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1からわかるオンライン試験。システム・方法からカンニング防止策まで

コロナ禍の広がりなどにより、様々な領域で試験や検定のオンライン化が進んでいます。企業内の試験や検定も、社内業務のリモート化に伴いオンライン化される傾向があります。導入を検討されているご担当者様も多いのではないでしょうか。


しかし導入を検討する場合も、そもそも具体的なイメージが湧かなかったり、比較するポイントなどが分からなかったりするかもしれません。この記事では、オンライン試験についての概略と不正防止策などについてまとめます。ぜひ参考にしてみてください。


目次[非表示]

  1. 1.システム・方法別のオンライン試験の種類
    1. 1.1.オンライン試験のシステム➀CBT
    2. 1.2.オンライン試験のシステム②IBT
    3. 1.3.オンライン試験のシステム③その他
  2. 2.オンライン試験のメリット
  3. 3.オンライン試験のデメリット
  4. 4.オンライン試験システム導入の流れ
    1. 4.1.導入の流れ➀問題の形態・仕様の決定
    2. 4.2.導入の流れ②システムの選定
    3. 4.3.導入の流れ③試験問題の用意
    4. 4.4.導入の流れ④試験前の動作など確認
    5. 4.5.導入の流れ⑤試験
    6. 4.6.導入の流れ⑥結果を踏まえたPDCA
  5. 5.オンライン試験の受験のやり方
    1. 5.1.やり方➀申し込み(事前)
    2. 5.2.やり方②コンピューターの環境確認(事前)
    3. 5.3.やり方③ログイン(当日)
    4. 5.4.やり方④本人確認・受験級選択など(当日)
    5. 5.5.やり方⑤試験(当日)
    6. 5.6.やり方⑥結果確認(当日~後日)
  6. 6.オンライン試験で想定される不正・カンニング方法
    1. 6.1.ほかの人の解答を覗き見る
    2. 6.2.カンニングペーパーを用意する
    3. 6.3.受験者同士教え合う・教えてもらう
    4. 6.4.デバイスを利用する
  7. 7.オンライン試験でカンニングはバレる?防止策まとめ
    1. 7.1.防止策➀アトランダム・シャッフルによる出題
    2. 7.2.防止策②Webカメラによる監視
    3. 7.3.防止策③会場の設備・環境(会場型)
  8. 8.その他のオンライン試験実施の注意点
  9. 9.オンライン試験システムの種類
    1. 9.1.システム提供型
    2. 9.2.運営委託型
    3. 9.3.複数の試験形式に対応した運営委託型
  10. 10.オンライン試験のシステム・サービスを選ぶポイント
    1. 10.1.➀出題形式
    2. 10.2.②安全性・安定性
    3. 10.3.③利便性
  11. 11.オンライン試験ならイー・コミュニケーションズにご相談を


システム・方法別のオンライン試験の種類

オンライン試験は、システムや方法によっていくつかの種類に分けられます。まず、種類別の特徴についてまとめます。具体的には次の3つのシステム・方法があります。

・CBT

・IBT

・その他

これらは受験者が選択するのではありません。試験を行う側がこれらの中から自社に合ったシステムを選んで実施します。1つずつ特徴を確認していきましょう。

オンライン試験のシステム➀CBT

「CBT」は、コンピューターを使ったオンライン試験のことです。「Computer Based Testing」の略称です。一般的にはインターネットを経由して試験を行います。コンピューターのディスプレイに問題が表示され、受験者はマウスやキーボードを使って解答するという形式です。

コンピューターを使っていれば、本来受験する場所は不問です。自宅でも会場でも受験することができます。資格試験などでは会場を借りて行う場合もありますし、社内試験では自社の会議室などで行う場合もあります。しかし「CBT」と言う場合、テストセンターなどコンピューターの設備の整った会場を借りて行う「会場型CBT」を指すことが多くあります。

CBTは社内検定に活用されています。そのほか、とくに厳格な試験が行いやすい会場型はさまざまな資格試験にも導入されています。

オンライン試験のシステム②IBT

「IBT」は「Internet Based Testing」の略称で、インターネットを使ったオンライン試験全般を指します。デバイスはコンピューターに限らず、スマートフォンやタブレットでも受験が可能です。CBTと同じくディスプレイに問題が表示され、解答を入力します。

