「研修は意味ない」と言われる理由とは?研修の効果を最大化するポイントを紹介

企業の人材育成に欠かせない研修ですが、現場や受講者から「正直、研修は意味ない」「効果を感じられない」といった声が上がることも少なくありません。
しかし、多くの場合、研修そのものが無意味なのではなく、設計や運用の前提条件が欠けていることが原因です。
本記事では、研修が「意味ない」と評価されてしまう理由を整理し、研修効果を高めるための考え方や具体的なやり方を解説していきます。
目次[非表示]
- 1.研修は「意味ない」と言われる主な理由
- 1.1.研修の目的が曖昧なまま実施されている
- 1.2.研修が業務と結びつく設計になっていない
- 1.3.受講者に「なぜ自分が受けるのか」が伝わっていない
- 1.4.受講者のレベルや課題を考慮せず一律で実施している
- 1.5.知識提供に偏り、実践・アウトプットが不足している
- 1.6.研修後のフォローや定着施策がない
- 2.「意味のある研修」に変えるための考え方
- 3.研修効果を高める具体的な手法
- 3.1.アウトプットを前提に設計する
- 3.2.OJTと連動させる
- 3.3.フォローアップ・振り返りを組み込む
- 3.4.マイクロラーニングを活用する
- 3.5.eラーニング・ブレンディッドラーニングを活用する
- 4.「意味がないから研修をやらない」ことのリスク
- 4.1.人材育成が属人化するリスク
- 4.2.組織に知見が残らない
- 4.3.若手・中堅社員の成長機会を失う
- 5.まとめ
研修は「意味ない」と言われる主な理由

研修が「意味がない」と感じられる背景には、研修の価値そのものではなく、本来押さえるべき前提条件を欠いたまま実施されているケースが多く見られます。
ここでは、研修が機能するために必要な要素と、それが不足した場合に起こりやすい問題を整理します。
研修の目的が曖昧なまま実施されている
研修の目的が明確でないまま実施されると、「何のための研修なのか」が受講者にも伝わらず、研修効果は期待できません。
「スキルを身につける」「意識を高める」といった抽象的な目的だけでは、研修後にどのような行動や成果を求めているのかが不明確になり、結果として研修が“形骸化”してしまいます。
研修を意味あるものにするためには、研修後にどのような状態になってほしいのかを具体的に定義することが欠かせません。
研修が業務と結びつく設計になっていない
研修は「学ぶこと」自体がゴールではなく、業務に活かされて初めて価値が生まれるものです。
しかし、実務と切り離された内容や、現場で使うイメージが湧かない研修では、「勉強にはなったが仕事では使えない」という評価につながりやすくなります。
研修内容は、現場の業務課題や求める成果から逆算して設計することが重要です。
受講者に「なぜ自分が受けるのか」が伝わっていない
受講者が研修の必要性を理解していない場合、研修は「やらされ感」の強いものになります。
自分の業務やキャリアとどう関係するのかが見えなければ、主体的に学ぼうという意識は生まれません。
研修効果を高めるためには、「なぜこの研修を受けるのか」「受けることで何が変わるのか」を事前に丁寧に伝えることが前提条件となります。
受講者のレベルや課題を考慮せず一律で実施している
受講者の経験やスキルレベルに関係なく、一律の内容で研修を行うと、「簡単すぎて意味がない」「難しすぎてついていけない」といった不満が生まれやすくなります。
研修効果を高めるには、受講者の課題やレベルに応じて内容を調整し、必要な学びを必要な人に届ける設計が求められます。
知識提供に偏り、実践・アウトプットが不足している
座学中心で知識をインプットするだけの研修では、学んだ内容が定着しにくく、実務で活かされないケースが多くなります。
研修効果を高めるためには、演習やケーススタディなどを通じて、学んだ内容を使う機会(アウトプット)を組み込むことが重要です。
知識を「知っている状態」から「使える状態」へと引き上げる設計が求められます。
研修後のフォローや定着施策がない
研修を実施して終わりにしてしまう、いわゆる「やりっぱなし」の状態では、研修効果は一時的なものにとどまります。
研修後に振り返りや実践の機会、フォローアップが用意されていないと、「結局、意味がなかった」という評価につながりがちです。
研修を意味あるものにするためには、研修後まで含めた一連の設計が欠かせません。
▶関連記事:eラーニングは意味ない?失敗原因と対策を徹底解説
「意味のある研修」に変えるための考え方

