ポータブルスキルとは?具体例とスキルアップ法を紹介
ポータブルスキルとは、特定の業種や職種に依存することなく、さまざまな環境で活用できるスキルのことです。これらのスキルは、職場や業種が変わっても通用するため、キャリアの移動や新たな挑戦において特に重要です。
本記事では、ポータブルスキルの具体例とスキルアップの方法をご紹介します。
目次[非表示]
- 1.ポータブルスキルの概要と定義
- 1.1.ポータブルスキルとは
- 1.2.厚生労働省の定義
- 1.3.アンポータブルスキルとの違い
- 1.4.テクニカルスキルとの違い
- 2.ポータブルスキルが重要視される背景
- 2.1.雇用体制の変化と流動性の高まり
- 2.2.VUCA時代への対応
- 2.3.ビジネス環境の変化
- 3.ポータブルスキルの主要な要素
- 3.1.対課題スキル
- 3.2.対人スキル
- 3.2.1.社内対応
- 3.2.2.社外対応
- 3.2.3.上司や部下のマネジメント
- 3.3.対自分力 (セルフマネジメント)
- 4.ポータブルスキルの具体例と仕事での応用
- 4.1.情報収集力
- 4.2.課題解決力
- 4.3.コミュニケーション能力
- 4.4.マネジメント能力
- 4.5.リーダーシップ
- 5.ポータブルスキルを診断する方法
- 6.ポータブルスキルを向上させるための研修方法
- 6.1.社内の学習制度と外部の研修の活用
- 6.2.厚生労働省の研修資料を活用する
- 6.3.eラーニングの利用がおすすめ
- 7.ポータブルスキルの評価
- 7.1.自己評価
- 7.2.他者評価
- 7.3.パフォーマンス評価
- 7.4.行動観察
- 7.5.フォーマットやツールの活用
- 8.ポータブルスキル向上に「SAKU-SAKU Testing」をご活用ください
ポータブルスキルの概要と定義
ポータブルスキルとは、個々の職場や業種に特化せず、幅広い場面で発揮できる汎用性の高い能力を意味します。この定義は、特に急速に変化するビジネス環境において、キャリアの柔軟性をもたらします。インターネットの普及やグローバル化が進展する中で、従来の専門職に限らず、多様な職種でも必要とされるスキルが求められるようになっています。したがって、ポータブルスキルを意識的に育成することが重要です。
ポータブルスキルとは
ポータブルスキルとは、具体的にはコミュニケーションやリーダーシップ、プロジェクト管理、批判的思考などが含まれます。これらのスキルは、どの業種であっても必要とされるため、常に意識して磨く価値があります。例えば、優れたコミュニケーション能力をもつ人材は、チームでの協力や顧客とのやり取りなど、多岐にわたるシチュエーションで重要な役割を果たします。こうしたスキルを身につけることで、さまざまな職場での適応力が高まります。
厚生労働省の定義
厚生労働省では、ポータブルスキルを「職務に関わらず活用できる能力」と定義しています。この定義は、特定の職業に特化した知識や技術ではなく、汎用性のある能力に焦点を当てています。つまり、ポータブルスキルは多くの業種や職務において活用できるため、労働市場での競争力を高める要素とされています。この背景には、長期的なキャリア形成の視点があることを理解する必要があります。
出典:”ポータブルスキル”活用研修(厚生労働省)
アンポータブルスキルとの違い
アンポータブルスキルは、特定の企業や業務に限られたスキルを指します。
例えば、特定の社内システムの操作や、専用のプログラミング言語の習得が該当します。これらのスキルは、限られた範囲での適用にとどまり、他の場面や業種には応用しづらいのが特徴です。そのため、ポータブルスキルとアンポータブルスキルのバランスを考えることが大切になります。
テクニカルスキルとの違い
テクニカルスキルは、専門的な技術や知識に関連する能力を指しますが、ポータブルスキルはそれに対してより幅広い範囲で活用できる能力です。たとえば、エンジニアはプログラミングに関するテクニカルスキルをもつ一方で、コミュニケーションやプロジェクト管理の能力はポータブルスキルといえます。この違いを理解することで、職務上必要となるさまざまなスキルを意識的に育成することが可能になります。
ポータブルスキルが重要視される背景
