社員研修の費用相場とは?内訳・算出方法・コスト最適化までを徹底解説

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社員研修の企画や見直しを進める際、多くの人事担当者が最初に悩むのが「研修費用はどれくらいが妥当なのか」という点ではないでしょうか。

研修費用は、形式や内容、受講人数によって大きく変わります。

相場感を持たないまま進めてしまうと、「思った以上にコストがかかってしまった」「費用に対して効果が見えにくい」といった事態につながることもあります。

本記事では、社員研修にかかる費用相場を整理したうえで、適切な予算設計とコスト最適化につなげるための考え方を、人事担当者向けにわかりやすく解説します。

目次[非表示]

  1. 1.社員研修にかかる費用相場
    1. 1.1.1人当たりで見る研修費用の目安
    2. 1.2.企業規模・業種による費用水準の違い
    3. 1.3.年間研修予算として考える際の考え方
  2. 2.研修費用は何で決まる?価格を左右する主な要因
    1. 2.1.研修形式(集合・オンライン・eラーニング)の違い
    2. 2.2.研修内容・テーマの専門性
    3. 2.3.講師の属性(個人/研修会社)と設計工数
    4. 2.4.受講人数・実施回数による影響
  3. 3.社員研修にかかる費用の内訳と相場感
    1. 3.1.研修実施費(講師料・プログラム費)
    2. 3.2.会場費・オンライン環境費
    3. 3.3.教材費・コンテンツ制作費
    4. 3.4.交通費・宿泊費・飲食費
    5. 3.5.備品・システム利用料などの付帯コスト
  4. 4.研修費用は会社負担?自己負担?基本的な考え方
    1. 4.1.原則として会社負担とされるケース
    2. 4.2.自己負担が認められるケースと注意点
    3. 4.3.就業規則・社内ルール整備の重要性
  5. 5.研修費用の算出方法と予算設計の進め方
    1. 5.1.研修費用を積み上げで算出する方法
    2. 5.2.見落としやすい費用項目
    3. 5.3.稟議・社内説明を見据えた予算整理のコツ
  6. 6.研修費用を抑えつつ効果を高めるための工夫
    1. 6.1.内製化・社内講師の活用
    2. 6.2.助成金・補助制度の活用
    3. 6.3.eラーニング・ブレンディッド学習の活用
    4. 6.4.受講対象者・実施頻度の最適化
  7. 7.まとめ|研修費用を正しく理解し、最適な研修設計へ

社員研修にかかる費用相場

社員研修の費用相場は、「1人当たりで見るか」「会社全体で見るか」によって印象が大きく変わります。1人当たりでは数万円でも、社員数が多ければ会社全体では数百万円規模になることも珍しくありません。

さらに、企業規模や業種によっても、研修費用の水準には違いがあります。
ここでは、研修費用を考えるうえで押さえておきたい全体像を整理します。

1人当たりで見る研修費用の目安

株式会社産労総合研究所の「2025年度(第49回)教育研修費用の実態調査」によると、2024年度の従業員1人当たりの教育研修費用は平均36,036円でした。
この金額は前年度から1,430円増加しており、2020年度以降、4年連続で増加しています。
コロナ禍で一時的に抑えられていた人材育成投資が、再び活発化している状況がうかがえます。

ただし、この数値はあくまで平均値です。
短時間のオンライン研修やeラーニング中心の企業では比較的低水準に収まる一方、外部講師を招いた集合研修や専門性の高いテーマを扱う場合は、1人当たりの研修費用が高くなる傾向があります。

重要なのは、単に金額の高低を見るのではなく、

  • 研修の目的に対して適切な内容か

  • 受講後の行動変容や業務成果につながるか

といった視点で費用を捉えることです。

企業規模・業種による費用水準の違い

研修費用は、企業規模によっても明確な差が見られます。
同調査では、1人当たりの教育研修費用は以下の水準となっています。

  • 大企業(1,000人以上):39,553円

  • 中堅企業(300~999人):36,195円

  • 中小企業(299人以下):31,788円

大企業では、体系的な人材育成制度のもと、複数の研修を継続的に実施するケースが多く、
結果として1人当たりの研修費用も高くなりやすい傾向があります。

一方で近年は、中堅・中小企業でも人材育成の重要性が高まり、研修費用が増加している点が特徴です。

また、業種による違いも無視できません。
たとえば、IT・専門職が多い業界や、法令遵守・安全教育が重視される業界では、研修内容の専門性が高くなる分、研修費用も上振れしやすくなります。

