
人間力とは?仕事で輝く人の特徴と身につけ方を解説
人間力とは、社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力と定義されます。
ビジネスシーンにおいては、専門知識やスキルだけでなく、この人間力が仕事の成果を大きく左右するものです。
本記事では、人間力の意味や3つの構成要素、人間力が高い人の特徴を解説し、日々の生活で実践できる人間力の磨き方をご紹介します。
目次[非表示]
- 1.人間力とは?社会で活躍するために必要な総合的な力
- 2.人間力を構成する3つの基本的な要素
- 3.仕事で成果を出す!人間力が高い人の5つの共通点
- 3.1.最後まで責任をもって仕事に取り組む
- 3.2.常にポジティブな姿勢で周囲を前向きに導く
- 3.3.感情に左右されず冷静な判断ができる
- 3.4.相手の立場を尊重し、思いやりのある行動ができる
- 3.5.自身の強みと弱みを客観的に把握している
- 4.なぜ仕事において人間力が求められるのか?
- 5.今日から実践できる!人間力を高めるための具体的な習慣
- 5.1.1日の終わりに自分の行動を振り返る時間を作る
- 5.2.多様なジャンルの本を読んで視野を広げる
- 5.3.未経験の分野にも積極的に挑戦する
- 5.4.周囲の人への感謝と謙虚な気持ちを忘れない
- 5.5.尊敬できる人の考え方や行動から学ぶ
- 6.まとめ
- 7.社員のスキルアップ研修にeラーニングプラットフォーム「SAKU-SAKU Testing」をご活用ください
人間力とは?社会で活躍するために必要な総合的な力
人間力とは、社会で自立して生きていくために必要な総合的な能力を意味します。
内閣府は、2003年に発表した「人間力戦略研究会報告書」の中で、人間力の定義を「社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」としています。
これは、簡単に言い換えると「生きる力」そのものであり、人としての魅力や人間性、人柄といった要素も含まれます。
専門知識やスキルといった技術的な能力だけでなく、社会の中で他者と良好な関係を築き、目標に向かって主体的に行動する力が、人間力だといえるでしょう。
人間力を構成する3つの基本的な要素
内閣府の報告書では、人間力の種類は大きく3つの要素から構成されると示されています。
具体的には、物事を論理的に考える「知的能力的要素」、他者と協力して関係を築く「社会・対人関係力的要素」、そして自らを律して行動する「自己制御的要素」の3つです。
これらの要素はそれぞれ独立しているわけではなく、互いに影響し合いながら総合的な人間力を形作っています。
これら3つの要素について詳しく解説します。
論理的思考や探求心といった知的スキル
人間力を構成する一つ目の要素は、知的能力要素です。
これは、学校教育で得られる知識だけでなく、論理的思考力や問題解決能力、創造性といった、物事の本質を理解し応用するスキルを指します。
未知の課題に直面した際に、これまでの経験や知識を基に解決策を導き出したり、常に新しいことを学ぼうとする探求心や研究への姿勢もこの要素に含まれます。
表面的な情報に惑わされず、物事を多角的に分析し、本質を見抜く力は、変化の激しい現代社会で活躍するための基盤となる能力です。
円滑な人間関係を築くコミュニケーション能力
二つ目の要素は、社会・対人関係力を指し、その中核をなすのがコミュニケーション能力です。
これは、単に話がうまいということではなく、他者の意見や感情を正確に理解し、自分の考えをわかりやすく伝える能力を意味します。
他者への共感や思いやりをもち、異なる価値観をもつ人とも協力して良好な人間関係を築く力、そしてチームをまとめて目標達成に導くリーダーシップも含まれます。
円滑なコミュニケーションは、組織内での協力を促し、信頼関係を構築する上で不可欠なスキルです。
目標達成に向けて自分を律する自己管理能力
三つ目の要素は、自己制御に関する能力です。
これには、目標達成に向けて自身の意欲や情熱を維持し、行動を継続する力が含まれます。
困難な状況に直面しても諦めない忍耐力や、感情の浮き沈みをコントロールし、やるべきことに集中する自己マネジメント能力が求められます。
自分の掲げた目標や社会的な規範に沿って、自身の行動を適切に律することができる力は、継続的な成長と目標達成を実現するための重要な土台となります。
仕事で成果を出す!人間力が高い人の5つの共通点
具体的に人間力が高い人とはどのような人物なのでしょうか。
人間力が高い人には、職種や役職を問わず共通する特徴が見られます。