ポータブルスキルは、職業の枠を越えて有効に機能するスキルのことであり、その重要性が高まっています。特に、企業のニーズが変化する中で、従業員が異なる職務に適応できる能力が求められています。
ここでは、ポータブルスキルが重要視されている背景を解説します。
雇用体制の変化と流動性の高まり
雇用体制は大きく変わりつつあります。従来の終身雇用制度が崩れ、短期契約やフリーランスの働き方が増加しています。このような流動的な雇用形態では、特定の業務に特化したスキルだけでなく、さまざまな職務に応じた弾力性のあるスキルが必要とされるのです。ポータブルスキルをもつことで、異なる企業や業種においても即戦力として活躍できる機会が広がります。
VUCA時代への対応
現代はVUCA時代とも呼ばれ、不確実性や複雑性が増しています。急速な技術革新や社会の変化が進む中で、過去の経験やスキルだけでは通用しない場面が増えています。このような状況では、ポータブルスキルは適応力の強化に欠かせません。新しい環境で迅速に成果を上げるためには、汎用的なスキルをもつことが非常に重要です。
ビジネス環境の変化
ビジネス環境はますます多様化しています。特にグローバル化が進む中で、異文化理解や国際的なコミュニケーション能力が求められる場面が増加しています。このような変化に対応するためにも、ポータブルスキルの習得が必要です。業界ごとに特化した知識だけではなく、さまざまな観点から問題を解決できる力が鍵となります。
ポータブルスキルの主要な要素
ポータブルスキルの要素には、対課題スキル、対人スキル、そして対自分力があります。これらの要素は、さまざまな職場環境や業種で活用できるため、特に重要です。それぞれの要素がどのように働きかけ、職務遂行を助けるのかが、キャリアアップにおいての重要なポイントです。
主要要素について解説します。
対課題スキル
対課題スキルは、業務上の課題を解決するために必要な能力を指します。
まず、現状の把握が必要です。これにより問題の本質を理解し、解決策を見定めることが可能になります。次に、課題の設定を行い、明確な目標をもつことが効果的です。
計画の立案により、達成すべき具体的なステップを整理します。計画的に進めることで、実行段階にスムーズに移行できるでしょう。その後、課題の遂行と対応を行い、進捗を確認しながら柔軟に対応する姿勢が求められます。
対課題スキルの具体的な要素について詳しくみていきましょう。
現状把握
現状把握は、課題解決の第一歩であり、現在の状況や問題点を正確に理解するプロセスです。課題の全体像を明確にすることで、次のステップに進むための土台を築きます。現状を誤解したり曖昧なまま進めると、以降の課題解決プロセス全体に影響を及ぼします。
具体例は次の通りです。
・数値データや客観的な情報を収集し、現状を定量的に把握する。
・現場の声やステークホルダーからの意見を収集して主観的な要素も含める。
・SWOT分析や5W1Hなどのフレームワークを用いる。
課題設定
課題設定は、現状把握で明らかになった問題点の中から解決すべき核心的な課題を特定し、それを明文化するプロセスです。課題が適切に設定されないと、解決すべきポイントがずれてしまい、無駄な努力や時間の浪費につながる恐れがあります。
具体例は次の通りです。
・「なぜそれが課題なのか?」を深掘りすることで真因を探る(例:なぜなぜ分析)。
・課題の優先順位をつけ、取り組むべき順序を決定する。
・SMARTな目標(Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound)として課題を設定する。
計画立案
計画立案は、設定した課題を解決するための具体的なアクションプランを策定するステップです。目標達成に向けて、効果的かつ実行可能な方法を計画します。計画が曖昧だと実行段階で混乱が生じ、成果を得るまでの効率が低下します。
具体例は次の通りです。
・誰が、いつまでに、何を、どのように行うかを詳細に決める。
・リソース(人材、時間、資金)を見積もり、適切に配分する。
・PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Action)を活用した進行管理の仕組みを組み込む。
課題遂行と対応
課題遂行と対応は、立案した計画を実行に移し、進捗を管理しながら柔軟に対応するフェーズです。計画通りに進まない場合には、迅速に修正を加えます。実行フェーズでのミスや怠慢は、計画の質に関わらず課題解決を妨げる要因となります。また、柔軟な対応力が結果を大きく左右します。
