当事者意識とは?意味・ない原因・高める方法までを徹底解説

catch-img

「指示待ちの社員が多い」「自分ごととして考えない」「問題が起きても当事者が不在になる」——。

多くの企業で聞かれるこれらの課題の根底には、“当事者意識の欠如”があります。

しかし一方で、「当事者意識とは何か?」と改めて問われると、明確に説明できる人は多くありません。責任感や主体性と混同されたまま、抽象的なスローガンとして使われているケースも少なくないでしょう。

本記事では、当事者意識の正しい意味と定義を整理し、組織における実践的な活かし方まで体系的に解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.当事者意識とは?
    1. 1.1.当事者意識の意味
    2. 1.2.企業・組織における当事者意識の定義
    3. 1.3.主体性との違い
    4. 1.4.責任感との違い
  2. 2.当事者意識がない人の特徴とは
    1. 2.1.受け身・指示待ちの姿勢
    2. 2.2.責任転嫁や言い訳が多い
    3. 2.3.自分の業務範囲にしか関心をもたない
    4. 2.4.諦めが早く改善提案をしない
    5. 2.5.危機感や問題意識が希薄
    6. 2.6.自信がなく意見を表明しない
  3. 3.当事者意識が低くなる原因
    1. 3.1.役割・期待値が不明確
    2. 3.2.目標や目的が浸透していない
    3. 3.3.評価基準が曖昧
    4. 3.4.意思決定の機会が与えられていない
    5. 3.5.失敗が許容されない文化
    6. 3.6.業務過多で余裕がない
    7. 3.7.変化を嫌う組織風土
  4. 4.当事者意識が低い組織が抱えるリスク
    1. 4.1.問題の先送りによる機会損失
    2. 4.2.意思決定の遅延
    3. 4.3.イノベーションの停滞
    4. 4.4.モチベーション低下の連鎖
  5. 5.当事者意識を高める方法【組織設計編】
    1. 5.1.期待役割と責任範囲を明確にする
    2. 5.2.ビジョンと紐づいた目標設定を行う
    3. 5.3.評価基準と成果の連動性を高める
    4. 5.4.意思決定権限を段階的に委譲する
    5. 5.5.失敗から学ぶ文化をつくる
    6. 5.6.意見交換・対話の場を設計する
  6. 6.当事者意識を高める方法【マネジメント・育成編】
    1. 6.1.傾聴と受容による心理的安全性の確保
    2. 6.2.問いかけによる内省の促進
    3. 6.3.具体的かつタイムリーなフィードバック
    4. 6.4.小さな成功体験の設計
    5. 6.5.コミットメント確認とフォローアップ
  7. 7.当事者意識の測定方法と指標設計
    1. 7.1.サーベイで測定できる指標例
    2. 7.2.行動変化を見る定量・定性指標
    3. 7.3.1on1や評価面談での確認ポイント
    4. 7.4.継続的改善のためのPDCA設計
  8. 8.当事者意識を研修で育むには
    1. 8.1.若手社員向け:役割理解と目標設定研修
    2. 8.2.中堅社員向け:課題設定力と改善提案力強化
    3. 8.3.管理職向け:コーチングと権限委譲スキル
    4. 8.4.ケーススタディ型研修の効果
    5. 8.5.eラーニングと集合研修の組み合わせ方
  9. 9.まとめ

当事者意識とは?

