eラーニングの流しっぱなし・不正受講を防ぐには?2025年最新調査から見えた実態と効果的な対策

新入社員研修や管理職向け研修、あるいはコンプライアンスや情報セキュリティなどの専門的な知識を習得するための教育手段として、eラーニングを活用している企業が増えています。時間や場所を問わず受講できる利便性の高さが魅力ですが、一方で教育担当者からは「本当に受講しているのか」「動画を流しっぱなしにしているだけではないか」といった悩みの声が絶えません。
形だけの「受講済み」では、期待される学習効果や行動変容は得られず、最悪の場合は企業に重大なリスクをもたらす可能性もあります。本記事では、2025年最新の「eラーニングの不正受講に関する意識調査」のデータをもとに、企業が抱える不正受講の実態と懸念を紐解きます。さらに、受講者がなぜ「流しっぱなし」をしてしまうのかという根本原因に迫り、システム面と運用・コンテンツ面の両軸から、効果的な不正受講対策について徹底的に解説します。
▼調査レポートダウンロード:eラーニングの不正に関する定点意識調査
目次[非表示]
- 1.【2025年最新データ】担当者が感じるeラーニングの不正受講の実態と懸念
- 1.1.約6割の担当者が不正受講に「心配あり」と回答
- 1.2.半数以上の企業で実際の不正やその疑いが発生
- 1.3.実際に発生した不正のトップは「受講の代行」と「解答の共有」
- 1.4.懸念される問題の第1位は「受講の効果が薄くなる」
- 2.なぜeラーニングは「流しっぱなし」にされるのか?
- 3.流しっぱなし受講が企業にもたらす深刻な影響
- 4.企業の不正受講対策はどうなっている?
- 5.形式的な「受講完了」から「行動変容」へ!抜本的な解決策
- 6.リアルタイムで不正を防止するAI監視システム「サクテスAIMONITOR」
- 6.1.「サクテスAIMONITOR」とは
- 6.1.1.高度な本人認証(eKYC)
- 6.1.2.受講中のリアルタイムAI監視
- 6.2.「サクテスAIMONITOR」を導入する3つのメリット
- 6.2.1.不正受講の強力な抑止とオンライン化の促進
- 6.2.2.「SAKU-SAKU Testing」とのスムーズな連携
- 6.2.3.ブラウザのみで完結する手軽さ
- 6.3.どのような場面で活用できるか
- 7.まとめ
【2025年最新データ】担当者が感じるeラーニングの不正受講の実態と懸念

eラーニングを導入したものの、手軽であるからこそ「本当に知識が定着しているのか」という不安は多くの教育担当者が抱えています。
株式会社イー・コミュニケーションズがeラーニング研修を導入している企業の人事・総務担当者100名を対象に実施した「eラーニングの不正に関する定点意識調査2025」から、その実態を見ていきましょう。
約6割の担当者が不正受講に「心配あり」と回答
同調査において、「お勤め先のeラーニング運用にあたり、不正受講の心配を感じたことがありますか」と尋ねたところ、「とてもある」が26.0%、「ややある」が32.0%という結果になりました。 この2つを合わせた58.0%の企業担当者が、不正受講に対する懸念を抱いていることがわかります。 これは前年(2024年)の調査結果と比較して2.7ポイント増加しており、オンライン研修が定着する中で、その実効性に対する危機感が年々高まっている状況が浮き彫りになっています。

半数以上の企業で実際の不正やその疑いが発生
「お勤め先で、過去1年間に実際に不正受講が発生したことはありますか」という質問に対しては、「発生したことが確認されている」が16.0%、「発生した可能性がある(疑わしいケースがあった)」が40.0%となりました。 合計すると56.0%となり、半数以上の職場で実際に不正受講、またはその疑いがある事象が起きていることが明らかになりました。 懸念だけでなく、実害として多くの企業が直面している課題と言えます。

実際に発生した不正のトップは「受講の代行」と「解答の共有」
実際に発生した(あるいは疑いがある)不正受講の内容について具体的に聞いたところ、最も多かったのは「他人に受講を代行させる」で58.9%でした。 研修の修了要件にテストが含まれている場合、点数を稼ぐために得意な同僚に受講を頼むといったケースが考えられます。
次いで多かったのが「複数人で解答を見せ合う」の48.2%です。 会議室に集まってテストの答えを教え合ったり、スマートフォンで解答画面を撮影してチャットツールで共有したりする手口が想定されます。
そして3番目に多かったのが「席を外して動画を流しっぱなしにする」で、42.9%でした。 システム上で「動画を最後まで再生しなければ次へ進めない」という設定をしていたとしても、再生ボタンを押したまま別の業務を行ったり、席を離れたりといった行為は容易に起こり得ます。他にも「同時に複数の人が同じアカウントで受講する(30.4%)」「動画の早送りをする(26.8%)」といった不正が確認されています。

