 世の中にはプロセスマイニングツールがいくつもありますが、どれも高額で多くの人が勉強できる環境にはありません。しかし、デジタル化する社会のなかで、プロセスマイニングはますます重要になっていきます。
そこで、私たちは「みんなのプロセスマイニング」という無償ツールをつくりました。プロセスマイニングの基本がわかるツールで、エクセルで例えれば四則演算やオートサムといった基本的な計算ができるような機能を有しています。
この無償ツールを開発したのは、実技検定をしたかったからでもあります。プロセスマイニングツールの各ベンダーは我々の協会員でもあるので、中立的なツールが必要だったというわけです。
大桑氏 イー・コミュニケーションズに知り合いがおり、話を聞いたのがきっかけです。他社も検討しましたが、「MASTER CBT PLUS」が最適だろうということになりました。
大桑氏 当初から検定は基礎問題と応用問題の2部構成で考えていておりました。応用問題では、実際に「みんなのプロセスマイニング」を操作しながら課題を見つけ出し、検定の問題に回答をする。そういった複雑な検定の仕様に関しても、「MASTER CBT PLUS」ならブラウザベースの検定ツールのため、問題なく対応できたことが大きいです。あとは、検定試験での採用実績が豊富だったことも安心材料でした。
――導入後の成果を教えてください。
大桑氏 完全に自動化されているので、最初に問題や回答のパターンをつくった以外はまったく工数がかかっていないことが成果です。検定をスタートしてからは、学生ボランティアだけで運用できています。
百瀬氏 約3年利用していますが、ここまでにあった問い合わせも1件のみ。それもトラブルといえるほどのものではありませんでした。
――利用者からの声はいかがでしょうか。
大桑氏 協会への入会を希望する学生にも受けてもらっていますが、とくに不都合があったという話は聞いていません。検定が終わり次第、すぐに結果がわかるのでうれしいという声は聞いています。
――何のトラブルもなく運用できているわけですね。ちなみに、この検定の目的はどのようなところにあるのでしょうか。
百瀬氏 プロセスマイニングにおいて重要なのは、プロセス図を見て改善ポイントがどこにあるのかがわかることです。そこが一番難しい点でもあります。そのため、検定では分析して問題点を発見することにフォーカスしています。
――どのような人が受検するのが良いでしょうか。
百瀬氏 コンサルティング業務の方はもちろん、中小企業診断士や社会保険労務士の方にもおすすめです。企業での職務でいえば、業務改革やDX推進、または内部監査の部門に在籍されている方です。学生の多くは、データサイエンスの第一歩として考えていることが多いようです。
――今後、「MASTER CBT PLUS」に求めることはありますか。
大桑氏 何のトラブルもなく使えているので、とくにはないですね(笑)。協会としては、より高度な技能を求める検定を新たに用意しようと考えています。また、プロセスマイニングの検定資格をオープンバッジ(世界標準のデジタル証明書)にするために現在動いています。
――本日はありがとうございました。
【プロフィール】
一般社団法人プロセスマイニング協会(APMJ)
プロセスマイニングの普及・啓蒙、活用拡大、人材育成を通じて企業・組織の競争力強化を目指して設立。教育・検定・ツール開発など幅広い活動を展開している。