「当事者意識とは」という問いに対し、単なる“責任感”や“主体性”と混同しているケースは少なくありません。
ここでは、ビジネスにおける当事者意識の定義を整理し、類似概念との違いを明確にします。

当事者意識の意味

当事者意識とは、目の前の出来事や課題を「自分ごと」として捉え、主体的に関わろうとする意識状態を指します。

重要なのは、「自分が直接の担当であるかどうか」ではありません。
たとえ役割外の出来事であっても、
「これは自分にも関係があるのではないか」
「自分にできることは何か」
「放置した場合どんな影響があるか」

と考える姿勢こそが当事者意識です。

反対に、「それは私の仕事ではない」「指示があれば動く」「誰かがやるだろう」という思考が強い状態は、“当事者意識がない”状態といえます。

企業・組織における当事者意識の定義

企業における当事者意識とは、組織目標や顧客価値の実現に対して、自ら責任ある一員として関与しようとする姿勢です。
個人レベルでは「自分の仕事への向き合い方」、組織レベルでは「会社の課題を自分たちの課題として捉える文化」を意味します。

人事の観点から定義すると、当事者意識とは次の3要素に分解できます。

  • 認知:課題や目的を理解している

  • 感情:それを自分ごととして重要だと感じている

  • 行動:改善・提案・実行に移している

単なる意識論ではなく、行動変化につながっているかどうかが、組織における重要な判断基準になります。

主体性との違い

当事者意識とよく混同されるのが「主体性」です。
主体性とは、自ら考え、判断し、行動する姿勢を指します。

一方で当事者意識は、「その出来事を自分ごととして捉えているかどうか」に重きがあります。

つまり、

  • 主体性=行動スタイル

  • 当事者意識=認知と関与のスタンス

という違いがあります。主体的に動いていても、組織目標と無関係な方向に動いていれば、それは当事者意識が高いとは言えません。

当事者意識は、“何に対して主体的なのか”を定める軸ともいえるのです。

責任感との違い

責任感は、「任されたことをやり遂げようとする意識」です。
多くの場合、与えられた役割の範囲内で発揮されます。

一方、当事者意識は、役割の枠を超えて関与する可能性を含みます。

たとえば、

  • 責任感:自分の業務は確実に遂行する

  • 当事者意識:チームや会社全体の成果まで視野に入れる

という違いがあります。責任感は“守り”の姿勢、当事者意識は“広がり”を持つ姿勢とも言えるでしょう。

当事者意識がない人の特徴とは

当事者意識が低い状態は、行動や思考パターンに明確な兆候として表れます。
単なる性格の問題ではなく、環境やマネジメントの影響を受けて形成されることも少なくありません。
ここでは、人事が育成・評価・配置の観点で把握しておきたい具体的な特徴を整理します。

受け身・指示待ちの姿勢

当事者意識がない人の最も分かりやすい特徴は、「指示がなければ動かない」姿勢です。

  • 何をすればよいかを常に確認する

  • 想定外の事態が起きると止まる

  • 業務の優先順位を自分で決められない

こうした状態では、自律的な行動は生まれません。

背景には「自分で判断してよい範囲が分からない」「失敗を恐れている」といった要因が潜んでいることもあります。

人事としては、“動かないこと”だけを見るのではなく、なぜ判断しようとしないのかまで観察することが重要です。

責任転嫁や言い訳が多い

問題が起きた際に、「自分は聞いていない」「あの部署の対応が遅かった」「前任者のやり方が悪かった」といった発言が多い場合、当事者意識が低い可能性があります。
もちろん事実関係の整理は必要ですが、当事者意識が高い人はまず、「自分にできたことはなかったか」「今からできる改善は何か」と考えます。

責任転嫁は、防衛的な姿勢の表れでもあります。

組織文化として“責める風土”が強い場合にも発生しやすいため、個人だけでなく環境面の見直しも必要です。

自分の業務範囲にしか関心をもたない

「それは私の担当ではありません」という姿勢も、典型的な特徴です。
自分の業務を遂行すること自体は悪いことではありません。しかし、

  • チーム全体の目標に無関心

  • 他部署の困りごとに無関心

  • 顧客視点が弱い

といった状態が続くと、組織全体の成果にブレーキがかかります。

当事者意識が高い人は、自分の役割を越えて、組織全体の成果との接点を探そうとする傾向があります。

諦めが早く改善提案をしない

「どうせ変わらない」「言っても無駄」といった発言が目立つ場合も、当事者意識が低下しているサインです。

改善提案をしない背景には、過去に意見が採用されなかった経験や、上司が意見を受け止めない風土、また評価制度との不整合などがあることも少なくありません。

当事者意識は、「自分が関与すれば状況は変えられる」という感覚と密接に関係しています。

危機感や問題意識が希薄

組織の業績悪化や顧客クレームなど、明らかな課題が発生しているにもかかわらず、「自分には関係ない」「会社が何とかするだろう」と捉えている場合、当事者意識は低い状態にあるといえます。