インターネットを使ったオンライン試験全般のことを言うので、IBTの中にCBTが含まれていることになります。

本来は、インターネットを使った試験であれば受験場所は不問です。とは言え、会場型よりも自宅でも受けられるオンライン試験を指して「IBT」と呼ぶことが多くあります。

IBTで自宅で受験する場合は、会場型よりも厳密さの水準が下がります。そのため、IBTはやや軽めの検定などから導入されてきました。しかし企業内の試験や一部の資格試験など、厳密な運用が必要な試験にもIBTは利用されています。今後さらに利用されていくことが予想されます。

オンライン試験のシステム③その他

その他、大学校内のオンライン試験などでは専用のサービス・システムを利用せずにオンライン試験が行われています。

例えばGoogleフォームを利用する方法や、モニターに表示された問題を解いて解答用紙をスキャンしたり写真撮影したりして送るという方法があります。これらの試験は手軽ではありますが、不正対策という点では不十分だと言わざるを得ません。試験の内容や厳格さに合うなら検討してみてもよいでしょう。

またやや毛色が違うのですが、「Webテスト」についてここで触れておきます。Webテストは新卒の就職活動で行われる適性検査で、オンラインで行われる試験です。対象も限定されており目的も異なります。そのため一般にはオンライン試験の文脈で触れられることはほとんどありませんが、オンラインによる試験の1種ですので以上概略だけ触れておきます。

オンライン試験のメリット

オンライン試験には、実施する側・受験する側両方にとって多くのメリットがあります。なお、以下では上記3つの試験方法のうちCBTとIBTの場合にしぼってまとめます。

実施する側からすると、まず試験実施までの準備にかかるコスト・手間を大幅に削減できることが挙げられます。問題用紙の印刷や輸送をはじめ、自社で試験を行うなら会場や試験管の手配も不要です。

また問題のデータは持ち帰ることができないため、問題漏洩のリスクが極めて低いというメリットもあります。解答用紙を紛失することもないので個人情報も守られます。


さらに選択式の問題であれば、採点の自動化が可能で時間・労力を大きくカットできます。試験直後に採点して結果を出すことも可能です。


試験後もデータ管理が容易です。社内の試験であれば不合格者を抽出して連絡・再試験を行ったり、ステップアップしていく試験・検定であれば誰がどこまで合格しているかの確認もすぐにできます。

受験者からすると、日時や場所の自由度が高いのが最大のメリットだと言えます。受験の日時・場所について選択肢が用意されている試験が多くあります。さらに場合によっては、前述したように自宅で受験することも可能です。

オンライン試験のデメリット

オンライン試験には、デメリットもあります。

たとえば導入時の手間・コストがかかります。しかしこれは導入時だけの問題で、いったん導入してしまえばそれ以降は逆に手間もコストもかからなくなります。

コンピューターの操作に不慣れな人にはハンデとなるというデメリットもあります。これは資格試験などでは起こりえますが、社内の試験ではあまり問題とはならないでしょう。業務でコンピューターを使っている人が多いからです。基本的なコンピューターの操作ができれば問題ありません。

IBTで自宅受験する場合、騒音などのアクシデントが起こる可能性がCBTなどより高いということも挙げられます。実際、リスニングのテスト中に電話が鳴ったという例もあります。しかし社内試験ならこのリスクは低いでしょう。

このように見ると、オンライン試験のデメリットは解決可能なものか社内試験では当てはまらないものばかりです。資格試験では課題もありますが、それも多くは実施側というよりも受験者側の問題だと言えるでしょう。


オンライン試験システム導入の流れ

オンライン試験システムを導入する際の流れについてまとめます。ここでは社内試験や資格試験で使われるCBTやIBTを導入する場合について解説します。導入の手順は以下の通りです。
 
問題の形態・仕様の決定
システムの選定
試験問題の用意
試験前の動作など確認
試験
結果を踏まえたPDCA
 
順に1つずつ見ていきましょう。

導入の流れ➀問題の形態・仕様の決定

まず初めに、どのような問題にするか、形態と仕様を決めます。そのためには、試験そのものの目的を明確にしておく必要があります。その試験を行うことによってどのような結果を手に入れたいのかを言葉にしてみましょう。
 
