OJTをする余裕がない原因と対策|現場負担を減らし教育を効率化する進め方

「OJTを実施したいものの、教育に十分な時間を確保できない」「現場が忙しく、新人教育まで手が回らない」と悩む企業は少なくありません。
OJTは実務を通じて知識やスキルを身につけられる効果的な教育方法ですが、担当者の負担が大きくなりやすく、忙しい現場では十分に機能しないケースもあります。その結果、新人の成長が遅れたり、教育の質にばらつきが生じたりと、さまざまな課題につながることもあります。
本記事では、OJTをする余裕がない原因や放置するリスク、負担を軽減しながら人材育成を進めるための方法を分かりやすく解説します。
目次[非表示]
- 1.OJTをする余裕がない理由
- 2.OJTを十分に実施できないことで起こる問題
- 3.OJTを効率化するための進め方
- 4.OJTを成功させるために担当者が意識したいポイント
- 5.OJTに余裕がない企業にはLMSを活用した教育がおすすめ
- 5.1.基礎知識を事前学習できる
- 5.2.教育品質を標準化できる
- 5.3.受講状況や理解度を可視化できる
- 5.4.教育担当者の負担を軽減できる
- 6.OJTに関するよくある質問
- 6.1.Q . OJTを行う時間が取れない場合は何から改善すべきですか?
- 6.2.Q . OJTとOFF-JTはどのように使い分ければよいですか?
- 6.3.Q . 教育担当者の負担を減らす方法はありますか?
- 6.4.Q . OJTを標準化するにはどのようなツールが役立ちますか?
- 7.まとめ
OJTをする余裕がない理由

OJTをする余裕がない背景には、担当者の忙しさだけでなく、教育体制や組織の仕組みに関する課題もあります。
まずは、OJTが十分に実施できなくなる主な理由を見ていきましょう。
OJT担当者の業務負担が大きい
OJT担当者は、新人教育だけでなく、自身の通常業務も担当しています。
そのため、繁忙期や人手不足の状況では、教育に十分な時間を確保しにくく、OJTが後回しになりやすくなります。
また、教育では業務を教えるだけでなく、質問対応や進捗確認、フィードバック、理解度の確認なども必要です。
新人の習熟度に合わせて教え方を調整する場面も多く、想定以上に工数がかかるケースは少なくありません。
教育できる人材や体制が不足している
経験豊富な社員が限られている企業では、教育の負担が一部の社員に集中しやすくなります。
特に中堅社員や管理職がプレイングマネージャーとして多くの業務を抱えている場合は、新人教育まで十分に対応できません。
また、新卒・中途採用を積極的に行っている企業では、教育対象者が増える一方で、指導できる人材の育成が追いつかないケースもあります。
一人の担当者が複数人を同時に指導することになれば、一人ひとりに十分な時間を割くことは難しくなります。
教育の仕組みが整備されていない
教育内容や育成ルールが明確になっていない企業では、「誰が・何を・どの順番で教えるのか」が担当者ごとに異なります。
そのため、毎回説明内容を考える必要があり、教育に余計な時間がかかりやすくなります。
また、教え方が個人の経験や勘に依存していると、教育ノウハウが担当者ごとに蓄積され、指導内容にもばらつきが生じます。
担当者が変わるたびに教え方が変わることも、OJTに時間がかかる要因の一つです。
人材育成より日々の業務が優先されてしまう
売上目標や納期への対応など、目の前の業務を優先せざるを得ない職場では、人材育成は緊急性の低い業務として後回しになりがちです。
特に繁忙期や急なトラブルが発生すると、教育の時間は真っ先に削られやすく、計画どおりにOJTを進められないケースも少なくありません。
その結果、教育が担当者の空いた時間に行われる状態になり、継続的な実施が難しくなります。
OJTを十分に実施できないことで起こる問題

