業務効率化の成功事例5選!中小企業のための即実践アプローチ
人事の仕事は多すぎる……。
やるべきことは山積みなのに時間が足りず、本来集中したい「人材育成」や「新しい制度づくり」に手が回らないと感じている中小企業の人事担当者は少なくありません。
そこで、本記事ではヨネックスやブリヂストンなど5社の実例を交えながら、業務効率化のヒントをご紹介します。
限られた時間とリソースの中で、どう仕事を変えていけばいいのか。
あなたの会社に合った効率化の第一歩が、きっと見つかるはずです。
目次[非表示]
- 1.業務効率化とは?
- 2.業務効率化の進め方
- 2.1.1、業務内容の把握
- 2.2.2、課題・問題点の洗い出し
- 2.3.3、スケジュールの設定
- 2.4.4、業務改善策の実施
- 2.5.5、改善効果の測定と評価
- 3.すぐに始められる業務効率化のアプローチ
- 3.1.・無駄な業務の削減
- 3.2.・業務の自動化
- 3.3.・業務のマニュアル化
- 3.4.・業務フローチャートを作成
- 3.5.・担当者の変更
- 4.業務効率化に成功した企業事例5選
- 4.1.・決裁書類の承認作業を簡単に|ヨネックス株式会社の事例
- 4.2.・勤怠管理の手間が激減|株式会社カクヤス の事例
- 4.3.・月47時間の削減!契約書業務が4分の1に|キューサイ株式会社の事例
- 4.4.・当たり前を疑う勇気が5億円の売上増|株式会社シップスの事例
- 4.5.・目的に応じた会議スペースの設置で平均休暇取得日数が増加|株式会社ブリヂストンの事例
- 5.業務効率化を成功させる3つのポイント
- 5.1.① 効率化したい項目を具体的に決める
- 5.2.② 日常業務の「ムダ探し」を徹底する
- 5.3.③ 小さな成功を積み重ねる
- 6.まとめ
- 7.社員教育の効率化にeラーニングの導入をご検討ください
業務効率化とは?
業務効率化とは、仕事の流れの中で「無理」「無駄」「ばらつき(ムラ)」を見つけ出し、改善する取り組みのことです。
ITツールの活用や作業の自動化、会議時間の短縮など、さまざまな方法で業務効率化は実現できます。同じ成果を「少ないリソース」で達成することで、より価値の高い業務に時間を使えるようになります。
業務効率化の進め方
業務効率化を実現するためには、下記のステップをひとつずつ進める必要があります。
1、業務内容の把握
まずはじめに、現状の業務内容を把握します。各業務の担当者、必要な工数、発生頻度などを整理し、可視化します。これにより、どんな業務に最も時間がかかっているのかが明確になります
2、課題・問題点の洗い出し
次に、課題と問題点を洗い出します。例えば、複数の従業員が重複して行っている作業や、同じような作業が何度も発生している場合は「ムダ」が潜んでいる可能性があります。また、特定の担当者しかできない属人的な業務も課題として捉えます。「マニュアルがわかりにくい」「ミスが発生しやすい業務フロー」といった具体的な問題点も書き出しておきます。
3、スケジュールの設定
次に具体的な改善計画とスケジュール設定を行います。重複作業の統合や作業順序の見直しなど、まずは「コストをかけずにできる改善」から始めるのがポイントです。そのうえで導入時期や準備期間を具体的に設定し、実現可能なスケジュールを立てていきます。
4、業務改善策の実施
スケジュールを立てたら、実際の改善策を実施します。ここでは検証期間を設けることが大切です。想定通りに進まないことも多いため、運用しながら課題を見つけ、適宜改善策の修正を加えます。
5、改善効果の測定と評価
最後に、改善効果の測定と評価を行います。工数削減や生産性向上などの具体的な指標で効果を確認し、必要に応じてさらなる改善を行います。PDCAサイクルを回すことで、より効果的な業務効率化が実現します。
まずはこのステップで業務効率化を進めることを覚えておきましょう。
すぐに始められる業務効率化のアプローチ
先ほど「重複作業の統合」や「作業順序の見直し」などを改善策として挙げましたが、効率化のためのアプローチはほかにもあります。ここでは方法をいくつか紹介します。
・無駄な業務の削減
業務効率化の第一歩は「この作業、本当に必要?」と立ち止まって考えることです。例えば、誰も読まない会議資料の作成や、形式的な報告書作りなど、習慣化している無駄な業務があるかもしれません。
まずは1週間の業務を振り返り「なくても困らない仕事」をリストアップしてみます。小さな無駄を省くだけでも、驚くほど時間が生まれるはずです。人事担当者の場合、その時間で本来やるべき人材育成や採用計画に集中できます。
・業務の自動化
日々の単純作業こそ、効率化の大きなチャンスです。Excelやメール、Word作業など決まった作業はマクロを利用してボタン1つで完了することもできます。通常30分かかる作業も、自動化すれば数分で終わることもあるのです。
繰り返しの業務は自動化しておくことで担当者が休んでも他の人が作業できるようになります。最初の手間はかかりますが、その分だけ将来の時間を取り戻すことができます。
・業務のマニュアル化