目的が明確になると、どのような問題形式になるかがある程度決まってきます。知識の習得が目的であれば文字ベースで足りるかもしれません。作業技術が関わるなら動画が必要になるかもしれません。文字ベースでも〇×式か記述式かではかなり難易度などが異なります。目的に合わせて、問題形式や問題数を決めていきましょう。

導入の流れ②システムの選定

求める問題形式がはっきりしたら、システム選びに移ります。希望の形式に対応しているかなどを中心に、設問の作成方法・管理機能などの使い勝手のほか、費用とのバランスなども比較します。将来的にほかの使い方をする予定があるなら、今後の活用方法も視野に入れて検討します。
 
優先したいポイントをもとに比較検討し、納得いくシステムを選びましょう。システムを決めたら、導入の手続きと準備・設定を行います。

導入の流れ③試験問題の用意

ハード面の準備をしながら、あるいは準備ができたら、試験問題の作成に入ります。まずは多めに問題を作成し、目的や意図に合うかどうかで取捨選択していきましょう。問題が絞り込まれてきたら、表現など体裁や難易度を確認します。最後に複数人で問題やバラつきがないかチェックします。
 
設問が揃ったら、システムに取り込めるデータ形式で保存します。CSVやExcelデータを利用する場合が多いでしょう。フォーマットが指定となっている場合もあります。データができたらシステムに取り込みます。

導入の流れ④試験前の動作など確認

試験を実施する前に、動作に問題はないかなどを確認します。管理者側の管理作業や問題配信などの動作確認と受験者側の動作確認の両方を行いましょう。
 
また、受験者に対してはあらかじめ推奨環境の提示を行って、動作確認や使用する機材の確認をしておいてもらいます。

導入の流れ⑤試験

会場型・自宅型で多少違う部分がありますが、本人確認を行い、試験に移ります。試験中はトラブルが起こった場合に備えて担当者が待機しておきます。またカンニング対策として監視を行うケースも多くあります。
 
サービスによっては試験中はオフラインにすることが可能で、そういうサービスなら通信トラブルを避けることができます。また万が一トラブルがあった場合もロスしてしまった時間が考慮されるシステムもあります。試験が終了したら採点を行い合否を判定します。記述問題などを除いては自動採点が可能です。不正行為があった場合などは手動で合否を変更することもできます。

導入の流れ⑥結果を踏まえたPDCA

試験の結果や受験者の解答の履歴などをもとに、問題点などがないか分析を行います。分析が可能なシステムでは、解答までにかかった時間、選択された選択肢の分布、カテゴリ別の生活率などのデータが得られます。
 
そういったデータをもとに良問を残し悪問をカットするなど、問題品質の向上を図ります。PDCAを繰り返すことで、問題の精度を高めることができます。

オンライン試験の受験のやり方

次に、オンライン試験の受験のやり方についてまとめます。上記の導入の流れは実施者側の流れでしたが、こちらは受験者が体験する受験までの流れです。以下の手順で進みます。
 
申し込み(事前)
PCの環境確認(事前)
ログイン(当日)
本人確認・受験級選択など(当日)
試験(当日)
結果確認(当日~後日)
 
なお、ここで紹介するのは外部向けに公開している試験の一般的な例で、詳細が異なる場合があります。とくに社内試験の場合はこれと手順が多少異なります。ご了承ください。それでは、それぞれの手順について見ていきましょう。

やり方➀申し込み(事前)

まず、受験者が試験に申し込みます。必要事項は実施者が設定しますが、氏名や連絡先を入力し、マイページ用のIDやパスワードの登録などを行います。その他、必要な場合は試験会場や試験日時、受験級なども選択します。
 
費用が発生する場合は費用の支払方法を選択し、事前に選択した方法で支払いを行います。クレジットカードやコンビニ払いなどが準備されているのが一般的です。必要事項の登録と支払いが済んだ段階で申し込みが完了します。もちろん社内試験ではこの手順は不要です。

やり方②コンピューターの環境確認(事前)

次にケースバイケースではありますが、試験に使用するコンピューターの環境確認を行います。会場型の場合は不要です。
 
申し込み時に推奨環境が提示してあることが一般的なので、条件を満たしているか確認します。満たしていない場合は必要に応じてバージョンアップやブラウザの設定などを行います。
 