年間研修予算として考える際の考え方

研修費用を検討する際は、個々の研修費用だけでなく、年間予算として捉える視点が欠かせません。

産労総合研究所の調査では、今後1~3年間の教育研修費用総額について、””57.7%の企業が「増加する見込み」””と回答しています。
人材育成が一時的な施策ではなく、中長期的な経営課題として認識されていることが分かります。

新入社員研修、階層別研修、管理職研修、DXやコンプライアンス教育などを個別に積み上げていくと、全体像を把握しないままコストが膨らむケースも少なくありません。

そのため、以下の観点で全体を俯瞰することが重要です。

  • 年間で、どの層にどの研修を行うのか

  • 内製化と外部委託をどう使い分けるのか

  • 継続的に実施すべき研修は何か

こうした整理を行ったうえで研修費用を設計することで、無理のない予算管理と、効果的な人材育成につなげることができます。

▶参照:2025年度(第49回)教育研修費用の実態調査_株式会社産労総合研究所

研修費用は何で決まる?価格を左右する主な要因

社員研修の費用は、同じ「研修」という名称でも条件次第で大きく変わります。

見積もりを比較する際に金額だけを見てしまうと、「なぜこの研修は高いのか」「他社の見積もりと何が違うのか」といった点が分からず、適切な判断がしにくくなります。

研修費用を正しく捉えるためには、価格を左右する要因を分解して見ることが重要です。
ここでは、研修費用に差が生じる主なポイントを整理します。

研修形式(集合・オンライン・eラーニング)の違い

研修費用に大きく影響する要因の一つが、研修形式です。
形式によって「何にコストがかかるか」が異なるため、単純な金額比較ではなく、コスト構造の違いを理解することが重要です。

集合研修(対面研修)は、講師の拘束時間に加え、会場費や移動・宿泊費などが発生しやすく、1回あたりの総額は高くなりがちです。
一方で、対面ならではの双方向性や一体感があり、グループワークを通じて行動変容を促しやすいという特徴があります。
参加人数が多いほど1人当たりの費用は下がるため、「一度に多くの社員へ実施したい研修」に向いています。

オンライン研修は、会場費や移動費が不要なため、集合研修と比べて全体コストを抑えやすい形式です。拠点が分散している企業でも実施しやすく、短時間研修との相性も良い点がメリットといえます。
ただし、双方向性を保つための設計や運営工数が必要となり、内容次第では講師料が大きく下がらないケースもある点には注意が必要です。

eラーニングの場合、初期設計やコンテンツ制作に一定のコストがかかるものの、受講者が増えても追加費用が発生しにくく、長期的に見ると1人当たりの研修費用を抑えやすい傾向があります。
全社員向けの基礎研修や、定期的に繰り返す研修では、コスト効率の高い選択肢となります。

どの形式が適しているかは、研修の目的・対象人数・実施頻度を踏まえて判断することが重要です。

▶関連記事:eラーニングの費用相場を紹介!導入費用やシステム選びのポイントとは?

研修内容・テーマの専門性

研修テーマの専門性も、研修費用を左右する大きな要素です。

ビジネスマナーや基礎的なスキル研修など、汎用性の高いテーマは、既存プログラムを活用できるケースが多く、比較的費用を抑えやすい傾向があります。

一方で、専門知識や業界特有のノウハウを扱う研修では、プログラム設計や講師の確保に手間がかかるため、費用が高くなりやすくなります。

また、自社の課題に合わせて内容をカスタマイズする場合は、事前ヒアリングや資料作成などの工数が増える分、研修費が上乗せされるケースも少なくありません。
その分、実務への定着度や成果につながりやすくなる可能性もあるため、費用と効果のバランスをどう取るかが判断のポイントになります。

講師の属性(個人/研修会社)と設計工数

研修を担当する講師が、個人か研修会社かによっても費用感は変わります。

個人講師の場合、講師料そのものは抑えられるケースがありますが、 研修設計や当日の運営、フォローアップなどを自社で補う必要が生じることもあります。

一方、研修会社に依頼する場合は、講師派遣だけでなく、

  • 研修設計

  • 教材作成

  • 効果測定や振り返り

などを含めたサービス提供となることが多く、その分費用は高くなりがちです。

ただし、人事担当者の工数削減や、研修品質の安定といったメリットもあります。

また、公開研修や外部セミナーを活用する場合は、受講者1人あたりの参加費が明確で、少人数でも導入しやすい点が特徴です。短期間で専門的な知識を習得させたい場合には有効ですが、内容が自社課題に必ずしも合致しないケースもあります。