危機感は単なる不安ではなく、状況を自分の問題として認識しているかどうかの指標でもあります。

人事としては、情報共有の仕方や目標の伝え方が適切かどうかも同時に確認する必要があります。

自信がなく意見を表明しない

意見をもっていても発言しない、会議で常に沈黙している――。
この状態も、当事者意識の低下と関連します。

ただし注意すべきは、これは“やる気がない”とは限らない点です。

  • 自分の意見に価値がないと思っている

  • 否定されることを恐れている

  • 発言する経験が不足している

といった心理的要因が影響しているケースもあります。

当事者意識を高めるには、「発言してもよい」「挑戦してもよい」という心理的安全性の確保が前提条件になります。

当事者意識が低くなる原因

個人の資質だけでなく、組織設計やマネジメントの影響も大きく関係します。
当事者意識がない状態を「本人の問題」と片付けてしまうと、本質的な改善は進みません。

ここでは、人事が介入できる“構造的要因”に焦点を当て、当事者意識が低くなる背景を整理します。

役割・期待値が不明確

自分に何が期待されているのか分からない状態では、当事者意識は育ちません。

  • 職務内容が曖昧

  • 上司ごとに求める基準が違う

  • 責任範囲が重複・空白になっている

このような環境では、「どこまで関与してよいのか分からない」という不安が生じます。
その結果、最も安全な選択として“指示待ち”が定着してしまいます。

当事者意識は、明確な役割定義の上に成り立ちます。
期待値が言語化されていない組織では、自発的な行動は生まれにくいのです。

目標や目的が浸透していない

会社のビジョンや部門目標が十分に共有されていない場合、日々の業務は“作業”になります。

  • なぜこの仕事をしているのか

  • どの目標にどう貢献しているのか

  • 成果が誰にどのような価値を生んでいるのか

これらが見えなければ、自分ごと化は難しくなります。当

事者意識を高めるには、目標設定だけでなく、目標の意味づけと接続が不可欠です。

評価基準が曖昧

努力や挑戦が正当に評価されない環境では、当事者意識は低下します。

  • 何をすれば評価されるのか分からない

  • 結果のみが評価され、プロセスが見られない

  • 上司の主観に左右される

このような状況では、「余計なことはしない方が安全」という心理が働きます。

当事者意識を高めるためには、主体的な行動や改善提案が評価される仕組みになっているかを確認する必要があります。

意思決定の機会が与えられていない

どれだけ「自分ごとで考えろ」と伝えても、意思決定の権限がなければ当事者意識は育ちません。
「すべて上司承認が必要」「方針がトップダウンで一方的に決まる」といった状態が続くと、「どうせ決めるのは上だ」という無力感が生まれます。

小さな範囲でもよいので、判断や選択を任せることが、当事者意識醸成の第一歩です。

失敗が許容されない文化

失敗が厳しく叱責される、減点評価が強い組織では、「新しい提案を避ける」「無難な選択を優先する」といった防衛的な行動が増えます。

当事者意識は、「挑戦しても大丈夫」という前提があってこそ育ちます。

心理的安全性が低い環境では、自発性よりも保身が優先されます。

業務過多で余裕がない

慢性的な業務過多も、当事者意識を低下させる要因です。
目の前のタスク処理で精一杯で改善策を考える余裕がないという状態では、視野は自然と狭くなります。

当事者意識を高めるためには、「考える余白」を設計することも必要です。

変化を嫌う組織風土

「前例通りにやるのが正解」という文化が強い場合、主体的な関与は抑制されます。
「改革に対する抵抗感が強い」「若手の意見が採用されにくい」といった環境では、「出る杭は打たれる」という空気が生まれ、当事者意識は静かに失われていきます。