研修効果を高めるには、研修内容や形式を工夫するだけでは不十分です。重要なのは、「どのような考え方で研修を設計しているか」という設計の軸そのものです。
ここでは、意味のある研修に共通する基本的な考え方を整理します。
研修の目的と成果を明確にする
意味のある研修に共通しているのは、目的と期待する成果が明確に定義されている点です。
「スキルを高める」「意識を変える」といった抽象的な表現だけでは、研修後に何をもって成果とするのかが曖昧になってしまいます。
研修を設計する際は、次の観点から目的と成果を具体化することが重要です。
研修後に受講者ができるようになってほしいこと
業務上、どの行動や成果につながるのか
目的と成果を明確にすることで、研修内容や進め方のブレを防ぎやすくなります。
▶関連記事:社内研修の主な目的は?目的達成のポイントとプログラム例をご紹介
業務課題から逆算して研修を設計する
研修は、学習そのものが目的ではなく、業務上の課題を解決するための手段です。
そのため、先に研修内容を決めるのではなく、現場で起きている課題や不足しているスキルを洗い出し、そこから逆算して研修を設計する必要があります。
業務課題と研修内容が明確につながっている研修は、受講者にも「なぜ学ぶのか」が伝わりやすく、研修効果を実感しやすくなります。
知識習得+行動変容をゴールに設定する
研修効果を考える際、「知識を身につけたかどうか」だけで判断してしまうと、研修は意味のないものになりがちです。
本来目指すべきゴールは、知識を活かして行動が変わることにあります。
研修では、次の流れを意識することが重要です。
知識を理解する
業務でどう使うかを考える
実際の行動につなげる
行動変容までをゴールとして設計することで、研修は実務に直結するものになります。
受講者が主体的に学べる環境をつくる
研修を受け身の姿勢で受講している状態では、十分な効果は期待できません。
意味のある研修にするためには、受講者自身が考え、参加し、学びを自分ごととして捉えられる環境づくりが欠かせません。
例えば、
意見交換や演習を取り入れる
自身の業務に当てはめて考える機会を設ける
学習ペースや内容に一定の選択肢を持たせる
といった工夫により、研修は「やらされるもの」から「自ら学ぶもの」へと変わっていきます。
研修効果を高める具体的な手法