Webカメラなど機材面も確認し、不足するものは準備しておきます。環境が整ったら、動作に問題がないか確認します。ギリギリの確認は当日のトラブルの原因となりうるので、余裕を持たせた日程で確認するよう促しましょう。

やり方③ログイン(当日)

当日は指定された方法でログインします。会場型の場合は、ログインの前に必要なことを済ませる必要があります。受付などを済ませたり、不正防止のためロッカーにスマートフォンなどを預けたりしなくてはなりません。
 
受付時にログイン情報を受け取って、IDとパスワードを入力するのが一般的なログイン方法です。

やり方④本人確認・受験級選択など(当日)

方式により順序が前後する場合もありますが、本人確認なども行います。会場型では受付時に行うのが一般的です。自宅で受験する場合はログイン後に行います。方法は試験やサービスによって異なります。目視による確認を行う場合もあれば、AIによる自動認証の場合、身分証明書の撮影で済ます場合などもあります。
 
必要に応じて受験級の選択などを行います。

やり方⑤試験(当日)

必要な設定・確認等が済んだら試験となります。試験時間はコンピューターで管理されており、制限時間が過ぎるか、受験者が自ら試験終了とすることで試験が終わります。
 
なお試験中は、不正防止のため監視が行われる場合もあります。会場型では試験官の巡回や監視カメラ、自宅型ではWebカメラなどの方法で行われます。
 
問題のあると思われる行動をした場合には警告が表示される場合もあります。悪質な不正が認められれば試験終了となる場合もあります。またWebカメラなどの映像は録画されており、後日AIによる解析を行うことも可能です。
 
しかし受験者が普通に受験している限りは何の問題もありません。

やり方⑥結果確認(当日~後日)

試験によっては、終了したらすぐに結果が判明する場合もあります。そういった試験で合否のあるケースは、合格点に達していればその場で合格証が発行されます。後日に結果の連絡を行う場合もあります。
 
会場式の場合は、そのまま終了・帰宅となります。

オンライン試験で想定される不正・カンニング方法

次にオンライン試験で想定される不正やカンニングの方法についてまとめます。不正に対策するために、まずは不正の方法を知っておきましょう。以下のような不正が行われる可能性があります。
 
ほかの人の解答を覗き見る
カンニングペーパーを用意する
受験者同士教え合う・教えてもらう
デバイスを利用する
 
これらは2022年2月に行われたカンニングに関するアンケートで、「カンニングしようと思った」と答えた人が挙げた方法です。具体的に見ていきましょう。

ほかの人の解答を覗き見る

会場型の場合ですが、受験者がほかの人の解答を覗き見る可能性があります。監視の目を盗みながら前の人や隣の人などの解答を覗き見て、自分も同じように解答するという不正です。最も典型的なカンニング方法だと言えるでしょう。
 
ただし自分から距離のあるモニターの文字を盗み読むのは少々難しく、実質的にはオンライン試験で行われるカンニングとしては比較的少ないかもしれません。

カンニングペーパーを用意する

いろいろな形で解答や解答のヒントを書き込んだものを用意しておき、それを見て解答するという方法です。会場型・自宅型の両方で起こりうる不正です。
 
書き込んでおくものは様々な形態があります。メモや付箋のようなものから、身体の一部に書き込むこともあります。その他受験票や、持ち込み可のもの・持ち込みが必須のものに書き込む例もあります。手書きだけとは限らず、持ち込み可の電子機器(電子辞書など)に情報を保存するやり方もあります。
 
自宅型でもWebカメラの死角など、見えないところに用意している場合があります。

受験者同士教え合う・教えてもらう

受験者同士で教え合う、またはほかの受験者に教えてもらうという方法です。これも会場型で行われる方法です。自宅型では、監視がない場合にこの不正が行われる可能性が高くなります。
 
実際、就職活動で行われる適性検査などのWebテストでは、この方法が横行しています。Webテストでは監視がないケースが多くあります。そのため同じ会社を受ける友人と一緒にログインして受験し、問題を分担して解答する就活生が一定数います。