組織風土は短期間では変わりませんが、評価制度やマネジメント行動の変化を通じて徐々に改善することが可能です。

当事者意識が低い組織が抱えるリスク

当事者意識の欠如は、個人の問題にとどまりません。

「自分には関係ない」という空気が広がると、組織全体の生産性や意思決定スピード、さらにはエンゲージメントの低下にまで影響します。
ここでは、経営・人事視点で押さえておくべき具体的なリスクを整理します。

問題の先送りによる機会損失

当事者意識が低い組織では、課題が表面化してもすぐに対処されないことが多いです。

  • 小さなミスが放置される

  • 顧客の不満が共有されない

  • 業務の非効率が見過ごされる

誰も「自分が動くべきだ」と考えないため、問題は先送りされます。

結果として、本来は軽微だったトラブルが重大化し、改善の機会やビジネスチャンスを失うことになります。

意思決定の遅延

当事者意識が低い環境では、判断が上層部に集中します。
現場が判断を避け、小さな決定にも承認が必要になるため、意思決定スピードが著しく低下します。

市場環境の変化が激しい時代において、意思決定の遅れは競争力の低下に直結します。

当事者意識の欠如は、組織の機動力を奪う要因にもなるのです。

イノベーションの停滞

新しいアイデアや改善提案は、「自分が変えられる」という感覚から生まれます。

しかし、当事者意識が低い組織では、現状維持が優先される傾向が強くなるため、業務改善も新規事業創出も進みにくく、組織の停滞に繋がります。

イノベーションは制度だけでなく、関与意識の高さに支えられているのです。

モチベーション低下の連鎖

当事者意識が低い状態では、「一部の社員だけが負担を抱える」「頑張っても報われないと感じる」といった状況が発生しやすく、
これが続くと、意欲の高い社員から疲弊し、最終的には組織全体のモチベーションが低下します。

当事者意識は個人の姿勢であると同時に、組織文化として伝播する性質を持っています。

当事者意識を高める方法【組織設計編】

当事者意識を高める方法は精神論ではなく、制度・仕組み・環境づくりが鍵です。
まずは組織設計レベルの施策を解説します。

期待役割と責任範囲を明確にする

当事者意識が曖昧になる大きな要因は、「誰が何を担うのか」が不明確な状態です。
役割や責任範囲が定義されていないと、判断や行動の基準が持てず、結果として“様子見”の姿勢が生まれます。

具体策:

  • 職種・ポジションごとのミッションを明文化する

  • 業務ごとの最終責任者を明確にする

  • 権限と責任をセットで設計する

「ここまでは自分が決めてよい」という線引きが明確になることで、主体的な判断が可能になります。

ビジョンと紐づいた目標設定を行う

目の前の業務が、組織のビジョンや戦略とどうつながっているのかが見えないと、仕事は“作業”になりやすくなります。

具体策:

  • 組織の中期・長期ビジョンを共有する

  • 部門目標と個人目標の接続を可視化する

  • 定期的に目標の意味を対話する

自分の仕事が全体の成果にどう貢献しているのかを理解できると、責任感と納得感が生まれ、当事者意識が高まります。

▶関連記事:人材育成の目標設定とは?その具体例や目標管理のポイント、重要性をご紹介!