OJTを後回しにすると、一時的には現場の業務を優先できるように見えるかもしれません。
しかし、教育不足の影響は新人だけでなく、教育担当者や組織全体にも広がります。
ここでは、OJTを十分に実施できないことで起こりやすい問題を紹介します。
新人の成長が遅れ、現場の負担が減らない
OJTが十分に機能しないと、新人が自立するまでの期間が長くなり、教育担当者や管理職によるサポートも長期化します。
また、業務の目的や手順を十分に理解しないまま仕事を任せると、ミスや手戻りが発生しやすくなります。
確認や修正、再説明といった対応が必要になるため、本来進めるべき業務にも影響が及びます。
さらに、教育内容や教え方が担当者によって異なる場合は、業務品質にもばらつきが生じやすくなります。
その結果、通常業務との両立がより難しくなり、教育担当者や管理職の負担がさらに大きくなることがあります。
新人の不安が大きくなり、早期離職につながる
十分な教育やフォローを受けられないまま業務を任されると、新人は「何が正しいのかわからない」「質問しづらい」と感じやすくなります。
こうした不安が積み重なると、自信を持って業務へ取り組めなくなり、仕事への意欲も低下しやすくなります。
また、「放置されている」「十分なサポートを受けられない」と感じることで、会社への信頼や帰属意識が薄れ、早期離職につながるケースもあります。
▶関連記事:新入社員が退職してしまう原因とは?離職率を下げる解決法を徹底解説
ノウハウが継承されず、属人化が進む
教育内容が担当者任せになっていると、教え方や内容が担当者ごとに異なり、組織として教育ノウハウを蓄積しにくくなります。
また、教育内容が文書やマニュアルとして整理されていない場合は、ベテラン社員がもつ知識や経験が個人の中に留まり続けます。
その結果、担当者が変わるたびに教え方や教育内容にばらつきが生じ、新人の習熟度にも差が生まれやすくなります。
さらに、担当者の異動や退職があった際にはノウハウを十分に引き継げず、それまで培われた知識や経験が失われてしまう可能性があります。
OJTを効率化するための進め方

OJTを効率化するには、担当者個人の工夫だけでなく、組織として教育を継続しやすい仕組みを整えることが重要です。
現状を整理したうえで教育内容を標準化し、必要に応じてデジタルツールも活用することで、教育担当者の負担を抑えながら継続的な人材育成を実現しやすくなります。
ここでは、OJTを効率化するための基本的な進め方を紹介します。
STEP1 現状の課題と育成ゴールを整理する
まずは、自社のOJTがどのような状態になっているかを把握し、育成の目的やゴールを明確にしましょう。
「教育時間が足りない」「担当者によって教え方が異なる」といった課題があっても、その原因は企業によって異なります。
現状を整理しないまま改善策を講じても、十分な効果は期待できません。
あわせて、「入社1か月で基本業務を一人で行える」「3か月後には担当業務を任せられる」といった育成目標を設定しておくことで、教育内容や優先順位を整理しやすくなります。
例えば、次のような観点で確認すると課題を把握しやすくなります。
OJT担当者の業務負担は適切か
育成目標や教育内容が明確になっているか
教育資料やマニュアルが整備されているか
教育の進捗や習熟度を把握できているか
新人や教育担当者から改善要望が出ていないか
STEP2 教育内容を標準化し、誰でも教えられる仕組みをつくる
課題を整理したら、教育内容や進め方を標準化します。
担当者ごとに教え方が異なる状態では、毎回説明内容を考える必要があり、教育品質にもばらつきが生じます。また、一度に多くの内容を教えようとすると、新人の理解が追いつかず、繰り返し説明が必要になることもあります。
そのため、教育内容をマニュアル化するとともに、業務を段階的に学べるカリキュラムを整備することが重要です。
例えば、次のような内容を整理しておくと、教育を進めやすくなります。
業務手順や注意点
新人が優先して覚えるべき知識
よくあるミスと対処方法
習熟度を確認するチェックリスト
「見学→実践→一人で実施→フィードバック」といった教育ステップ
また、教育担当者向けに指導方法やフィードバックの進め方を共有しておくことで、担当者による指導のばらつきも抑えやすくなります。
STEP3 教育体制とツールを活用し、継続的に改善する
OJTを継続的に実施するには、「空いた時間で教育する」のではなく、教育時間を業務の一部として確保することが大切です。
教育担当者の業務量を調整したり、複数人で教育を分担したりすることで、特定の担当者へ負担が集中しにくくなります。
また、動画マニュアルやeラーニング、LMS(学習管理システム)などを活用すれば、基礎知識の学習や受講状況の管理を効率化できます。教育担当者は実践指導や個別フォローに集中できるため、限られた時間でもOJTを進めやすくなります。
さらに、教育状況や習熟度を定期的に確認しながら、教材や教育内容を見直していくことで、教育品質を維持しながら改善を続けられます。
▶関連記事:OJT教育を成功に導く!ポイントやメリットをご紹介します
OJTを成功させるために担当者が意識したいポイント