デバイスを利用する

スマートフォンなどのデバイスをこっそり利用して不正を行うという方法もあります。デバイスの使い方としては、解答を検索して調べるほか、外部にいる人物にコンタクトを取るケースもあります。外部の人物は必ずしも協力者とは限りません。事情を知らない善意の人を巻き込むパターンも散見されます。新しい形の不正として増えつつあるのがこのデバイス使用型です。
 
2022年の大学入試共通テストでは、試験問題の画像がデバイスを通じて流出しました。2011年には、大学入試の試験中にインターネットの質問サイトに問題が投稿されたこともありました。国家資格の試験でも、解答例を受験者にメール送信した事件があります。

オンライン試験でカンニングはバレる?防止策まとめ

オンライン試験を実施する側からすればカンニングは防止できるのか・受験する側からすればもしもカンニングしたらバレるのか、気になるのも当然でしょう。実際のところはどうなのでしょうか。

結論からいうと、オンライン試験でもカンニングはバレる可能性が高いと言えます。様々な防止策が練られており、サービス・システムに実装されているからです。具体的には、オンライン試験で行われているカンニング防止策の例としては次の3つが挙げられます。


アトランダム・シャッフルによる出題

Webカメラによる監視

会場の設備・環境(会場型)

1つずつ詳細を確認しましょう。


防止策➀アトランダム・シャッフルによる出題

まず、出題方法におけるカンニング防止策があります。多くのCBT・IBTでは、受験者個々に違う問題を出題したり、出題の順番や選択肢の順番を変えたりすることが可能です。


そのため、仮に会場型の試験でほかの受験者の答えをカンニングしたとしても、それが同じ問題の同じ選択肢とは限りません。例えて言うなら、問3にアと解答していても問題も選択肢の内容も違う可能性があるのです。


カンニングしても意味がないことになり、受験者もリスクを冒してまでカンニングしなくなります。その結果実施者から見てもカンニング行為が抑止されていきます。


防止策②Webカメラによる監視

またコンピューターに搭載されたカメラを使って、受験者の挙動をチェックするサービスもあります。会場型に限らず、自宅受験でも監視が可能です。オンラインの試験ならではの監視方法で、全受験者を正面に近い位置から至近距離で監視できるため高い精度が期待できます。


自宅受験の場合、カメラの死角にカンニングペーパーやテキストを用意したり時には協力者が隠れていたりという不正が考えられます。Webカメラを使って、視線がどこを向いているか・不審な行動をしていないかなどを監視します。


リアルタイムで監視することができ、サービスによっては試験中に該当の受験者にのみ警告を送ることもできます。リアルタイムの監視のほか、録画した映像をAIが分析することが可能なサービスもあります。試験の最中には不審な行動を見逃してしまったとしても、試験後に問題のある行動を洗い出して確認し直すことができます。


防止策③会場の設備・環境(会場型)

会場で行う試験の場合、試験官が巡回したり監視カメラによるリアルタイムの監視も行われます。紙ベースの試験と同様です。


巡回は不正行為の大きな抑止力となります。オンラインの試験はカンニングしやすいというイメージを持たれがちなのは、試験官の監視が少ない、あるいは監視がないからです。しかし会場型ではそのようなことはありません。


そのほか、隣の席との距離を広く取るなどの環境も整えられているのが普通です。


その他のオンライン試験実施の注意点

カンニング以外にも、オンライン試験を実施する際に注意すべき点があります。ここではそういった注意点についてまとめます。


まず事前に確認しておくべきなのが通信環境です。試験の最中に通信トラブルがあると、試験そのものの続行ができないなどということになりかねません。サーバーにかかる負荷や通信速度などを確認しておき、問題なく試験が実施できる環境を用意します。


初めだけオンラインにしたらその後はオフラインで受験可能なサービスや、トラブル時のロスした時間に対応しているサービスもあります。そういったサービスなら万が一の場合も安心です。


また受験者に対して受験環境の条件の告知を行うことも必要です。例えば使用するサービスによってはブラウザの指定があります。そのほかWebカメラの設置なども告知する必要があるでしょう。