評価基準と成果の連動性を高める

当事者意識を醸成するには、「主体的な行動が正しく評価される仕組み」が不可欠です。

具体策:

  • プロセス評価に主体性や提案行動を含める

  • 結果だけでなく挑戦も評価対象にする

  • 評価フィードバックを具体的に行う

努力や挑戦が報われると実感できる環境は、行動変容を後押しします。

▶関連記事:人事評価の項目の決め方と目的、評価基準の具体例のまとめ

意思決定権限を段階的に委譲する

権限が集中しすぎると、現場は受け身になりやすくなります。
一方で、急激な権限移譲は混乱を招くため、段階的な設計が重要です。

具体策:

  • 小さな判断から任せる

  • 決定基準や判断材料を共有する

  • 上長は「答えを出す人」から「問いを投げる人」へ役割転換する

自ら考え、決める経験の積み重ねが、当事者意識を育てます。

失敗から学ぶ文化をつくる

挑戦が萎縮する環境では、主体性は育ちません。
失敗を責めるのではなく、学習資源として扱う文化が必要です。

具体策:

  • 失敗事例を共有する場を設ける

  • 原因分析と再発防止策を建設的に議論する

  • 挑戦を称賛するメッセージを発信する

心理的安全性が担保されてこそ、自律的な行動が生まれます。

意見交換・対話の場を設計する

当事者意識は、双方向のコミュニケーションの中で育ちます。
一方通行の指示命令型マネジメントでは限界があります。

具体策:

  • 定期的な1on1ミーティングの実施

  • 部門横断の意見交換会

  • 提案制度やアイデア共有の仕組み

「意見を言ってもよい」「自分の声が反映される」という実感が、組織への関与度を高めます。

当事者意識は、個人の資質だけで決まるものではありません。
役割設計・目標設定・評価制度・権限設計といった組織構造そのものが、主体性を育てる土壌になります。

▶関連記事:1on1ミーティングとは?効果や進め方、ポイントを解説

当事者意識を高める方法【マネジメント・育成編】

管理職の関わり方次第で、当事者意識は大きく変わります。
日常マネジメントで実践できる具体策を紹介します。

傾聴と受容による心理的安全性の確保

当事者意識を育てる前提として必要なのが、「安心して発言できる環境」です。
否定や評価を急ぐ姿勢は、メンバーを受け身にさせてしまいます。

具体策:

  • 相手の話を遮らず最後まで聴く

  • まずは事実と感情を受け止める

  • 意見に対して即断せず、理解を示す

心理的安全性が担保されることで、主体的な提案や挑戦が生まれやすくなります。

▶関連記事:傾聴力とは?ビジネスでの活用法と能力を高める方法

問いかけによる内省の促進

答えを与えるマネジメントは即効性がありますが、当事者意識の醸成にはつながりにくい側面があります。
重要なのは「考えさせる」関わりです。

具体策:

  • 「あなたはどう考える?」と問いを投げる

  • 判断の根拠を言語化させる

  • 他の選択肢を考えさせる

自ら思考し、選択し、言語化する経験の積み重ねが、責任感と主体性を高めます。

具体的かつタイムリーなフィードバック

行動と結果の因果関係が見えなければ、成長実感は得られません。
フィードバックは、具体性とスピードが鍵です。

具体策:

  • 良かった点と改善点を明確に伝える

  • 抽象論ではなく行動レベルで示す

  • できるだけ早いタイミングで実施する

自分の行動が組織にどう影響したのかを理解できることで、当事者としての自覚が深まります。

小さな成功体験の設計

いきなり大きな責任を与えるのではなく、達成可能な挑戦を設計することが重要です。

具体策:

  • 少し背伸びが必要な目標を設定する

  • 達成までのプロセスを伴走する

  • 成果を可視化し、承認する

「やればできる」という自己効力感は、主体的行動を継続させる原動力になります。

コミットメント確認とフォローアップ

当事者意識は、一度の対話で定着するものではありません。
約束した行動をどう実行したかを振り返る仕組みが必要です。

具体策:

  • 面談で決めた行動目標を記録する

  • 定期的に進捗を確認する

  • 実行できた点・できなかった理由を対話する

コミットメントと振り返りを繰り返すことで、「自分が決めたことをやり切る」習慣が育ちます。

管理職の役割は、部下を動かすことではなく、自ら動く状態をつくることです。
日常の対話・問い・フィードバックの質が変われば、組織全体の当事者意識も着実に高まっていきます。