懸念される問題の第1位は「受講の効果が薄くなる」
不正受講によってどのような問題が発生すると考えられているのでしょうか。「eラーニングの不正受講が起こることにより、どのような問題が発生すると考えますか」との質問では、「受講の効果が薄くなる」が42.0%で前年同様にトップとなりました。 続いて「教育コストの無駄が発生する(40.0%)」、「従業員のスキルアップが期待できなくなる(35.0%)」が上位に挙がっています。
せっかく費用と時間をかけてシステムやコンテンツを導入しても、形だけの受講ではスキルアップに繋がらず、企業にとって大きな損失となることが危惧されています。

なぜeラーニングは「流しっぱなし」にされるのか?

受講者はなぜ、真面目に動画を視聴せずに「流しっぱなし」や「早送り」をしてしまうのでしょうか。個人の倫理観やモチベーションの低さだけを責めるのではなく、学習環境や仕組みに潜む構造的な問題に目を向ける必要があります。
業務多忙によるマルチタスク化と「ながら受講」
現場の社員は日々、本来の業務に追われています。その中で、コンプライアンスや情報セキュリティなどの必須研修を受講するよう指示されても、「忙しくて集中して見る時間がない」というのが本音でしょう。
その結果、業務時間中に動画を再生しながら、別のディスプレイでメールを返信したり、資料を作成したりする「ながら受講」が常態化してしまいます。「とりあえず再生が終われば完了扱いになる」というシステム上の隙を突いた、苦肉の策とも言えます。
コンテンツの魅力不足と受動的な設計
学習コンテンツ自体に問題があるケースも少なくありません。単に講師が延々と話し続けるだけの講義録画や、文字がぎっしり詰まったスライドを読み上げるだけの動画では、視聴者の集中力は長く続きません。
特に、受講者が自分の業務との関連性を見出せない内容や、単調でインタラクティブな要素(問いかけや小テストなど)がない一方的なコンテンツは、「早く終わらせたい」という心理を煽り、早送りや流しっぱなしの温床となります。
動機付けの欠如と「やらされ感」
最も根深い問題は、受講者に「なぜこの研修を受ける必要があるのか」が伝わっていないことです。研修の目的や、学んだ知識が自分のキャリアや日々の業務にどう活きるのかが不明確なままでは、学習はただの「こなすべきタスク」になります。
さらに、eラーニングの受講実績やテスト結果が、人事評価や報酬に一切連動していない場合、「とりあえず修了フラグさえ立てばよい」という意識が強まり、形式的な受講を助長してしまいます。
流しっぱなし受講が企業にもたらす深刻な影響

「受講ログ上は完了になっているから大丈夫だろう」と見過ごすことは、企業にとって想像以上のリスクを伴います。流しっぱなしの受講がもたらす悪影響は多岐にわたります。
学習効果の劇的な低下と「わかったつもり」の危険性
脳科学や認知心理学の観点から見ても、「ながら視聴」や「流しっぱなし」では情報は脳に定着しません。人間の脳は、ワーキングメモリと呼ばれる一時的な記憶領域を使って情報を処理しますが、マルチタスク状態ではこの領域が分割され、情報処理能力が著しく低下します。
さらに、ただ動画を眺めているだけの受動的な状態は「浅い情報処理」に留まり、長期記憶として定着しません。恐ろしいのは、動画を見たことで「なんとなく理解した気になっている(わかったつもり)」状態に陥ることです。この状態が、現場での重大なミスや誤った判断を引き起こす要因となります。
教育コスト(ROI)のムダ
企業はeラーニングシステムの導入、ライセンス費用の支払い、オリジナルコンテンツの制作に多大なコストを投資しています。しかし、受講者が内容を理解しておらず、現場での行動が変わらなければ、これらの投資はすべて無駄になります。
費用対効果(ROI)が著しく低下するだけでなく、「eラーニングをやっても意味がない」という風潮が社内に広まれば、今後の人材育成戦略そのものが機能しなくなる恐れがあります。
コンプライアンス違反と法的リスクの温存
情報漏洩対策やハラスメント防止などのコンプライアンス研修が「流しっぱなし」にされている場合、企業は莫大なリスクを抱え込むことになります。知識が現場に浸透していないため、意図的あるいは無自覚な違反行為が発生する確率が高まります。
万が一、社員の不祥事によって訴訟や行政指導に発展した場合、企業は「適切な教育を行っていたか」が問われます。その際、単に「動画を再生した」という形式的な受講ログだけでは、教育の実効性を証明することが難しく、企業としての管理責任を厳しく追及される可能性があります。
企業の不正受講対策はどうなっている?