具体例は次の通りです。
・実行中の進捗を定期的にモニタリングし、必要に応じて軌道修正する。
・想定外の問題が発生した際には、チームで対応策を検討し、実行する。
・成果を評価し、成功事例や改善点を振り返ることで次回に活かす。
対人スキル
対人スキルは、ビジネスシーンで実力を発揮するために欠かせない要素です。職場でのコミュニケーションやチームワークを円滑に進めるためには、他者との関係を効果的に構築できる能力が求められます。このスキルの重要性は、特に業務の効率や生産性を高める際に顕著に表れます。
ポータブルスキルとしての対人スキルは、異なる職種や業界でも活用が可能です。例えば、営業職では顧客との信頼関係を築くためにこのスキルが必要不可欠ですし、プロジェクトマネージャーはチームの協力を引き出すために、適切なフィードバックや指示が必要です。
対人スキルを向上させる方法としては、積極的なコミュニケーションや、フィードバックを受ける機会を増やすことが重要です。定期的な自己評価やワークショップへの参加も、対人スキルの育成に効果的です。これらの取り組みによって、ビジネスパーソンはキャリアアップを目指す道を切り開くことができます。
対人スキルの具体的な要素について詳しくみていきましょう。
社内対応
社内対応とは、同じ組織内での同僚や他部門とのコミュニケーションや協力を円滑に進めるためのスキルです。組織全体の効率やチームの一体感を高める上で重要な役割を果たします。社内での信頼関係を築くことは、個人の仕事のしやすさだけでなく、組織全体の生産性向上にもつながります。
具体例は次の通りです。
・コミュニケーション能力:報告・連絡・相談(ホウレンソウ)を適切に行い、情報共有をスムーズにする。
・協力と調整:部門間の利害調整やタスク分担を行い、円滑にプロジェクトを進める。
・対立解消:意見の衝突が起きた場合、冷静に対処し、合意を導き出す。
社外対応
社外対応とは、顧客や取引先、協力会社、地域社会など外部のステークホルダーと効果的に関わるスキルです。会社の顔として適切な態度や行動が求められます。社外対応の質は、企業イメージや事業の成否に直結します。特に、顧客との信頼構築は、長期的な成功を支える重要な要素です。
具体例は次の通りです。
・顧客対応:クレームや要望に迅速かつ誠実に対応し、顧客満足度を向上させる。
・交渉力:取引条件や納期調整など、相手のニーズを満たしつつ自社の利益を守る交渉を行う。
・ビジネスマナー:礼儀正しくプロフェッショナルな印象を与えることで、信頼関係を築く。
上司や部下のマネジメント
上司や部下のマネジメントとは、上下関係の中で相手を適切に導き、組織目標を達成するためのスキルです。リーダーシップだけでなく、フォロワーシップ(上司を支える力)も含まれます。適切なマネジメントは、職場の雰囲気やチーム全体のパフォーマンスに大きく影響します。また、部下を育成する力は、組織の未来を形作るうえで欠かせません。
具体例は次の通りです。
上司への対応:
・上司の指示を正確に理解し、適切に応える。
・進捗や問題を適時報告し、信頼を得る。
部下の指導:
・部下の能力や成長を見極めて適切に指導する。
・モチベーションを高める働きかけを行う。
チームマネジメント:
・チーム全体の目標を共有し、役割分担や進行管理を行う。
・部下同士や上司との間に生じる意見の相違を調整する。
対自分力 (セルフマネジメント)
対自分力は、キャリアアップを図るビジネスパーソンにとって欠かせない要素です。自己管理能力を高めることで、目標設定や業務の優先順位を明確にし、計画的に行動することが可能になります。このスキルには、決断力、忍耐力、瞬発力、規律力が含まれ、自分をうまくコントロールする力を育みます。
対自分力の具体的な要素について詳しくみていきましょう。
決断力と忍耐力
「決断力」は、状況や課題に対して適切な判断を下し、行動を起こす力です。一方で、「忍耐力」は、目標達成や困難を乗り越えるために粘り強く取り組む力を指します。決断力がないと、行動が遅れ機会損失を招きます。忍耐力がないと、途中で諦めてしまい、成果を上げる前に挫折する可能性が高まります。この2つは、行動のスピードと持続性を支える重要なスキルです。
具体例は次の通りです。