当事者意識の測定方法と指標設計

施策は「測定」とセットで設計することが重要です。
感覚的な評価ではなく、エンゲージメントや行動指標と連動させる方法を解説します。

サーベイで測定できる指標例

当事者意識は抽象的な概念ですが、設問設計によって定量的に把握することが可能です。
エンゲージメントサーベイやパルスサーベイに以下のような観点を組み込みます。

「自分の仕事が組織成果に影響していると感じる」
「問題が起きた際に自ら解決に動いている」
「業務改善の提案を行っている」
「組織の目標を自分事として捉えている」

5段階評価などで定点観測することで、組織単位・部門単位・階層別の傾向を可視化できます。

重要なのは、単発実施ではなく継続的に追うことです。

行動変化を見る定量・定性指標

サーベイ結果だけでは不十分です。
実際の行動変化と結びつけて評価することで、より実態に近づきます。

定量指標の例

  • 改善提案件数

  • 自主プロジェクト参加率

  • 会議での発言回数

  • 目標達成率・期限遵守率

定性指標の例

  • 会議での発言内容の質

  • 課題に対するスタンスの変化

  • 他部署との協働姿勢

数値と行動観察の両面から捉えることで、「意識」と「行動」のズレを把握できます。

1on1や評価面談での確認ポイント

面談は当事者意識を可視化する重要な機会です。
形式的な進捗確認に終始せず、思考プロセスを確認します。

  • 目標をどのように解釈しているか

  • 課題に対し、自分は何を変えられると考えているか

  • 失敗をどう捉えているか

  • 自ら設定した次のアクションは何か

結果だけでなく、「どう考え、どう決めたか」に焦点を当てることがポイントです。

継続的改善のためのPDCA設計

測定はゴールではなく、改善の出発点です。
当事者意識向上施策もPDCAで運用します。

Plan

目標スコアや行動指標を設定

Do

研修・制度変更・マネジメント施策を実行

Check

サーベイ結果と行動指標を比較

Act

課題部門・階層ごとに打ち手を調整


特に「Check」で終わらせないことが重要です。
結果を開示し、対話の材料として活用することで、測定そのものが当事者意識を高める機会になります。

当事者意識は感覚的に語られがちですが、設計次第で十分に可視化・改善可能なテーマです。 「意識 → 行動 → 成果」の連動をデータで捉えることが、持続的な組織変革につながります。

当事者意識を研修で育むには

制度設計だけでなく、教育機会も重要です。
当事者意識は一度のメッセージで醸成されるものではなく、階層ごとの役割理解と実践機会の積み重ねによって高まります。
ここでは、階層別・テーマ別に有効な研修設計のポイントを整理します。