人間力の高い人は、その能力や人としての魅力によって周囲から信頼され、多くの仕事の機会に恵まれる傾向があります。
ここでは、仕事で成果を出す人間力が高い人の特徴として、代表的な5つの例を挙げて解説します。
最後まで責任をもって仕事に取り組む
人間力が高い人は、非常に強い責任感をもっています。
一度引き受けた仕事は、途中で困難な壁にぶつかったとしても、決して投げ出すことなく最後までやり遂げようとします。単に作業を完了させるだけでなく、その結果に対しても責任をもつ姿勢は、周囲からの厚い信頼につながります。
このような責任感の強さがあるからこそ、重要なプロジェクトや難しい役割を任されることが多くなり、さらなる成長の機会を得ることができます。
この粘り強さと誠実な態度は、ビジネスにおける信頼関係の礎となります。
常にポジティブな姿勢で周囲を前向きに導く
常に前向きでポジティブな姿勢を保っている点も、人間力が高い人の特徴です。
彼らは難しい状況や問題に直面した際にも、それを乗り越えるべき機会と捉え、意欲的に取り組みます。このようなポジティブな態度は、個人のパフォーマンスを高めるだけでなく、周囲のメンバーにも伝播し、チーム全体の士気を向上させる効果があります。
その結果、自然と周囲の人々を前向きに導き、目標達成に向けて協力する体制を築くことができます。
この力は、リーダーやリーダーシップを発揮する立場にある人物にとって特に重要な資質です。
感情に左右されず冷静な判断ができる
人間力が高い人は、感情のコントロールに長けています。
予期せぬトラブルが発生したり、強いプレッシャーがかかる場面でも、冷静さを失うことがないため、客観的な事実に基づいた論理的な判断を下せます。
感情的になってしまうことがない人は、安定したパフォーマンスを発揮し、周囲に安心感を与える存在となります。
衝動的な言動で人間関係を損なったり、誤った意思決定をしたりするリスクが低く、常に最適な行動を選択できる自己管理能力は、ビジネスにおいて極めて重要な能力です。
相手の立場を尊重し、思いやりのある行動ができる
他者への配慮ができることも、人間力が高い人の重要な特徴です。
彼らは、自分の意見を一方的に押し付けるのではなく、相手の立場や考え方を尊重し、真摯に耳を傾ける謙虚な姿勢をもっています。相手への思いやりを忘れず、常に敬意をもって接するため、自然と良好な人間関係を築くことができます。
このような態度は、チーム内の円滑なコミュニケーションを促進し、取引先との信頼関係を深める上でも不可欠です。
相手の気持ちを察し、思いやりのある行動がとれることは、人としての魅力の根幹をなす要素です。
自身の強みと弱みを客観的に把握している
人間力が高い人は、自己分析能力に優れており、自分自身のことを客観的に理解しています。自身の得意なことや強みを正確に把握し、それを仕事でどのように活かせば最大の成果を出せるかを考えて行動します。
同時に、自分の苦手なことや弱みも認識しており、それを克服するための努力を怠りません。
必要であれば、他者の協力を素直に仰ぐこともできます。
このように自分を客観視できる能力が、自身の能力を最大限に引き出し、継続的な成長を促す基盤となっています。
なぜ仕事において人間力が求められるのか?
近年、多くの企業や経営者が、専門スキル以上に人間力を重視する傾向にあります。
AI技術が発展し、定型的な業務が自動化される中で、人間にしかできない価値創造が求められているからです。社長や経営者はもちろん、教員のような専門職や、転職市場においても、人間力は個人の市場価値を左右する重要な要素となっています。
ここでは、なぜ現代の仕事において人間力が必要とされるのか、その理由を3つの側面から解説します。
社内外からの信頼を得て良好な関係を築くため
仕事は、同僚や上司、顧客や取引先など、多くの人々との関わりの中で進められます。
これらの関係者から信頼を得ることは、ビジネスを円滑に進める上で不可欠な要素です。
誠実さ、責任感、他者への配慮といった人間力は、この信頼関係の土台を築きます。
専門的な知識やスキルが高くても、信頼できなければ重要な仕事を任せてもらえません。
人間力を高めることで、周囲からの協力を得やすくなり、長期的に良好なパートナーシップを構築することが可能になります。
チームの生産性を高め、円滑な業務遂行を促すため
多くの仕事は個人ではなく、チームで行われます。
チームとして高い成果を出すためには、メンバー同士が円滑に連携し、協力し合うことが不可欠です。協調性やコミュニケーション能力、リーダーシップといった人間力は、チーム内の潤滑油として機能します。人間力が高いメンバーは、互いの意見を尊重し、建設的な議論を通じて課題解決を図ることができます。