決断力:
・複数の選択肢から最適なものを迅速に選ぶ。
・不完全な情報の中でもリスクを予測し、行動を決める。
・他人の意見に流されず、自分の信念で決める。
忍耐力:
・長期的なプロジェクトや困難なタスクに対し、途中で諦めずに取り組む。
・一時的な失敗や困難に直面しても、冷静に乗り越える。
・繰り返しの努力を継続してスキルや成果を高める。
瞬発力と規律力
「瞬発力」は、状況の変化や緊急事態に対して迅速かつ柔軟に対応する能力です。一方で、「規律力」は、計画やルールを守り、安定的に物事を進める力を指します。瞬発力がないと、変化に対応できず機会を逃します。規律力がないと、安定して物事を進めることができず、成果に結びつかないことがあります。この2つは、即応性と持続性のバランスを保つために必要です。
具体例は次の通りです。
瞬発力:
・予想外のトラブルに即座に対応し、解決策を打ち出す。
・緊急性の高いタスクに優先順位をつけて取り組む。
・新しい状況や変化に対し柔軟にアプローチを変える。
規律力:
・毎日のスケジュールや計画をきちんと守る。
・自己管理を徹底し、タスクを時間通りに完了させる。
・長期的な目標に向けて、コツコツと計画を進める。
ポータブルスキルの具体例と仕事での応用
ポータブルスキルは、さまざまな職場や環境で活用できる能力です。特に、これらのスキルは特定の仕事に限らず、幅広い業界で価値をもつことが特徴です。これにより、キャリアの移行や新たな挑戦の際にも役立つ要素となります。
ここでは、ポータブルスキルの活用方法や応用場面について解説します。
情報収集力
「情報収集力」は、仕事の質を向上させ、的確な意思決定や効率的な作業を実現するために欠かせないスキルです。以下のように活用できます。
【活用方法】
1.問題発見と背景理解
業務の問題や課題を特定するために、関連するデータや知見を収集する。
例:売上低下の原因を探るために顧客データや市場トレンドを調査。
2.意思決定の支援
複数の選択肢がある場合、それぞれのメリット・デメリットを評価するための情報を集める。
例:新しい業務ツールの導入を検討する際に、競合製品のレビューや導入事例を調査。
3.迅速な対応
緊急時に迅速かつ正確に必要な情報を見つけ、行動に移す。
例:クレーム対応で製品の仕様や過去の対応履歴をすぐに確認。
【応用場面】
- 市場調査:新規事業や製品の開発において、顧客ニーズや競合状況を把握。
プロジェクト管理:リスク要因や予算に関する情報を集めて計画を立案。
人材育成:社内外の研修リソースやトレンドを調べ、適切なプログラムを提案。
課題解決力
「課題解決力」は、業務上の問題を整理し、実行可能な解決策を導き出す力で、目標達成やプロジェクト成功に直結します。
【活用方法】
1.課題の明確化
問題の背景や真因を深掘りし、具体的な課題を設定する。
例:生産性が低下している原因を分析し、「業務プロセスの複雑さ」が根本にあると特定。
2.解決策の提案
創造的かつ実行可能な方法を考え、複数の選択肢を提示。
例:効率化のためのRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)導入を提案。
3.実行と検証
解決策を実行し、その効果を評価。必要ならば修正を加える。
例:業務改善施策の結果をモニタリングし、期待通りの成果が得られない場合は別の方法を採用。
【応用場面】
- プロジェクト推進:プロジェクトで発生する問題に対し、迅速に対策を立案して進行を保つ。
- チームマネジメント:部下や同僚の課題を解決し、チーム全体の生産性を向上させる。
- 顧客対応:クレームや要望に対し、迅速かつ適切な解決策を提供し、信頼を築く。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、相手と情報を正確かつ効果的に伝達し、信頼関係を築くための基本的なスキルです。仕事のあらゆる場面で重要な役割を果たします。
【活用方法】
1.情報共有と意思疎通
正確な報告・連絡・相談(ホウレンソウ)を行い、業務の流れを円滑にする。
例:プロジェクト進行状況を分かりやすく共有してチーム全体の理解を促進。
2.対人関係の構築
他者の意見を傾聴し、共感を示すことで信頼関係を築く。
例:部下の悩みを聞き、解決のための助言を提供。
3.交渉と調整
利害の異なる関係者との間で合意形成を行う。
