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昇格試験における昇格基準や試験の実施方法について解説

昇格試験は従業員のスキルを適正に評価し、等級を判断するための試験です。頑張りに応じて昇格できる機会を提供することは、従業員のモチベーションを高め、組織力を向上させるための重要な要素でもあります。それゆえ、昇格試験は透明性と公平性を確保し、慎重に行う必要があります。
 
どのような点に注意して昇格試験を行なったら良いか分からないという方に向けて、今回は、昇格試験の実施における昇格基準や試験の実施方法について解説します。

目次[非表示]

  1. 1.昇格試験が組織力向上に欠かせない理由
  2. 2.昇格試験の実施形式
    1. 2.1.筆記試験
    2. 2.2.面接
    3. 2.3.論文
    4. 2.4.人材アセスメント
  3. 3.昇格試験を実施する5つのポイント
    1. 3.1.評価に偏りが出ないようにする
    2. 3.2.試験に落ちた従業員には丁寧にフィードバックする
    3. 3.3.本人に点数や評価基準を公表する
    4. 3.4.昇格試験をCBT方式で実施する
    5. 3.5.昇格試験の事前と事後にeラーニングを活用する
  4. 4.まとめ

昇格試験が組織力向上に欠かせない理由


昇格試験は従業員の能力と適性を評価し、最適なポジションに配置するための手段です。これにより従業員は自分の強みを活かし、より効果的に業務に取り組めます。また、昇格試験によるフィードバックを得ることで、自身の強みや弱みを知り、成長するために何をすべきかが明確になります。
 
昇格試験は能力や実績に基づいて昇進の機会が提供されるため、従業員を公平かつ客観的に評価する機会であるといえます。
 
従業員全員が平等に昇進できる機会があるということは、競争力の向上にもつながります。ほかの同僚と競い合うことで、結果的に組織力が向上するでしょう。


昇格試験の実施形式


まずは、昇格試験の形式についてご紹介します。

筆記試験

昇格試験のスタンダードな方法のひとつが、筆記試験です。選択肢式の質問、記述式の質問、ケーススタディなどが挙げられます。昇格試験で行うテストでは、以下のような問題が出題されます。
 
・業界の専門的な知識
・業界に関連する法律
・マネジメント(労務管理、アサーション、コーチング)
・コンプライアンス違反を防ぐマネジメント
・企業理念
・企業ブランディング
 
筆記試験は、後述する面接とセットで行われることが多い傾向にあります。
 
筆記試験で評価するポイントは次の3つです。


論理的思考力

要点を端的にまとめ、読み手が分かりやすいように文章を構成できているか

課題発見力

与えられたテーマの本質を見極め、制限時間内に課題を的確に認識できているか

多角的視点

与えられたテーマに対して、表面的な要素だけでなく多角的に捉えて認識しようとしているか

面接

昇格試験の最終段階でよく用いられるのが面接です。面接官は通常、人事担当者、上司、部門リーダー、経営者、役員などから選ばれます。複数の面接官が関与することも少なくありません。
 
面接官は昇格候補者に対して多角的な質問をします。候補者の経験、スキル、リーダーシップ、ビジョンなどを見極める質問を行い、昇格に値するかを判断します。
 
面接で評価するポイントは次の4つです。


実績

これまでの実績や取り組みから、問題解決能力や適切な業務計画を立てるスキルがあるかを判断する

決断力

あらゆる情報をもとに意思決定できる能力や、業界・企業の動向を読み取るスキルがあるかを判断する

マネジメントスキル

目標を達成するための適切なリソース配分やリスク管理ができるかを判断する

ストレス耐性

所属上司からの要求を1人で抱え込もうとせず、優先順位を明確にして適切に支持をするなど適切な対処ができるか判断する

論文

昇格試験の論文は、論理的思考力や課題発見力、研究力を見極めるために行われます。
 
論文のテーマは業種や職位に応じて異なります。例えば、プロジェクトマネージャーが昇格を希望する場合、プロジェクト管理スキルの向上に関する論文をテーマにします。
 
一般的な論文の評価基準には、研究の質、論理性、解決策の妥当性、文書の構造と表現、専門知識の有無などが含まれます。面接と同様に、評価者によって評価が分かれやすいため公平性を保つように注意が必要です。
 
論文で評価するポイントは次の3つです。


論理的思考力

要点を端的にまとめ、読み手が分かりやすいように文章を構成できているかを判断する

課題発見力

与えられたテーマの本質を見極め、制限時間内に課題を的確に認識できているかを判断する

多角的視点

与えられたテーマに対して、表面的な要素だけでなく多角的に捉えて認識しようとしているかを判断する


人材アセスメント

人材アセスメントは組織外の第三者に自社の従業員を評価してもらい、効果的な人材配置を行う方法です。候補者のスキル、能力、リーダーシップ資質など、適性を客観的に判断するのに役立ちます。ダイバーシティ(多様性)が重視される昨今では、人材アセスメントを取り入れている企業が増えています。
 