こうした事態を防ぐため、企業はどのような対策を講じているのでしょうか。先述の「eラーニングの不正に関する定点意識調査2025」から最新の動向を見てみます。
不正対策を実施している企業は55.0%に増加
「お勤め先において、eラーニングの不正受講を防ぐために現在実施している対策はありますか」という質問に対し、「対策を実施している」との回答が55.0%に上りました。 前年の調査では40.7%であったため、1年で14.3ポイントも増加しています。 不正の横行に対する危機感から、具体的なアクションを起こす企業が急速に増えていることがわかります。

実施している対策のトップは「受講ログの定期的なチェック」
対策を実施している企業に具体的な内容を聞いたところ、「受講ログの定期的なチェック」が63.6%でトップとなりました。 管理者画面から受講者の学習時間や進捗を定期的に監視し、極端に短い時間で修了しているケースなどを弾き出す方法です。前年の調査では3位でしたが、今回トップに浮上しました。
次いで多かったのが「読み飛ばし防止機能付きのシステムを導入」で61.8%です。 これは、動画の早送りやスキップを禁止したり、動画を最後まで視聴しないと次の章に進めないようにシステム側で制御するものです。
そして「受講内容の理解度を確認するテストの実施」が45.5%でした。 動画の視聴態度そのものを監視するのではなく、修了テストを設けることで、きちんと学習したかを事後的に確認するアプローチです。

対策の必要性を感じる一方で、「方法がわからない」という課題も
不正受講対策の強化について、「とてもそう感じる(37.0%)」「ややそう感じる(35.0%)」と回答した企業は合計72.0%に達し、7割以上の企業が対策強化の必要性を痛感しています。
しかし、実際に不正受講対策を実施・強化する上での課題を尋ねると、「効果的な対策方法がわからない」という回答が47.0%で最多となりました。 ログのチェックや早送り防止機能だけでは、「流しっぱなしにして席を外す」ことや「複数人でテストの答えを見せ合う」といったアナログな不正を完全に防ぐことはできず、担当者が頭を抱えている現状が伺えます。

形式的な「受講完了」から「行動変容」へ!抜本的な解決策

eラーニングの不正受講を根絶するためには、システムによる監視といった「守り」の対策だけでなく、学習者自身の意識や行動を変える「攻め」の対策が必要です。
目指すべきは、単なる「受講完了率100%」ではなく、学んだ知識が現場で実践される「行動変容」です。
学習を能動化するインタラクティブなコンテンツ設計
動画をただ見せるだけの受動的なコンテンツから脱却し、学習者が自ら考え、手を動かす「能動的な学習体験」を提供することが不可欠です。
例えば、数分おきに理解度を確認するポップアップクイズを出題したり、ケーススタディを用いて「あなたならどう対応しますか?」といった選択を迫るシナリオベースの学習を取り入れるのが効果的です。これにより、動画を流しっぱなしにすることが物理的に不可能になり、ワーキングメモリを活性化させて記憶の定着を促すことができます。
動機付けを高めるゲーミフィケーションの導入
学習の「やらされ感」を払拭するためには、ゲームの要素を取り入れたゲーミフィケーションが有効です。学習の進捗に応じてバッジやポイントが付与されたり、社内の部署間で平均スコアを競うランキング機能を設けたりすることで、学習に楽しさと達成感をもたらします。モチベーションが高まれば、不正をしてまで研修を終わらせようという発想自体が生まれにくくなります。
組織文化の意識改革とフォローアップ
eラーニングを「業務の合間に片付ける面倒な作業」ではなく、「スキルアップのための重要な業務の一部」として組織全体で再定義する必要があります。上司が部下に対して、研修を受講する目的や期待する成果を事前に共有し、研修後には「学んだことをどう実務に活かすか」を対話する場を設けることが重要です。
また、学習の成果が人事評価に正当に反映される仕組みを構築することで、社員は自発的に学習に取り組むようになります。
リアルタイムで不正を防止するAI監視システム「サクテスAIMONITOR」