費用の分かりやすさだけでなく、受講後に業務へどう活かすかまで含めて検討することが重要です。

受講人数・実施回数による影響

研修費用は、受講人数や実施回数によっても大きく変動します。
少人数で単発実施する研修は、1人当たりの研修費用が高くなりやすい一方、受講人数が増えるほど、1人当たりのコストは下がる傾向があります。

また、同じ研修を複数回実施する場合でも、

  • 毎回新たに設計するのか

  • 内容を共通化・再利用できるのか

によって、費用感は大きく異なります。

継続的に実施する研修については、eラーニングなどを活用し、繰り返してもコストが膨らみにくい仕組みを検討することが、研修費用の最適化につながります。

社員研修にかかる費用の内訳と相場感

社員研修の費用を検討する際、「研修費」として提示された金額だけを見て判断してしまうと、実際の総コストを見誤ることがあります。

研修には、講師料以外にもさまざまな付随費用が発生し、これらが積み重なることで想定以上のコストになるケースも少なくありません。

ここでは、人事担当者が見落としがちな項目も含めて、社員研修にかかる費用の内訳と、押さえておきたい相場感を整理します。

研修実施費(講師料・プログラム費)

研修費用の中核となるのが、講師料や研修プログラムそのものにかかる費用です。

外部講師を招く場合、講師の経験や専門性、研修時間によって金額は大きく変わります。

また、既存のプログラムをそのまま実施するのか、自社向けにカスタマイズするのかによっても費用感は異なります。

研修会社に依頼する場合は、講師料に加えて、

  • 事前打ち合わせ

  • 研修設計

  • 教材作成

といった工数が含まれるケースが多く、単価は高くなりやすい傾向があります。

一方で、研修の品質や内容の再現性が担保されやすく、社内の負担を軽減できる点は大きなメリットです。

会場費・オンライン環境費

集合研修を実施する場合は、研修会場の利用料が発生します。

社内会議室を使用できない場合は外部会場を借りる必要があり、立地や設備によって費用に差が出ます。

オンライン研修の場合でも、完全にコストがかからないわけではありません。
配信ツールやオンライン会議システムの利用料、安定した配信環境を整えるための費用が必要になることがあります。

オンライン形式はコストを抑えやすい印象がありますが、実施に必要な環境整備まで含めて考えることが重要です。

教材費・コンテンツ制作費

研修で使用するテキストや資料、ワークシートなどの教材費も、研修費用の一部です。
市販教材や既存コンテンツを活用する場合は比較的費用を抑えられますが、自社独自の課題や業務内容を反映した教材を制作する場合は、企画や制作工数が増え、その分コストも上がります。

また、eラーニングを導入する場合には、

  • 動画教材の制作

  • 理解度確認テストの作成

といった初期のコンテンツ制作費が発生する点も、あらかじめ押さえておく必要があります。

交通費・宿泊費・飲食費

対面研修では、講師や受講者の交通費、宿泊費、研修中の飲食費などが発生することがあります。特に、拠点が複数ある企業や合宿形式の研修を行う場合は、これらの費用が研修費全体に占める割合が大きくなりがちです。

一つひとつは少額に見えても、人数や実施回数が増えることで総額が膨らむケースも多いため、事前に見積もりへ含めておくことが重要です。

備品・システム利用料などの付帯コスト

研修では、プロジェクターやPC、配布資料の印刷費、アンケート回収ツールなど、細かな付帯コストも発生します。

また、eラーニングやオンライン研修を導入する場合には、学習管理システム(LMS)の利用料や運用費が必要になることもあります。
これらの費用は見積書に明示されないこともあるため、研修実施に必要な環境をあらかじめ洗い出し、総コストとして把握することが、適切な研修費用管理につながります。

研修費用は会社負担?自己負担?基本的な考え方

研修費用を会社が負担するのか、それとも社員の自己負担とするのかは、研修制度の設計だけでなく、労務管理にも関わる重要なポイントです。

判断を誤ると、社員の不満や「聞いていない」「ルールが分かりにくい」といったトラブルにつながる可能性もあります。

ここでは、研修費用の負担に関する基本的な考え方と、実務上押さえておきたいポイントを整理します。

原則として会社負担とされるケース

業務に直接必要な知識やスキルを身につける研修については、原則として会社負担とするのが一般的です。
これらは「業務の一環」とみなされるため、研修費用だけでなく、受講時間の扱いにも注意が必要です。