個々のスキルアップも重要ですが、チーム全体の相乗効果を生み出し、組織全体の生産性を向上させるためには、人間力が欠かせません。
予測不能な変化にも柔軟に対応できる人材になるため
現代のビジネス環境は、技術革新や市場の変化が激しく、将来の予測が困難な時代です。
このような状況では、過去の知識や経験だけでは対応できない新たな課題が次々と発生します。
探求心をもって学び続ける姿勢や、未知の状況にも前向きに取り組むチャレンジ精神、そして困難を乗り越える忍耐力といった人間力は、変化に柔軟に対応する上で不可欠です。
自ら課題を発見し、主体的に行動できる人材は、変化を乗り越えるだけでなく、それを新たな成長のチャンスとして捉えることができます。
今日から実践できる!人間力を高めるための具体的な習慣
人間力は、特別な研修や教育を受けなければ身につかないものではありません。
むしろ、日々の生活における少しの意識と行動の積み重ねによって、着実に高めることが可能です。人間力を高めるには、自分自身と向き合い、他者との関わり方を意識することが重要です。
ここでは、人間力の向上や育成に役立つ、今日からでも実践できる具体的な鍛え方や習慣を5つ紹介します。
1日の終わりに自分の行動を振り返る時間を作る
人間力を高めるためには、まず自分自身を客観的に理解することが第一歩です。
そのためには、1日の終わりに数分でも良いので、その日の自分の言動や判断を振り返る習慣をもつことが有効です。なぜあのとき、あのような発言をしたのか、もっと良い対応はできなかったか、などと自問自答するのです。
この内省のトレーニングを繰り返すことで、自分の思考の癖や感情のパターンに気づき、改善点が見えてきます。
日々の小さな振り返りが、自己認識を深め、より良い行動を選択する力を養います。
多様なジャンルの本を読んで視野を広げる
読書は、多様な価値観や知識に触れ、自身の視野を広げるための手軽で効果的な方法です。
ビジネス書や専門書だけでなく、歴史、哲学、文学、あるいは漫画といった異なるジャンルの本を幅広く読むことをおすすめします。
例えば、『論語』のような古典からは、時代を超えて通用する人間関係の知恵を学ぶことができます。
多様な視点を得ることで、物事を多角的に捉える力が養われ、思考の深みが増します。
これが知的探求心を満たし、人間力の構成要素である知的能力を高めることにつながります。
未経験の分野にも積極的に挑戦する
自分の慣れ親しんだ領域から一歩踏み出し、新しいことに挑戦する経験は、人間力を大きく成長させます。これまで経験したことのない業務に自ら手を挙げたり、社外のセミナーや異業種交流会に参加したりするのも良いでしょう。初めての挑戦では失敗や困難が伴うかもしれませんが、その経験こそが問題解決能力や忍耐力を鍛えます。
新しい環境に身を置くことで、新たな人脈が広がり、自分自身の可能性を発見する機会にもなります。
周囲の人への感謝と謙虚な気持ちを忘れない
仕事が成功するのは、自分の力だけでなく、同僚や上司、家族など、多くの人々の支えがあってこそです。そのことを常に忘れず、周囲の人々に対する感謝の気持ちを言葉や行動で示す習慣をつけましょう。
「ありがとうございます」と伝えることはもちろん、相手の意見に謙虚に耳を傾ける姿勢も重要です。自分一人の力で成し遂げられることには限界があることを認識し、他者への敬意と感謝をもつことで、より良い人間関係が築かれ、人としての魅力も高まります。
尊敬できる人の考え方や行動から学ぶ
自分の周りにいる上司や先輩、あるいは歴史上の人物など、自分が「こうなりたい」と尊敬できるロールモデルをみつけることは、成長の近道です。
その人がなぜ周囲から評価されているのか、その言動や仕事への取り組み方を注意深く観察し、良いと思った点を真似てみましょう。
機会があれば、直接その人の考え方や価値観について話を聞くのも有効です。
具体的な目標となる人物がいることで、自分の目指すべき姿が明確になり、日々の行動の指針となります。
他者から学ぶ姿勢が、自己評価を見直し、成長を加速させます。
まとめ
本記事では、人間力の定義からその構成要素、人間力が高い人の特徴、そして具体的な高め方について解説しました。
人間力とは知的能力、社会・対人関係力、自己制御能力という3つの要素からなる総合的な力です。
仕事で成果を出す人は、責任感が強く、ポジティブな姿勢で、他者への配慮ができるといった共通点をもっています。
人間力は一朝一夕に身につくものではありませんが、日々の行動を振り返る、多様な本を読む、新しいことに挑戦するといった習慣を意識的に続けることで、誰でも着実に向上させることが可能です。
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