若手社員向け:役割理解と目標設定研修

若手層では、「自分の仕事が何につながっているのか」を十分に理解できていないことが、当事者意識の低さにつながるケースがあります。

研修では、以下の観点を押さえることが有効です。

  • 会社のビジョンと自部署の役割の理解

  • 自身の業務が組織成果に与える影響の整理

  • 上司から与えられた目標の再定義

  • 自分自身で行動目標を設定するワーク

単なる知識習得ではなく、「自分の言葉で目標を語れる状態」を目指すことが重要です。

▶関連記事:若手社員研修の目的やおすすめのテーマとは?主体性が発揮できるカリキュラム内容を紹介

中堅社員向け:課題設定力と改善提案力強化

中堅層は、現場の課題に最も近い立場にいます。
しかし、忙しさや組織慣行により、改善提案を控えてしまうこともあります。

この層には、

  • 課題の構造化トレーニング

  • 真因分析ワーク

  • 改善案の立案・発表演習

  • 他部署視点を取り入れたケースディスカッション

といった内容が効果的です。
提案を行動に移す経験を通じて、当事者意識は実践的に強化されます。

▶関連記事:【中堅社員研修】成果を最大化する設計と実施の完全ガイド

管理職向け:コーチングと権限委譲スキル

当事者意識は部下個人の問題ではなく、上司の関わり方によって大きく左右されます。

管理職研修では、

  • 傾聴と問いかけの技法

  • 部下との目標合意形成

  • 任せる範囲の明確化

  • 失敗時の建設的フィードバック

などを扱います。
「答えを与える管理」ではなく、「考えさせるマネジメント」へと転換することが、組織全体の主体性を引き上げます。

▶関連記事:管理職研修とは?種類や内容・目的別プログラム例まで詳しく紹介

ケーススタディ型研修の効果

当事者意識を育むには、講義中心のインプットだけでは不十分です。
実際の業務に近いケースを使い、「自分ならどう判断するか」を考えさせる設計が効果的です。

ケーススタディでは、

  • 判断理由の言語化

  • 他者との意見比較

  • 思考の前提やバイアスへの気づき

といった深い学習が生まれます。
疑似体験を通じて「自分事化」することが、実務での行動変容につながります。

eラーニングと集合研修の組み合わせ方

当事者意識の醸成には、継続的なインプットと対話機会の両立が欠かせません。

例えば、

  • 事前にオンラインで基礎理論やフレームワークを学ぶ

  • 集合研修ではディスカッションやケース演習に時間を充てる

  • 研修後に振り返り課題を実施し、実務と接続する

といった設計が有効です。

学習を「一過性のイベント」にせず、実務と往復させる仕組みを設計することで、当事者意識は徐々に組織文化へと根づいていきます。

▶関連記事:eラーニング導入のメリットとは?集合研修との比較も解説

まとめ

当事者意識とは、単なる責任感ではなく「自分が組織の成果を左右する一員である」と捉え、自ら考え行動する姿勢を指します。
低下の背景には、個人の資質だけでなく、役割不明確さや評価制度、組織風土などの構造的要因があります。
だからこそ人事には、制度設計・マネジメント・研修・測定を一貫させた仕組みづくりが求められます。当事者意識は精神論ではなく、設計によって高められる組織能力なのです。

当事者意識を組織に定着させるには、継続的な学習と行動変容を支える仕組みが不可欠です。
eラーニングプラットフォーム「SAKU-SAKU Testingでは、自社オリジナルの研修コンテンツや問題を搭載し、階層や役割に応じた出し分けが可能です。直感的に操作できるUIにより、教育担当者の負担を抑えながら継続的な育成を実現できます。

また、サクテス学びホーダイでは、内定者から管理職候補までをカバーする100本超の動画と3,000問以上のビジネス問題を活用でき、階層別教育をスピーディにスタートできます。
当事者意識を「一時的なスローガン」で終わらせず、学習と実践を循環させる仕組みづくりとして、ぜひご活用ください。

人材育成・社員教育の最新ノウハウを、無料でお届け!

 社員教育・人材開発の担当者様向けに、

「現場で使える研修設計のヒント」や「最新の教育トレンド」「実践的なノウハウ」を凝縮したメールマガジンを配信中です。

✅ 社員教育に関する実践的ノウハウをいち早くゲット!

✅ 最新の研修・育成トレンドをリアルタイムでキャッチ!

✅ 無料レポート・資料ダウンロード も可能!

✅ メルマガ限定のセミナー・イベント案内も配信!

※配信はいつでも無料・取消も簡単です。

 

組織が発展していくには、社員一人ひとりの能力を向上させることが不可欠です。 そのためにも、企業は個々のスキルアップを促す仕組み作りをする必要があります。 このメディアでは、社員教育に力を入れていきたい企業様に向けて、 教育・研修をメインに社員が成長していくための情報を発信していきます。

試験のDX化、人材教育の課題など、私たちイー・コミュニケーションズが解決します。

お電話でのお問い合わせはこちら

Copyright ©e-communications,Inc.

PAGE TOP