代表的な例としては、以下のような研修が挙げられます。

  • 業務遂行に必須となる専門知識・技術の研修

  • 法令遵守やリスク管理を目的としたコンプライアンス研修

  • 新入社員研修や管理職研修などの階層別研修

このような研修は、受講時間が労働時間として扱われるケースも多く、会社側での適切な管理が求められます。

会社負担とすることで、社員の学習への心理的ハードルが下がり、研修効果を高めやすくなる点もメリットです。

自己負担が認められるケースと注意点

一方で、すべての研修を会社が負担しなければならないわけではありません。
業務との直接的な関連性が低く、社員の自主的なスキルアップを目的とした研修については、自己負担とすることが認められるケースもあります。

たとえば、以下のようなケースです。

  • 業務に必須ではない資格取得や外部セミナーへの参加

  • 個人のキャリア形成を主目的とした学習

  • 勤務時間外に、本人の意思で任意受講する研修

ただし注意したいのは、形式上は「任意」であっても、

  • 会社が受講を強く推奨している

  • 評価や昇進に影響すると明示している

といった場合には、実質的に業務研修と判断される可能性がある点です。
負担区分が曖昧なまま運用すると、後々の労務トラブルにつながりかねません。

就業規則・社内ルール整備の重要性

研修費用の負担を巡る認識のズレを防ぐためには、就業規則や社内ルールとして明確に定めておくことが重要です。

特に、次のような点は事前に整理しておくと、実務がスムーズになります。

  • 会社負担・自己負担を判断する基準

  • 費用補助の範囲(全額負担/一部補助など)

  • 受講時間の扱い(労働時間に含めるかどうか)

  • 資格取得時の報奨金や、費用返還規定の有無

あらかじめ基準を明示しておくことで、社員の納得感が高まり、人事担当者の判断負担も軽減されます。

研修制度は「人材育成施策」であると同時に、「労務管理の一部」であることを意識した設計が欠かせません。

研修費用の算出方法と予算設計の進め方

研修施策を進めるうえでは、「総額はいくらか」だけでなく、その金額をどう算出し、どう社内に説明するかが重要になります。感覚的な見積もりでは、稟議や予算調整の場面で根拠を求められた際に、説得力を欠いてしまいがちです。

ここでは、研修費用を論理的に算出し、社内の納得感を得やすい予算設計を行うための考え方を整理します。

研修費用を積み上げで算出する方法

研修費用は、項目ごとに分解し、積み上げで算出する方法が最も実務的です。
まずは、研修に関わるコストを洗い出し、構造を見える化します。

代表的な費用項目は、次のとおりです。

  • 研修実施費(講師料・プログラム費・受講料など)

  • 会場費・オンライン環境費

  • 教材費・システム利用料

  • 交通費・宿泊費などの付随費用

これらを「1回あたり」「1人あたり」「年間合計」といった軸で整理することで、研修費用の全体像が把握しやすくなります。

特に、複数回実施する研修や、対象人数が変動する施策では、単価 × 回数 × 人数の形で整理しておくと、途中で条件が変わった場合でも柔軟に調整できます。

見落としやすい費用項目

研修費用の算出でよくあるのが、講師料や受講料など、分かりやすい費用だけを計上してしまうことです。

実務では、次のような間接的なコストも無視できません。

  • 研修準備や運営にかかる人事担当者の工数

  • 受講時間による業務の稼働ロス(機会損失)

  • 教材の改訂やコンテンツ更新にかかる費用

  • システム導入時の初期設定や運用負担

すべてを厳密に金額換算する必要はありませんが、「どこまでを研修費用として捉えているのか」を整理しておくことが重要です。

特に、集合研修からオンライン研修、eラーニングへ切り替える場合などは、表面的な費用増減だけでなく、工数や運用負荷の変化まで含めて判断する視点が求められます。

稟議・社内説明を見据えた予算整理のコツ

研修予算を社内で説明する際は、金額の妥当性だけでなく、「なぜ必要なのか」「何につながるのか」が伝わる形で整理することが欠かせません。

説明時には、次のような観点を押さえておくと効果的です。

  • 研修の目的(どの課題を改善・強化したいのか)

  • 対象者と、期待する行動やスキルの変化

  • 費用対効果(外部研修との比較、内製化・継続利用による効率化など)

  • 中長期視点でのコスト最適化

単年度の支出だけでなく、「継続利用によって1人当たりコストが下がる」「運用を仕組み化することで人事の工数を削減できる」といった将来的な効果を示すことで、経営層の理解も得やすくなります。

研修費用は単なるコストではなく、人材への投資として説明できる形に整理することが、予算設計の大きなポイントです。

研修費用を抑えつつ効果を高めるための工夫

研修費用はできるだけ抑えたい一方で、内容や質を下げてしまっては本末転倒です。
大切なのは、単純なコスト削減ではなく、無駄を減らしながら学習効果を高めることにあります。