例:取引先との契約条件を交渉し、自社に有利な条件を引き出す。
【応用場面】
- チームビルディング:チーム内での円滑なコミュニケーションを通じて、一体感を高める。
- 顧客対応:顧客の要望を的確に把握し、適切に応答することで満足度を向上させる。
- プレゼンテーション:効果的な説明で提案やプロジェクトを成功に導く。
マネジメント能力
マネジメント能力は、目標達成に向けて人やリソースを効率的に管理し、チームを成果に導くためのスキルです。
【活用方法】
1.目標設定と計画立案
チームやプロジェクトの目標を設定し、それを達成するための具体的な計画を立てる。
例:プロジェクトの進行スケジュールを作成し、タスクを適切に割り振る。
2.リソース管理
人材、時間、予算などのリソースを最適に配分し、効率を最大化する。
例:予算内でプロジェクトを進めるためにリソース配分を調整。
3.進捗管理と問題解決
チームやプロジェクトの進捗をモニタリングし、問題が発生した際には迅速に対処する。
例:チーム内のメンバー間でタスクの遅延が発生した場合、作業スケジュールを再調整。
【応用場面】
- チーム運営:部下やメンバーを適切に指導し、個々の能力を最大限に引き出す。
- プロジェクト管理:期限内に成果物を完成させるため、リスクや進捗を管理する。
- 業務改善:現場の問題点を分析し、効率化のための施策を実行する。
リーダーシップ
リーダーシップは、目標達成に向けて人々を鼓舞し、方向性を示してチームを導く力です。影響力を発揮して組織を前進させるために必要です。
【活用方法】
1.ビジョンの提示
チームが目指すべき方向性や目標を示し、共有する。
例:新規プロジェクトで、メンバーが共通の目標に向かうための明確なビジョンを提示。
2.モチベーションの向上
メンバーの強みを見つけ、適切な働きかけでやる気を引き出す。
例:個人の努力を認めることで、全体の士気を高める。
3.意思決定と責任の遂行
困難な状況で迅速に意思決定を行い、その結果に責任をもつ。
例:予期せぬ問題が発生した際に迅速に方向転換を指示。
【応用場面】
- 変革の推進:新しいプロジェクトや改革を導き、メンバーを巻き込んで成功させる。
- 危機管理:トラブルが発生した際にチームを冷静に導き、解決に導く。
- 組織の成長:メンバーの育成を通じて、チーム全体のレベルを引き上げる。
ポータブルスキルを診断する方法
ポータブルスキルを測定するための診断方法は、複数のアプローチが存在します。これによって、自己のスキルセットを客観的に理解し、強化すべきポイントを明確にすることが可能です。
一つの方法には、自己評価シートの活用が挙げられます。これは、自身のスキルに関して具体的な質問に回答することで、各スキルの現在のレベルを可視化できます。例えば、コミュニケーション能力や問題解決力に関する質問に答えることで、それらのスキルの自己評価が行えます。
他にも、外部の評価ツールや診断テストの利用があります。これらのテストは、データをもとにした高度な測定手法を使用しているため、客観的な結果が得られるメリットがあります。信頼性のあるツールを用いることで、より正確なスキル診断が行えるでしょう。
さらに、上司や同僚からのフィードバックを活用する方法も有効です。日常の業務の中で得られるリアルタイムな評価は、自身のスキルを認識するための重要な要素となります。特に、対人スキルやマネジメント能力に関する意見は、改善点や強みをさらに明確にするのに役立ちます。
定期的に自身のポータブルスキルを測定し、診断することで、キャリアの成長や次のステップに向けての準備を整えることが可能です。これにより、変化するビジネス環境にも柔軟に対応できる力が養われます。
厚生労働省が提供している「ポータブルスキル見える化ツール」の活用もおすすめです。
ポータブルスキルを向上させるための研修方法
ポータブルスキルの向上には、さまざまな研修方法が存在します。自身のスキルを磨くことで、ビジネスシーンでの柔軟性や応用力が高まります。これにより、さまざまな職場環境での適応力が増すため、積極的なスキルアップが求められます。
社内の学習制度と外部の研修の活用
企業が提供する社内の学習制度を積極的に活用することは、ポータブルスキルの研修において非常に効果的です。社内研修は自社の文化や業務に合った内容で実施されるため、実践的な学びが得やすいといえます。