業務のやり方をマニュアル化することで、業務効率化を見込むことができます。問題なく仕事に取り組めるよう、知識の羅列だけではなく文面や図などを盛り込み、見やすさを意識して作成しましょう。誰でも理解し、行動できるマニュアルがあれば属人化を防ぎ、安定した品質を担保できます。
とはいえ、最初から完璧を目指さなくて大丈夫です。まずは簡単なものから始めて社員の意見を聞きながら改善していきす。そうすることで誰もが使いやすいマニュアルに育っていくはずです。
・業務フローチャートを作成
業務の流れを明記しておくことも、効率化に繋がります。業務フローチャートは、1日の仕事の流れを地図のように見える化するツールです。
各作業の詳しい手順書となるマニュアルと全体像がつかめるフローチャートがあれば新入社員もベテランも迷わず仕事を進めることができ、自然と効率化のヒントが見つかります。
・担当者の変更
「適材適所」の考えは、業務効率化の大きな鍵です。苦手な仕事を担当している社員には得意な分野に職務への変更も検討しましょう。もちろん苦手な仕事にチャレンジすることも大切ですが、チーム全体の効率を考えるなら、まずは「得意分野で活躍できる場所」を重視する視点も重要です。
人事担当者として「この人、ここなら伸びるかも!」という視点で仕事を振り分けてみると、思わぬ才能が見つかるかもしれません。
業務効率化に成功した企業事例5選
ここからは業務効率化の事例を紹介していきます。
・決裁書類の承認作業を簡単に|ヨネックス株式会社の事例
スポーツブランドのヨネックスでは、決裁書類の承認作業に多くの時間を取られていました。そこで承認プロセスを簡略化させるツールを使い、申請ルートを5分の1にまで簡略化。その結果、紙の報告書は7分の1に激減。年間数百万円のコストカットにも成功しています。
・勤怠管理の手間が激減|株式会社カクヤス の事例
酒類の販売を行うカクヤスでは変形労働制の課題「打刻忘れ」「勤怠エラー」の修正に追われることが多く、人事スタッフの業務がデータの修正作業に多く費やされていました。そこで対応システムを導入。エラー修正の手間が大幅に減少し、保守コストの2割削減に成功。従業員の有給休暇取得なども、適切に管理できるようになりました。
・月47時間の削減!契約書業務が4分の1に|キューサイ株式会社の事例
キューサイは契約書はもちろん、発注書、委任状、解約書類まで、すべての文書をデジタルで管理する仕組みを導入し、契約業務にかかる時間が月62.7時間から15時間にまで短縮しました。また紙契約の場合も、マネーフォワードクラウド契約のワークフローを活用し、内部統制を強化しています。
・当たり前を疑う勇気が5億円の売上増|株式会社シップスの事例
アパレルブランドを展開するシップスは営業後に行うのが当たり前とされていた店舗の掃除を「お客様の少ない時間帯に、店内を4分割して少しずつ掃除する」というアイデアを実行。売り上げが5億円増加し、スタッフの残業時間が25%減少しています。
・目的に応じた会議スペースの設置で平均休暇取得日数が増加|株式会社ブリヂストンの事例
タイヤ業界大手のブリヂストンは会議の「目的」と「空間」に注目し「立ったまま15分で終わる短時間ミーティング用のスペース」「2人だけの打ち合わせコーナー」「お客様との商談スペース」など、目的別の空間を用意。業務の質と効率を向上させ、年間の休暇取得日数が12.3日から15日に増加しました。
ここでご紹介した5社の事例には、共通点があります。それは「当たり前」を見直す勇気です。皆さんの会社でも、明日から始められるヒントが見つかるはずです。
業務効率化を成功させる3つのポイント
業務効率化のステップ、アプローチの手法、成功事例を紹介してきました。最後に「業務効率化を成功させるポイント」についてお伝えします。
① 効率化したい項目を具体的に決める
「なんとなく効率化」は上手くいきません。例えば「マニュアル作成を行い、業務の質を均一にしたい」のか「配置を見直して、全体の業務スピードを上げたい」のか「資料の作成時間を3割カットしたい」のか、具体的な目標を立てることが大切です。
② 日常業務の「ムダ探し」を徹底する
普段の業務を時間軸で書き出してみましょう。「誰が」「何を」「何時から何時まで」しているのかを書き出すと「同じ作業をしている」「この作業は自動化できる」などの気づきが生まれます。案外、身近なところにムダは潜んでいるものです。
③ 小さな成功を積み重ねる
よくある失敗は、いきなり大きな改革を目指すことです。「新システムの導入」「組織の大幅な改編」など、一度に多くのことを実行しようとすると、どれも中途半端になりがちです。
まずは「会議資料のフォーマット統一」「短時間ミーティングの導入」など、働く人や環境に合わせて小さな改善から始めます。ひとつのことを確実に実行し、成功体験を積み重ねることが、大きな変革への近道となります。
まとめ
日々の業務に追われ、業務効率化について考える時間が取れない中小企業の人事担当者の皆さんにとって、すぐに始められる効率化のヒントをご紹介しました。
成功企業の事例を参考に、まずは自社でできる小さな改善から始めてみましょう。
それが、より良い組織づくりへの第一歩となるはずです。
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