ここでは、多くの企業で無理なく取り入れやすい、研修費用と効果のバランスを改善するための工夫を紹介します。

内製化・社内講師の活用

研修費用を抑える方法として、まず検討したいのが研修の内製化です。

自社の業務に精通した社員が講師を務めることで、外部講師への依頼費用を抑えつつ、実務に直結した内容を伝えやすくなります。

内製化には、次のようなメリットがあります。

  • 自社独自の業務フローや事例をそのまま反映できる

  • 繰り返し実施する研修ほど、コストメリットが大きくなる

  • 社内ノウハウの共有・蓄積につながる

一方で、講師役となる社員の負担が大きくなりやすい点には注意が必要です。
資料の再利用や動画化、講師のローテーションなど、属人化させない仕組みづくりを意識することで、内製化の効果を持続させやすくなります。

▶関連記事:社員研修を内製化するポイントとは?メリット・デメリットも解説!

助成金・補助制度の活用

研修内容や対象によっては、公的な助成金・補助制度を活用できる場合があります。
これらを上手に取り入れることで、研修費用の一部を補填し、実質的な負担を軽減できます。

活用対象となりやすいのは、例えば次のような取り組みです。

  • DX・デジタル人材育成を目的とした研修

  • 職業能力の向上を目的とする体系的な研修

  • 中長期的な人材育成計画に基づく施策

代表的な制度としては、次のようなものがあります。

  • 人材開発支援助成金(厚生労働省)
    企業が計画的に実施する職業訓練に対し、研修費用や研修期間中の賃金の一部が助成される制度です。DX・デジタル人材育成や、体系的なスキル向上研修などが対象になりやすく、多くの企業で活用されています。

  • 事業展開等リスキリング支援コース
    人材開発支援助成金の一部で、事業転換やDX推進に伴うリスキリングを目的とした研修が対象となります。中長期的な人材育成計画に基づく取り組みであれば、助成率が高くなるケースもあります。

  • 自治体独自の人材育成・DX関連補助金
    国の助成金に加え、都道府県や市区町村単位で研修費用を支援する補助制度が用意されている場合があります。中小企業向けや特定分野(IT・DXなど)に限定した制度もあるため、地域ごとの情報確認が有効です。

▶参照:人材開発支援助成金 | 厚生労働省

ただし、助成金には要件確認や申請手続きが伴い、一定の工数がかかります。
研修実施直前に検討するのではなく、企画段階で「使える可能性があるか」を確認しておくことが、無理のない活用につながります。

eラーニング・ブレンディッド学習の活用

費用と効果のバランスを取りやすい手法として、多くの企業で活用が進んでいるのがeラーニングです。会場費や移動費が不要なため、受講人数が増えるほど、1人当たりの研修費用を抑えやすい点が特長です。

さらに効果を高める方法として、次のようなブレンディッド学習が挙げられます。

  • 基礎知識やインプットはeラーニングで実施

  • 演習やディスカッションは対面・オンラインで行う

このように役割を分けることで、学習効率とコストの両立が可能になります。

特に、階層別研修や全社共通研修では、継続的に運用することで費用対効果が高まりやすい方法です。

▶関連記事:eラーニングとは?活用例やメリット・デメリットをわかりやすく解説

受講対象者・実施頻度の最適化

研修費用が膨らむ原因として意外と多いのが、「全員一律」「毎年同じ内容」といった運用が慣例化しているケースです。

本当に必要な対象・頻度になっているかを見直すことで、コストと効果の両方を改善できます。

  • 役割やスキルレベルに応じて内容を出し分ける

  • 既に習得済みの社員は免除・簡略化する

  • 必要なタイミングで、必要な人に実施する

このように設計を最適化することで、無駄なコストを抑えつつ、受講者の納得感や学習効果も高めることができます。
研修が「実施すること自体」が目的にならないよう、定期的な見直しが欠かせません。

▶関連記事:研修の種類や目的や階層別に合わせた選び方、実施方法を紹介します!

まとめ|研修費用を正しく理解し、最適な研修設計へ

研修費用は、単なるコストとして削減対象にするのではなく、人材の価値を高めるための投資として捉えることが重要です。
重要なのは「いくらかかるか」ではなく、「どの課題に対して、どのような成果を期待するのか」を明確にすること。業務改善や生産性向上、定着率の向上など、短期・中長期の視点で効果を整理することで、研修の妥当性や優先度を判断しやすくなります。
研修を単発で終わらせず、人材育成戦略の一部として設計・運用していくことが、費用対効果を高めるポイントです。

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