一方で、外部の研修も魅力的な選択肢です。特に、異なる業界や専門知識を持つ講師からの指導を受けられることで、新しい視点を得ることが可能になります。これらの研修を組み合わせることで、より多面的なスキルを身につけやすくなります。
厚生労働省の研修資料を活用する
厚生労働省が提供している研修資料「”ポータブルスキル”活用研修」も、ポータブルスキルを向上させるために非常に役立ちます。これらの資料には、最新の労働市場の動向や求められるスキルに関する情報が豊富に含まれています。
具体的なカリキュラムやプログラムを参考にすることで、必要なスキルを体系的に学ぶことが可能です。
eラーニングの利用がおすすめ
近年、eラーニングの利用がポータブルスキル向上の手段として非常におすすめです。移動時間や空いた時間を利用することで、効率良く学習が進められます。特に、自分のペースで進められる特性があり、多忙なビジネスパーソンに適しています。
さらに、さまざまな講座がオンラインで提供されているため、興味のある分野を自由に選択し学べる点も魅力です。動画や音声講座を活用することで、視覚的にも聴覚的にも効果的な学習が行えるため、知識の定着を促すことができます。
イー・コミュニケーションズのeラーニングプラットフォーム「SAKU-SAKU Testing」を活用いただければ、好きな時間・好きな場所でポータブルスキル向上の学習が可能です。
受講管理も簡単で、受講者の進捗状況が一目でわかります。
また、コンテンツがセットになった「サクテス学びホーダイ」なら、ポータブルスキルをアップさせる教育がすぐにスタートできます。階層別にコンテンツをご用意しているので、各階層にあったポータブルスキルの学習が可能です。
ポータブルスキルの評価
ポータブルスキルの評価は、個人のキャリア形成や職場でのパフォーマンスを測る重要な指標として注目されています。これにより、自身の強みや弱点を把握し、どのスキルを強化すべきかを明確にすることが可能になるからです。
評価方法について解説します。
自己評価
目的:自分のスキルを振り返り、強みと改善点を把握する。
手法:
- 過去の業務でスキルをどのように活用したかを具体的に振り返る。
- 成果や周囲への影響を記録し、成功事例や課題を明確化する。
ポイント:
- 「成功したスキルの活用例」や「改善が必要な場面」を具体的に記載する。
他者評価
目的:周囲の視点からスキルの有効性を確認する。
手法:
- 上司や同僚からフィードバックをもらう(面談や360度評価など)。
- チーム内での影響やコミュニケーションの質について意見を求める。
ポイント:
- 客観的な評価を得ることで、自分では気づかない課題を把握。
パフォーマンス評価
目的:スキルが具体的な業務成果にどう結びついているかを確認する。
手法:
- 業績目標の達成度やプロジェクト成功率を評価。
- タスク完了までの効率性や品質を測定。
ポイント:
- スキルが「結果」にどのように寄与したかを数値や成果で表現する。
行動観察
目的:日常業務でのスキル発揮の頻度と質を把握する。
手法:
- 上司や同僚が、業務中の行動やスキルの使用方法を観察。
- 特定の行動基準(例:リーダーシップ、問題解決の頻度)をもとに評価。
ポイント:
- 評価基準を具体化しておく(例:報告の質、解決策の有効性)。
フォーマットやツールの活用
目的:標準化された評価基準でスキルを測定。
手法:
- 評価シートやチェックリストを活用して、スキルを段階評価(例:1~5のスケール)。
- 自己評価と他者評価を統合し、総合的なスキルレベルを算出。
ポイント:
- 各スキルの評価項目を明確に設定(例:コミュニケーション力は「伝達の明確さ」「傾聴力」などで評価)。
これらの項目にそって評価をし、さらなるポータブルスキルの向上を図りましょう。
ポータブルスキル向上に「SAKU-SAKU Testing」をご活用ください
eラーニングを活用したポータブルスキルの習得に、イー・コミュニケーションズの「SAKU-SAKU Testing」がおすすめです。
自社で作成したコンテンツを搭載して利用できるeラーニングプラットフォームや、あらかじめ教材がパッケージ化されたものなど、さまざまなニーズに対応したeラーニングのご提案が可能です。
ご興味がおありの場合はお気軽にお問い合わせください。