OJTの成果は、教育の仕組みだけで決まるものではありません。
同じ教育内容でも、教え方や関わり方によって新人の成長スピードや理解度は大きく変わります。
ここでは、OJTをより効果的に進めるために、教育担当者が意識したいポイントを紹介します。
最初に目標と期待する役割を共有する
OJTを始める際は、最初に育成目標や期待する役割を新人と共有しておくことが大切です。
何を目指して学ぶのかが曖昧なままでは、新人は「何を優先して覚えればよいのか」が分からず、担当者も指導内容に一貫性をもたせにくくなります。
例えば、「1か月後には基本業務を一人で行える」「3か月後には担当業務を任せられるようになる」といった具体的な目標を設定しておくことで、新人は学習の方向性を理解しやすくなります。
また、目標を共有しておけば、進捗を振り返る際の基準にもなり、成長を実感しやすくなるでしょう。
小さな成功体験を積み重ねられるようにする
新人の成長を促すには、最初から難しい業務を任せるのではなく、達成しやすい課題から取り組んでもらうことが重要です。
成功体験を積み重ねることで、「できた」という実感が自信につながり、主体的に学ぶ姿勢も育まれます。
一方で、難易度の高い業務ばかり任せてしまうと、失敗が続き、自信やモチベーションを失ってしまう可能性があります。
まずは基本的な業務を確実に習得し、その後少しずつ応用的な業務へとステップアップできるよう、段階的に経験を積める環境を整えましょう。
フィードバックを定期的に行う
OJTでは、教えることだけでなく、振り返りの機会を設けることも重要です。
新人は自分では改善点に気付けないことも多いため、定期的にフィードバックを行うことで、良かった点や改善すべき点を整理できます。
フィードバックを行う際は、課題だけを指摘するのではなく、できている点も具体的に伝えることがポイントです。
改善点と成果の両方を伝えることで、新人は前向きに業務へ取り組みやすくなります。
また、短時間でも定期的に対話する機会を設けることで、小さな悩みや疑問にも早い段階で対応でき、教育の手戻りを防ぐことにもつながります。
▶関連記事:研修の振り返りの目的・実施方法・効果的な進め方を解説
新人が質問しやすい環境をつくる
新人が疑問をそのままにしてしまうと、誤った理解のまま業務を進めてしまい、ミスや手戻りの原因になります。
しかし、「忙しそうだから話しかけづらい」「何度も質問すると迷惑かもしれない」と感じ、質問をためらう新人は少なくありません。
そのため、教育担当者は質問を待つだけではなく、「困っていることはない?」「分からないことがあればいつでも聞いてほしい」といった声掛けを意識するとよいでしょう。
また、定期的な面談や質問時間を設けるなど、相談しやすい機会をあらかじめ用意しておくことも効果的です。
質問しやすい環境が整うことで、新人は安心して業務に取り組めるようになり、結果としてOJTの効果も高まります。
OJTに余裕がない企業にはLMSを活用した教育がおすすめ

OJTだけで新人教育を完結させようとすると、教育担当者への負担は大きくなります。
LMS(学習管理システム)を活用すれば、知識習得をオンライン化し、進捗管理や理解度確認も効率化できるため、限られた教育時間でも育成しやすい環境を構築できます。
ここでは、OJTとLMSを組み合わせるメリットを紹介します。
基礎知識を事前学習できる
OJTでは、実際の業務を通じて知識やスキルを身につけることが目的です。
しかし、ビジネスマナーや社内ルール、業務の基本知識まで現場で教えようとすると、多くの時間が必要になります。
LMSを活用すれば、こうした基礎知識を事前学習できるため、OJTでは実践的な指導に集中できます。
例えば、次のような内容はオンライン学習との相性が良いでしょう。
就業規則や社内ルール
ビジネスマナー
コンプライアンスや情報セキュリティ
業務の基本知識や専門知識
知識のインプットをオンラインで行い、現場では実践やフィードバックを中心に進めることで、教育全体の効率を高められます。
教育品質を標準化できる
OJTでは、担当者によって説明内容や教え方が異なり、教育品質にばらつきが生じることがあります。
LMSを活用して共通の教材や研修コンテンツを配信すれば、受講者全員が同じ内容を学べるため、教育品質を標準化しやすくなります。
また、教材の更新も一元的に行えるため、制度変更や業務フローの見直しがあった場合も、最新の内容を全員へ共有できます。
教育内容を担当者の経験だけに依存しない仕組みを整えることで、継続的に質の高い教育を実施しやすくなります。
受講状況や理解度を可視化できる
教育を効果的に進めるには、「誰がどこまで学習したのか」「十分に理解できているのか」を把握することが重要です。
LMSでは、受講状況や学習時間、テスト結果などを一元管理できるため、教育の進捗を客観的に確認できます。
例えば、
未受講者へのフォロー
理解度テストによる知識の定着確認
部署や職種ごとの学習状況の比較
習熟度に応じた追加教育の実施
といった対応がしやすくなります。
データをもとに教育状況を把握できるため、勘や経験だけに頼らず、効果的な育成計画を立てられる点もLMSの大きなメリットです。
教育担当者の負担を軽減できる
LMSを導入する最大のメリットの一つは、教育担当者の負担を軽減できることです。
従来は、新人が入社するたびに同じ説明を繰り返したり、受講状況を個別に管理したりする必要がありました。
しかし、LMSを活用すれば、教材の配信や進捗管理、理解度確認までを効率的に行えます。
その結果、教育担当者は基礎知識の説明ではなく、実践指導や個別フォローといったOJT本来の役割に時間を使えるようになります。
教育担当者の負担を軽減しながら、教育品質も維持できることは、OJTに十分な時間を確保できない企業にとって大きなメリットといえるでしょう。
OJTに関するよくある質問