オンライン試験システムの種類

次に、オンライン試験システムの種類についてまとめます。提供するシステムの種類や試験の種類によって、次の3種類に分けることができます。
 
システム提供型
運営委託型
複数の試験形式に対応した運営委託型
 
1つずつ見ていきましょう。

システム提供型

システム提供型は、自社で運用することを前提としたタイプです。実施者はサービス提供者からシステムの提供だけを受け、問題作成や配信、受験者の管理などはすべて自社で行います。
 
自社の希望や都合がはっきりしている場合や、スピーディーに運用を開始したい場合に向いています。ただし運用できる人材がいることが前提です。サービスにより強みがいろいろあるので、特長を比較しながら自社に合ったシステムを選ぶことがポイントとなります。

運営委託型

システムの提供だけでなく、試験の実施に関わる実務も委託するタイプです。試験の実施や採点、アフターサービスなどを代行するサービスです。運営事務局やコールセンター業務も委託できるサービスもあります。
 
自社の負担を減らして運用したい場合に向いています。自社で行う範囲と委託する範囲とを事前に明確にしておきましょう。委託できる内容がサービスによって異なるので、自社が外注したい業務に対応しているサービスを選ぶ必要があります。

複数の試験形式に対応した運営委託型

運営を委託できるという点では上で紹介したサービスと似ていますが、こちらは複数の試験形式に対応しているタイプです。CBTやIBTのほか、紙ベースのPBTにも対応するなど、複数の試験形式に対応しているタイプのサービスです。
 
自社の試験形式が多岐に渡る場合はこのサービスがおすすめです。とくに管理コストを上げずに試験形式の選択肢を増やしたい場合に最適だと言えるでしょう。

オンライン試験のシステム・サービスを選ぶポイント

オンライン試験を実施する際、使用するシステムやサービスを選ぶポイントについてまとめます。大きなポイントとしては次の3点が挙げられます。

出題形式

安全性・安定性

利便性

1つずつ見ていきましょう。


➀出題形式

まず、自社で出題したい形式にサービス・システムが対応しているかどうか確認します。文字ベースでの出題のみであれば問題ありません。しかし音声や動画を使いたい場合、そもそも使用できるかどうか・使用の条件や環境はどうかなど、候補のシステムが自社の希望に合うか確認する必要があります。

また解答の形式も確認が必要です。選択問題だけであれば問題ありません。しかし記述式の問題を出題したい場合や外国語など音声で答えさせたい場合は、対応できるサービスばかりではありません。受験者の操作性なども含めて確認する必要があります。

②安全性・安定性

カンニングや問題漏洩、個人情報流出への対策がしっかりしているかどうかも重要です。不正行為への対策は、試験の厳密さ・厳格さによって必要の度合いが変わるでしょう。資格など試験によっては対策が充実しているシステムを選ばなくてはなりません。個人情報のセキュリティはどのような試験であっても高い水準が求められます。

また、試験が安定的に行えるかどうかも大切です。通信環境による影響について、自社の場合はどうかよく確認しておきましょう。とくに受験者が多い場合、通信環境は重要なポイントとなります。試験はオフラインで実施できるサービスなら、安定性が高いと言えるでしょう。

③利便性

さらに実施者側・受験者側の両方から見た使いやすさも確認しましょう。

まずシステム導入時の労力や利便性を考えます。CBT・IBTで使われるシステム「LMS(Learning Management System)」は、サーバー型(オンプレ型)とASP型とに分かれます。サーバー型は自社サーバーにシステムを導入する方法で、ASP型はクラウド上のシステムにアクセスして使用する方法です。ASP型の方が導入のコストや手間が少なく利便性が高いと言えます。

さらに、実施までに必要なテスト準備などの労力も検討します。既存のデータを流用できるかどうか、新たに作成するなら作成のしやすさはどうか、問題を提供してくれるサービスはないかなどを確認します。

そのほか、試験後の採点・結果連絡などの方法、受験者の成績や合否の管理などの利便性も確認します。これらの機能は受験者数が多くなるほど・試験の回数が増えるほど重要度が増します。


受験者の使い勝手も重要です。後で見直したい問題に付箋を付けられる機能や残り時間の表示機能があると受験者も使いやすくなります。

そして上記の機能すべてにおいて、管理画面の使いやすさなどの操作性も確認しましょう。直感的に操作できる管理画面・解答画面の設計がなされていると、それだけでも利便性はかなりアップします。

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