管理職のプレイヤー気質が招く弊害とは?抜け出すための方法を解説

プレイヤーとして優秀な実績を上げて管理職になったものの、以前と同じように現場の業務に没頭してしまう「プレイヤー気質の管理職」は少なくありません。
この状態は、本人のキャリアだけでなく、部下やチーム、ひいては組織全体の成長を妨げる要因となり得ます。
個人の成果を出すことから、チームの成果を最大化する立場への役割転換が求められますが、その移行に課題を抱えるケースが散見されます。
本記事では、プレイヤー気質の管理職が引き起こす弊害やその原因、そして個人と会社双方で実践できる具体的な解決策について解説します。
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あなたは当てはまる?「プレイヤー気質の管理職」の特徴

プレイヤー気質の管理職とは、管理職の立場にありながら、部下のマネジメントよりもプレイヤーとしての実務を優先してしまう人を指します。
一般的な管理職との違いは、チームの成果を最大化するという役割認識が薄い点にあります。
具体的な特徴として以下が挙げられます。
部下に仕事を任せず自分で抱え込む
「自分がやったほうが早い」が口癖
部下の業務に細かく介入しすぎるマイクロマネジメントに陥る
このような行動の背景には、プレイヤー時代の成功体験への固執や、部下への不信感が存在することが多く、その違いを認識することが第一歩です。
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放置は危険!プレイヤー気質の管理職が引き起こす3つの弊害

プレイヤー気質の管理職を放置すると、個人やチームのパフォーマンス低下に留まらず、組織全体の成長を阻害する深刻な事態を招く可能性があります。
管理職がプレイヤー業務に専念することで、本来果たすべきマネジメント機能が不全に陥り、その影響は部下の育成やチームの成果、そして管理職自身のキャリアにも及びます。
ここでは、放置することで引き起こされる代表的な3つの弊害について、具体的な内容を掘り下げていきます。
弊害1:部下の成長機会を奪い、指示待ち人材を生んでしまう
管理職が「この仕事は自分にしかできない」「部下に任せるのは不安だ」と考え、実務を抱え込んでしまうと、部下は挑戦的な業務を経験する機会を失います。
本来であれば、失敗を経験しながら学び、スキルを向上させていくべきところ、その機会自体が与えられません。
結果として、部下は常に上司からの具体的な指示を待つようになり、自ら考えて行動する主体性が育まれなくなります。
このような状況が続くと、組織は新しい挑戦ができず、変化に対応できない指示待ち人材ばかりの集団になってしまうリスクを抱えることになります。
弊害2:本来のマネジメント業務が疎かになり、長時間労働につながる
管理職の本来の役割は、部下の育成や目標設定、チーム全体の進捗管理といったマネジメント業務です。
しかし、プレイヤーとしての業務に時間を費やしてしまうと、これらの重要な業務が後回しになりがちです。マネジメントが疎かになると、チームの方向性が定まらず、個々のメンバーのモチベーションも低下しかねません。
さらに、管理職自身はプレイヤーとマネージャーの二つの役割をこなすことになるため、業務量が単純に増加します。
その結果、必然的に長時間労働に陥りやすく、心身の健康を損なう原因にもなり得ます。
弊害3:チームとしての成果が伸び悩み、組織の成長が止まる
管理職一人がプレイヤーとして発揮できるパフォーマンスには限界があります。
たとえ非常に優秀な管理職であっても、一人で出せる成果はチーム全体の潜在能力には及びません。
管理職が個人の成果に固執するあまり、部下一人ひとりの能力を引き出し、チームとしての相乗効果を生み出す機会を逃してしまいます。
結果として、チーム全体のパフォーマンスは管理職個人の能力を上限として頭打ちになり、それ以上の成長が見込めなくなります。
これが組織全体に広がると、中長期的な視点での事業拡大やイノベーションの創出が停滞する要因となります。
優秀な人ほど陥りがち?プレイヤー業務から抜け出せない理由