人材アセスメントの代表的な手法には、適性検査やアセスメント研修などが挙げられます。アセスメント研修は、実際の業務状況と似た状況をつくり、候補者がどのような行動を取るか評価する手法です。人材に詳しい専門家が評価するため、アセスメント効果が高いとされています。

昇格試験を実施する5つのポイント

昇格試験を実施するには一定のリソースが必要で、規模の大きい会社ほど昇格試験の計画と実施に手間がかかります。
 
最後に、公平性を担保しつつ効率的に昇格試験を実施するためのポイントを5つご紹介します。

評価に偏りが出ないようにする

 昇格試験は評価者の主観が入らないように注意が必要です。とくに面接では面接官の個人的な感情が入りやすく、評価に偏りが出やすくなります。公平性の欠けた昇格試験を行うと従業員の不満につながるため、評価基準を明確にし、公正な審査を行う仕組みを構築しましょう。

試験に落ちた従業員には丁寧にフィードバックする

昇格試験は合格者もいれば不合格者も一定数います。試験に落ちた従業員のモチベーションが下がらないよう、どのスキルや知識が不足しているのか、どのように改善したら良いかなど、具体的かつ丁寧なフィードバックを心がけてみてください。

本人に点数や評価基準を公表する

昇格試験の透明性と公平性を確保するためにも、試験対象者に点数や評価基準などを公表することが大事です。社内のみで行われる昇格試験はブラックボックス化してしまいやすく、試験対象者のモチベーションを削いでしまう原因になりかねません。
 
ルーブリック(評価基準を詳細に説明した表)を導入するなどして、試験の透明性を高めましょう。また、定期的に評価基準を見直すことも大切です。

昇格試験をCBT方式で実施する

昇格試験をCBT方式で実施すると効率的かつ効果的です。CBTとは、Computer Based Testingの略称で、コンピュータを利用して実施する試験方式を指します。受験者はコンピュータに表示された試験問題に対して、マウスやキーボードを用いて解答します。
 
CBT方式での昇格試験は、企業側の労力やコストを削減できる点がメリットです。とくに、筆記試験を行う場合は、問題や解答用紙の印刷、会場の手配などが必要です。試験官の手配やスケジュール管理、手作業での採点など、多くの手間がかかります。
 
CBT方式であれば対象者に合わせた試験問題のカスタマイズも可能で、効率的に実施できるでしょう。また、候補者は自分の都合の良いスケジュールに合わせて受験できます。
 
テストの採点や結果の管理も簡単に行えて、不合格者に再試験の通知をすることも可能です。
 
昇格試験のCBT化を検討するなら、イー・コミュニケーションズの「MASTER CBT PLUS」がおすすめです。問題のシャッフルやランダムも可能で、多様な試験が作成できます。あわせてリモート監視サービスの「Remote Testing」を実装すれば、不正防止対策も徹底できます。
 
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昇格試験の事前と事後にeラーニングを活用する

昇格試験の前にeラーニングを活用することで、候補者は昇格試験合格に必要なスキルや知識を学習することができます。また、昇格試験後もeラーニングを活用すれば、スキルを継続的に磨くことが可能です。
 
eラーニングは受講者に合わせて出題傾向を変えられるため、残念ながら昇格試験に落ちてしまった場合でも、結果に応じて苦手な部分を集中的に学習できます。
 
イー・コミュニケーションズの「SAKU-SAKU Testing(サクサクテスティング)」は、導入者数累計1,500社を誇るeラーニングプラットフォームです。動画、スライドなどコンテンツを組み合わせてコースを作成できるため、自由度が高い点が魅力です。テスト実施後は問題分類ごとの正答率やレーダーチャートを表示させることも可能で、一人ひとりの傾向を把握するのに役立ちます。
 
昇格試験と組み合わせる場合の運用方法についても支援いたしますので、初めて導入する企業様でも安心してお使いいただけます。

まとめ

 昇格試験は従業員の能力と適性を評価し、適切なポジションに配置するための手段です。また、従業員にとって成長する機会であり、企業にとっては組織力アップに欠かせません。
 
昇格試験を実施する形式はさまざまありますので、貴社の求める人材や企業理念などに応じて、適切な方法を選びましょう。
 
また、昇格試験を実施する際は透明性と公平性を確保し、評価に偏りが出ないように気をつけることが重要です。

 

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