最後に、OJTに関して企業からよく寄せられる質問をまとめました。
ここでは、現場でよくある疑問について回答します。
Q . OJTを行う時間が取れない場合は何から改善すべきですか?
A . まずは、OJT担当者の負担を減らすことではなく、教育の進め方を見直すことが重要です。
教育内容が整理されておらず、毎回ゼロから説明している状態では、担当者の負担はなかなか減りません。
まずは、教育内容や育成目標を整理し、マニュアルや教育カリキュラムを標準化しましょう。
そのうえで、基礎知識はeラーニングなどで事前学習し、OJTでは実践的な指導に集中するなど、教育方法を組み合わせることで効率化を図れます。
Q . OJTとOFF-JTはどのように使い分ければよいですか?
A . OJTとOFF-JTは、それぞれ役割が異なるため、組み合わせて実施することが効果的です。
OJTは実際の業務を通じて実践力を身につける教育方法であり、OFF-JTは研修やeラーニングなどを通じて知識や理論を体系的に学ぶ教育方法です。
例えば、ビジネスマナーや社内ルール、コンプライアンスなどはOFF-JTで学び、その後、実務を通じてOJTで知識を定着させるという流れが一般的です。
それぞれの特徴を生かして役割分担することで、教育担当者の負担を抑えながら、効率的に人材育成を進められます。
▶関連記事:OJTとOFF-JTの違いは?それぞれのメリットやポイントを解説
Q . 教育担当者の負担を減らす方法はありますか?
A . 教育担当者の負担を軽減するには、担当者個人に頼るのではなく、組織全体で教育を支える仕組みを整えることが重要です。
例えば、次のような取り組みが効果的です。
教育内容やマニュアルを標準化する
動画やeラーニングを活用して基礎教育を効率化する
LMSで受講状況や進捗を管理する
OJT担当者を複数人で分担する
教育時間を業務計画に組み込む
教育の仕組みを整えることで、同じ説明を繰り返す負担や管理業務を減らし、担当者は実践指導や個別フォローに集中しやすくなります。
Q . OJTを標準化するにはどのようなツールが役立ちますか?
A . OJTを標準化するには、教育内容を共有・管理できるツールを活用することが有効です。
代表的なものとしては、次のようなツールがあります。
動画マニュアル:作業手順や業務内容を分かりやすく共有できる
LMS(学習管理システム):教材配信や受講状況、理解度を一元管理できる
チェックリスト:習熟度や教育の進捗を可視化できる
これらを組み合わせることで、担当者による教育品質のばらつきを抑えながら、継続的に改善できる教育体制を構築しやすくなります。
まとめ
OJTをする余裕がない原因は、担当者の忙しさだけではありません。
教育体制やマニュアルの未整備、育成の属人化、教育時間を確保しにくい組織体制など、さまざまな要因が重なって発生しています。
こうした課題を解決するには、教育内容の標準化や役割分担の見直しに加え、動画やeラーニング、LMSなどを活用して教育を仕組み化することが重要です。
担当者だけに負担を集中させない環境を整えることで、教育の質を維持しながら効率的な人材育成を実現できます。
OJTの効率化には「SAKU-SAKU Testing」
OJTの負担を軽減しながら教育品質を向上させたい場合は、eラーニングプラットフォーム「SAKU-SAKU Testing」の活用がおすすめです。
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さらに、教育担当者の声をもとに設計されたシンプルで直感的な操作画面を採用しているため、初めてLMSを導入する企業でもスムーズに運用を開始できます。
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