プレイヤーとして極めて優秀な成果を上げてきた人材ほど、管理職になった後もプレイヤー業務から抜け出せない傾向が見られます。
優秀な実績があるのに、なぜマネジメントへの移行がうまくいかないのでしょうか。
その背景には、過去の成功体験が逆に足かせとなったり、短期的な成果を求めるプレッシャーから部下育成という長期的な投資を後回しにしてしまったりする心理的な要因が複雑に絡み合っています。
ここでは、優秀な人材がプレイヤー気質に陥りやすい理由を掘り下げていきます。
過去の成功体験が「部下に任せられない」壁になる
プレイヤーとして高い成果を出してきた人物は、自身のやり方やスキルに強い自信と自負をもっています。
その成功体験が、管理職になった際に「自分のやり方が最も効率的で質が高い」という固定観念を生み出すことがあります。
部下が自分とは異なるアプローチで仕事を進めたり、時間がかかったりする様子を見ると、「自分がやったほうが早いし確実だ」と感じ、つい手を出してしまうのです。
この行動は、部下の能力を信頼できず、仕事を任せられないという心理的な壁となって表れます。
結果的に、部下を育成する機会を逸し、自らをプレイング業務に縛り付けることになります。
部下の育成よりも目先の成果を優先してしまう
管理職には、チームとしての短期的な業績目標を達成することが常に求められます。
部下に新しい仕事を任せると、説明や指導に時間がかかるうえ、失敗するリスクも伴います。
そのため、目標達成へのプレッシャーが強い状況下では、時間がかかり成果がすぐには見えにくい部下育成よりも、自身がプレイヤーとして動いて確実に成果を出すという短期的な選択肢を取りがちです。
目先の成果を優先するあまり、長期的な視点でのチーム力向上や人材育成が後回しにされてしまい、結果としていつまでもプレイヤー業務から抜け出せなくなります。
管理職自身が今日からできる!プレイヤー気質から脱却する3つの方法

プレイヤー気質からの脱却は、管理職自身の意識改革から始まります。
これまで個人として成果を出してきたスタイルから、チームを率いて成果を最大化するマネージャーへと役割を転換するには、具体的な行動の変化が不可欠です。
これまでのやり方を手放すことには勇気がいりますが、意識的に取り組むことで、管理職としての新たなステージに進むことが可能です。
ここでは、管理職自身が今日から実践できる3つの具体的な方法を紹介します。
「自分がやったほうが早い」という考えを改める
「自分がやったほうが早い」という考えは、短期的には効率的に見えるかもしれませんが、長期的な視点ではチームの成長を阻害する最も大きな要因です。
この考えを持ち続ける限り、部下に仕事を任せることはできず、部下はいつまでも経験を積むことができません。
結果として、管理職自身が全ての仕事を抱え込み、チーム全体の生産性は頭打ちになります。
まずは、目先の効率よりも部下の育成を優先する意識をもつことが重要です。
部下に任せることで生まれる時間的なコストは、未来のチーム力を高めるための投資であると捉え、自身の思考パターンを改める必要があります。
部下を信頼して仕事を任せるスキルを身につける
プレイヤー気質から脱却するためには、部下を信頼し、適切に仕事を任せる権限移譲のスキルが不可欠です。
仕事を任せるとは、単に業務を丸投げすることではありません。
業務の目的や背景、期待する成果を明確に伝えた上で、進め方については部下の裁量に委ねることが重要です。
もちろん、最終的な責任は管理職が負うという姿勢を明確に示し、部下が安心して挑戦できる環境を作る配慮も求められます。
部下のスキルや経験に応じて、少しストレッチした業務を任せることで、部下の成長を促し、徐々に信頼関係を構築していくことができます。
▶関連記事:部下の人材育成のための目標設定のコツをご紹介!
自身の役割はチームの成果を最大化することだと再認識する
管理職に求められる最も重要な役割は、自分自身がプレイヤーとして高い成果を出すことではなく、チーム全体のパフォーマンスを最大化することです。
この役割認識を明確に持つことが、行動を変える上での基盤となります。
自身の時間を、個別の実務ではなく、チームの目標設定、メンバーの動機付け、育成、業務プロセスの改善といったマネジメント業務に意図的に配分する必要があります。
自分の評価は個人の業績ではなく、チームとしていかに大きな成果を出せたかで決まる、という意識を持つことで、プレイヤーとしての動き方からマネージャーとしての動き方へと自然にシフトしていくことが可能になります。
▶関連記事:人材育成の目標設定とは?その具体例や目標管理のポイント、重要性をご紹介!
個人の努力だけに頼らない!会社ができる3つの環境づくり