コンテンツの改善や意識改革には時間がかかります。一方で、資格取得のための厳格な試験や、不正を許してはならないコンプライアンス研修などでは、即効性のある確実なシステム対策が求められます。そこでおすすめしたいのが、最新のAI技術を活用した不正検知ソリューションです。
調査結果においても、「eラーニングの受講を監視できるAIソリューションに興味がありますか」という問いに対し、約7割の企業担当者が「関心がある」と回答しており、AI技術への期待が高まっています。
「サクテスAIMONITOR」とは
株式会社イー・コミュニケーションズが提供する「サクテスAIMONITOR」は、eラーニングの受講前に厳格な本人認証を行い、受講中はWebカメラやスマートフォンのカメラを通じてAIがリアルタイムにリモート監視を行い、不正を検知する最新のクラウドサービスです。
高度な本人認証(eKYC)
受講開始前に、スマートフォンのカメラで自身の顔写真と身分証明証(運転免許証、マイナンバーカード、在留カードなど)を撮影し、AIが画像を照合します。
これにより、最も多い不正である「他人に受講を代行させる(なりすまし)」を最初の入り口で完全にシャットアウトします。照合が通らなければコンテンツは受講できません。
受講中のリアルタイムAI監視
受講中は、デバイスのカメラが学習者を常時モニタリングします。AIが「カメラの前から人がいなくなった(離席・流しっぱなし)」「別人が画面を見ている(なりすまし)」「複数の顔が映り込んでいる(複数人での受講・解答の共有)」といった異常な動きを高精度で検知します。
不正を検知した場合は、画面上に警告メッセージを出したり、動画の再生やテストを即座に停止させたりする制御が可能です。
「サクテスAIMONITOR」を導入する3つのメリット
不正受講の強力な抑止とオンライン化の促進
カメラで常時見られているという心理的ハードルが、流しっぱなしや代行受講といった不正行為を強力に抑止します。 これまで「不正が防げないから」という理由で対面実施にこだわっていた厳格な集合研修や社内試験を、安心してオンライン化(DX化)することが可能になります。
「SAKU-SAKU Testing」とのスムーズな連携
イー・コミュニケーションズが提供するLMS「SAKU-SAKU Testing」と標準で連携しているため、複雑なシステム構築を行うことなく、導入後スピーディーに監視付きのeラーニングを開始できます。
ブラウザのみで完結する手軽さ
受講者側も管理者側も、専用のアプリケーションを端末にインストールする必要はありません。 パソコンやスマートフォンの標準的なインターネットブラウザとカメラ機能さえあれば、いつでもどこでもセキュアな環境で学習を実施・管理することができます。
どのような場面で活用できるか
「サクテスAIMONITOR」は、不正が許されない以下のようなシーンで特に効果を発揮します。
社内の昇進・昇格試験:公平性が担保されなければならない重要な評価試験。
資格取得・更新研修:公的な資格要件を満たすための法定研修など。
重大なコンプライアンス・情報セキュリティ研修:受講の形骸化が直接的な法的リスクに直結する教育プログラム
まとめ
本記事では、2025年の最新調査データをもとに、企業が直面しているeラーニングの不正受講・流しっぱなし問題の実態とその影響について解説しました。
半数以上の企業で不正が発生しているという現実は重く受け止める必要があります。流しっぱなしによる「形式的な受講」は、ROIの低下だけでなく、コンプライアンス違反という深刻なリスクを企業にもたらします。
この課題を解決するためには、ログの監視や早送り防止といった従来の対策だけでは不十分です。学習コンテンツを能動的な設計に見直し、学習を評価する組織文化を醸成することが中長期的な行動変容に繋がります。そして、社内試験や厳格なコンプライアンス研修においては、AIによるリアルタイム監視機能を持つ「サクテスAIMONITOR」のような先進的なソリューションを導入することが、リスクマネジメントの観点から非常に有効な選択肢となります。
自社のeラーニングが「形だけ」になっていないか、今一度運用を見直し、真に成果を生み出す学習環境の構築に取り組んでみてはいかがでしょうか。研修や試験のDX化、不正対策にお悩みの教育担当者様は、専門のノウハウをもつイー・コミュニケーションズにご相談ください。


