研修を「意味あるもの」に変えるには、考え方だけでなく、実際の設計や運用にどう落とし込むかが重要です。
ここでは、人事・教育担当者が比較的取り入れやすく、研修効果を高めやすい具体的な手法や設計のポイントを紹介します。
アウトプットを前提に設計する
研修効果を高めるうえで重要なのが、最初からアウトプットを前提に研修を設計することです。
講義中心の研修では、「理解したつもり」で終わってしまい、実務に活かされないケースが多くなります。
演習やケーススタディ、実践課題を組み込むことで、
学んだ内容をどう使うか考える
自身の業務に当てはめる
といったプロセスが生まれ、知識が定着しやすくなります。アウトプットを通じて、研修内容を「使える状態」に近づけることが重要です。
OJTと連動させる
研修単体で完結させず、OJTと連動させる設計も研修効果を高めるポイントです。
研修で学んだ内容を、現場で実際に試す機会を用意することで、学習と業務がつながりやすくなります。
例えば、
研修後に実践テーマを設定する
上司や先輩が実践状況を確認する
といった仕組みを取り入れることで、研修が一過性のイベントではなく、業務改善につながる取り組みになります。
▶関連記事:OJT研修のポイントやメリットについて解説
フォローアップ・振り返りを組み込む
研修後のフォローや振り返りを設計していない場合、研修効果は時間とともに薄れてしまいます。
意味のある研修にするためには、研修後までを含めた設計が欠かせません。
フォローアップの例としては、
研修内容の振り返り
実践結果の共有
追加課題や再学習の機会
などが挙げられます。これらを通じて、学習内容を定着させ、行動変容につなげることができます。
マイクロラーニングを活用する
一度に多くの内容を学ばせる研修では、理解や記憶が追いつかず、研修効果が下がることがあります。
そこで有効なのが、短時間・少量で学ぶマイクロラーニングの考え方です。
学習内容を細かく分け、必要なタイミングで繰り返し学べるようにすることで、
学習の負担を軽減できる
知識の定着率を高めやすい
といった効果が期待できます。
特に、業務の合間に学習する場合に相性の良い手法です。
▶関連記事:マイクロラーニングは学習効果が高い!活用のポイントを紹介
eラーニング・ブレンディッドラーニングを活用する
研修効果を高める手法として、eラーニングや集合研修を組み合わせたブレンディッドラーニングも有効です。
eラーニングを活用することで、受講者のレベルや理解度に応じた学習がしやすくなり、研修のムダを減らすことができます。
また、
事前学習をeラーニングで行う
研修後の復習・フォローに活用する
といった使い方をすることで、集合研修の効果を高めることにもつながります。
研修の目的や対象者に応じて、最適な学習手法を組み合わせることが重要です。
▶関連記事:eラーニングとは?活用例やメリット・デメリットをわかりやすく解説
▶関連記事:ブレンディッドラーニングとは?企業研修で成果を出す仕組みと導入・設計のポイントを徹底解説
「意味がないから研修をやらない」ことのリスク

研修の効果が見えづらいことを理由に、研修そのものをやめてしまう企業も少なくありません
しかし、研修を実施しない判断は、短期的には工数やコストの削減につながる一方で、中長期的には組織や人材に別のリスクをもたらす可能性があります。
ここでは、研修を行わないことで生じやすい代表的なリスクを整理します。
人材育成が属人化するリスク
研修を行わない場合、人材育成は現場や上司個人の裁量に委ねられやすくなります。
その結果、指導内容や育成レベルにばらつきが生じ、「誰の下につくか」によって成長スピードや習得スキルが大きく変わってしまいます。
育成の属人化が進むと、組織として一貫性のある人材育成を行うことが難しくなります。
組織に知見が残らない
体系的な研修がない状態では、知識やノウハウが個人の経験に依存し、組織全体に蓄積されにくくなります。
その結果、成果を出せる人材が限られ、成功事例を他のメンバーに展開できない組織になりがちです。
研修は、知見を組織に残し、再現性のある成果を生み出すための仕組みでもあります。
若手・中堅社員の成長機会を失う
研修機会が十分に用意されていない環境では、若手・中堅社員が自身の成長イメージを描きにくくなります。スキルアップの道筋が見えない状態は、モチベーションの低下や将来不安につながり、結果として離職リスクを高める要因にもなります。
研修は、社員に成長の機会を示し、組織への定着を促すうえでも重要な役割を担っています。
まとめ
研修が「意味ない」と感じられるのは、目的や成果が明確でないまま行われたり、業務との関連性が弱かったりすることが主な原因です。また、受講者のレベルや課題に合わせず一律で進めると、やる気が生まれず効果も薄くなります。
意味のある研修にするには、目的を具体化し、業務課題から逆算して設計すること、そして学んだ知識を実務で活かせるようアウトプットや振り返りの機会を組み込むことが重要です。
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「研修が意味ない」と感じている方こそ、研修設計と仕組みを見直し、効果につながる教育施策を検討してみてはいかがでしょうか。


