管理職がプレイヤー気質から脱却するためには、本人の意識改革や努力が不可欠ですが、それだけに頼るには限界があります。
管理職がマネジメントに専念したくても、会社の制度や体制がそれを許さないケースも少なくありません。
会社側が、管理職の役割転換を後押しする環境を積極的に整備することが、問題解決には欠かせません。
ここでは、管理職個人の努力だけに依存せず、会社として取り組むべき3つの環境づくりについて解説します。
管理職の評価基準に「部下育成」の項目を加える
管理職の評価がチームの短期的な業績や個人の売上目標といった指標に偏っている場合、管理職はプレイヤーとしての業務を優先せざるを得ません。
部下育成は成果が出るまでに時間がかかるため、評価に直結しない活動は後回しにされがちです。
この状況を改善するためには、人事評価制度を見直し、「部下の成長度合い」や「後継者の育成実績」、「チームエンゲージメントの向上」といった項目を明確に評価基準に組み込むことが有効です。
これにより、管理職は部下育成が自身の重要なミッションであると認識し、マネジメント活動へより積極的に取り組むようになります。
▶関連記事:正しい人事評価とは?評価項目ごとに解説します
マネジメント業務に専念できる体制を整える
そもそも管理職がプレイヤー業務を兼任せざるを得ない背景には、慢性的な人員不足や、管理職が担う業務範囲の広さといった構造的な問題が潜んでいる場合があります。
会社としては、管理職の業務内容を精査し、本来は部下や別の担当者が担うべき業務を切り分けることが重要です。
必要であれば、チームの人員を増強したり、管理職の補佐役を配置したりするなど、マネジメント業務に集中できる体制を物理的に整える必要があります。
これにより、管理職は本来の役割に専念でき、チーム全体の生産性向上につながります。
管理職向けの役割認識研修を定期的に行う
優秀なプレイヤーが必ずしも優秀なマネージャーになれるわけではなく、両者には異なるスキルセットが求められます。
この役割転換を円滑に進めるため、会社は管理職向けの研修を体系的かつ定期的に実施することが効果的です。
新任管理職研修でマネジメントの基礎を教えるだけでなく、既存の管理職に対しても、自身の役割を再認識し、最新のマネジメント手法を学ぶ機会を提供します。
研修を通じて、ティーチングとコーチングの違いや権限移譲の方法などを具体的に学ぶことで、プレイヤーからの意識改革を促し、行動変容をサポートすることができます。
▶関連記事:管理職研修とは?種類や内容・目的別プログラム例まで詳しく紹介
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まとめ|管理職研修にeラーニングがおすすめ
管理職がプレイヤー気質に陥ることは、部下の成長機会の喪失、管理職自身の長時間労働、そしてチーム全体の成果の伸び悩みといった複数の弊害を引き起こします。
この問題の背景には、過去の成功体験への固執や短期的な成果を優先する思考があります。
脱却のためには、管理職自身が「自分がやったほうが早い」という考えを改め、部下を信頼して仕事を任せ、チームの成果最大化という本来の役割を再認識することが求められます。
同時に、企業側も評価基準への部下育成項目の追加や、マネジメントに専念できる体制の整備、定期的な研修の実施といった環境づくりを進め、個人と組織の両面からアプローチすることが解決につながります。
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